LDL・HDL・中性脂肪の見方|コレステロールが高いと言われたら

健康診断で「LDLコレステロールが高い」「中性脂肪が高い」「HDLが低い」と指摘されたものの、痛くもかゆくもないため、そのままにしていませんか。脂質の数値の異常は、自覚症状がないまま血管の動脈硬化を静かに進める、いわば「数字でしか見えない危険信号」です。

このページでは、健診結果票に並ぶLDL・HDL・中性脂肪という3つの数値が、それぞれ何を意味するのか、どこからが「高い・低い」なのか、そして指摘された後に何をすればよいのかを、できるだけやさしく解説します。すみだ両国まちなかクリニックは両国駅A5出口から徒歩2分・年360日診療で、健診結果票を1枚お持ちいただくだけで、その日から再検査と相談を始められます。

なお、脂質異常症という病気そのものの定義・原因・全身への影響については脂質異常症の解説ページで詳しくご案内しています。このページは「数値の読み方と、次にとるべき行動」に絞ってお話しします。コレステロール以外の項目も含め、健診で指摘された数値全般については生活習慣病外来のトップページもあわせてご覧ください。

LDL・HDL・中性脂肪 ── それぞれの役割をやさしく

そもそもコレステロールや中性脂肪は、体に悪いだけのものではありません。どちらも体に欠かせない「あぶら(脂質)」で、細胞やホルモンの材料になったり、エネルギー源になったりしています。問題になるのは、そのバランスと量が崩れたときです。健診ではこのバランスを、主に次の3つの数値で確認します。

LDLコレステロール(悪玉)── 多すぎると血管にたまる「運び役」

LDLコレステロールは、肝臓でつくられたコレステロールを全身の細胞へ運ぶ「運搬役」です。体に必要な働きですが、多すぎると余ったコレステロールが血管の壁にたまり、動脈硬化(血管が硬く狭くなること)を進めます。このため「悪玉(あくだま)コレステロール」と呼ばれます。健診で最も注目される脂質の数値です。

HDLコレステロール(善玉)── 余分なあぶらを回収する「掃除役」

HDLコレステロールは、血管の壁にたまった余分なコレステロールを回収して肝臓へ戻す「掃除役」です。動脈硬化を抑える方向に働くため「善玉(ぜんだま)コレステロール」と呼ばれます。こちらは少なすぎると問題で、LDLとは「高い・低い」の見方が逆になる点に注意が必要です。

中性脂肪(トリグリセライド/TG)── 使われずに余ったエネルギーの貯金

中性脂肪は、食事でとった糖質や脂質のうち、すぐに使われなかったエネルギーを蓄える「貯金」のようなものです。活動のための大切なエネルギー源ですが、食べ過ぎ・飲み過ぎ・運動不足で増えすぎると、HDL(善玉)を減らし、動脈硬化を進めやすい状態をつくります。中性脂肪はその日の食事の影響を受けやすく、検査前に食べると高く出るため、原則として空腹時に測定します。

基準値と「高い・低い」の意味

健診結果票で「要注意」「要再検査」がつきやすい脂質のおおよその目安は、次のとおりです。空腹時に採血した場合の一般的な値です。

項目注意が必要な目安意味
LDLコレステロール(悪玉) 140mg/dL以上で高値(120〜139は境界域) 高いほど動脈硬化が進みやすい。下げたい数値。
HDLコレステロール(善玉) 40mg/dL未満で低値 低いほど血管の掃除が追いつかない。上げたい数値。
中性脂肪(TG) 150mg/dL以上で高値(空腹時) 高いとHDLが下がりやすい。下げたい数値。

大切なのは、LDLと中性脂肪は「高いと注意」、HDLだけは「低いと注意」という、見る向きの違いです。結果票で「H(高値)」「L(低値)」の記号がどちらについているかを確認してみてください。

ただし、これらの目安はあくまで一般的な基準です。実際にどこまで数値を下げる必要があるかは、その人がほかにどんな危険因子を持っているかで変わります。たとえばすでに高血圧や糖尿病がある方、喫煙する方、過去に心筋梗塞や脳卒中を起こした方は、より厳しく管理することが望ましいとされます。逆に危険因子が少ない方は、もう少し余裕をもって考えられることもあります。「同じLDL150でも、目標とすべき値は人によって違う」ということです。だからこそ、健診の数値だけで一喜一憂せず、医師と一緒に「あなたにとっての目標値」を決めることが大切です。

近年は、LDLとHDLのバランスを見る「LH比(LDL÷HDLの値)」に注目することもあります。LDLが基準内でも、HDLが低くてバランスが崩れている場合は注意が必要なことがあります。こうした総合的な読み方も、診察のなかでご説明します。

自覚症状がないまま動脈硬化が進む理由

脂質の数値が高くても、ほとんどの方は何の症状も感じません。これが脂質異常のいちばん怖いところです。痛みも違和感もないため「まだ大丈夫」と思ってしまいますが、その間にも血管の内側では変化が進んでいます。

余分なLDLコレステロールは、少しずつ血管の壁の内側に入り込み、こぶのような塊(プラーク)をつくります。プラークが大きくなると血管の通り道が狭くなり、さらにこのプラークが破れると、そこに血の塊(血栓)ができて血管を一気に詰まらせます。これが心臓で起これば心筋梗塞、脳で起これば脳梗塞です。つまり脂質の異常は、何年もかけて静かに準備が進み、ある日突然、命に関わる発作として表に出てくるのです。

言い換えれば、症状が出ていない今こそ、もっとも軽い対処で間に合う時期です。動脈硬化は一度大きく進むと元に戻すのが難しくなりますが、早い段階で数値を整えれば、その進行を大きく遅らせることができます。健診で指摘された数字は、体が痛みの代わりに送ってくれた「早めの合図」だと考えてください。動脈硬化が引き起こす合併症の全体像については合併症予防 完全ガイドでも解説しています。

食事・運動でできること

脂質の数値は、生活習慣の影響を大きく受けます。とくに中性脂肪は、食事と運動の改善で短期間に変化が出やすい数値です。LDLも、食事の見直しで下げられる部分があります。お薬の前に、あるいはお薬と並行して、まずは毎日の生活でできることから始めましょう。

食事でできること

  • 中性脂肪を下げたいとき──甘いもの・ジュース・お酒・ごはんやパンなどの糖質のとり過ぎを見直します。揚げ物や脂っこい食事を控えめにし、青魚(さば・いわしなど)を取り入れるのもおすすめです。
  • LDL(悪玉)を下げたいとき──肉の脂身・バター・生クリーム・洋菓子などに多い動物性の脂を控えめにし、野菜・きのこ・海藻・大豆製品などの食物繊維を増やします。
  • HDL(善玉)を上げたいとき──食事だけで大きく上げるのは難しく、運動と禁煙が効果的です。

具体的な献立の組み立て方、外食やコンビニでの選び方は食事療法 完全ガイドで詳しくまとめています。

運動でできること

ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、中性脂肪を下げ、HDL(善玉)を上げる方向に働きます。激しい運動である必要はなく、少し息がはずむ程度の運動を、こまめに積み重ねることが大切です。忙しい方でも続けられる運動の始め方は運動療法 完全ガイドでご紹介しています。

ただし、自己流の極端な食事制限はかえって体調を崩したり、長続きせずリバウンドで数値を悪化させたりすることがあります。当院では、無理なく続けられる範囲で生活を整える方法を、一人ひとりの生活に合わせてご提案します。年360日診療で平日夜・土日も受診できるため、忙しい方でも経過を見ながら無理なく調整できます。

薬による治療の考え方

食事・運動で十分に下がらない場合や、もともとのリスクが高い場合には、お薬による治療を検討します。脂質の治療薬には、LDLコレステロールを下げるスタチンと呼ばれる種類をはじめ、いくつかのタイプがあり、どの数値をどれくらい下げたいかによって選び方が変わります。

「お薬を始めたら一生やめられないのでは」と心配される方は多いのですが、必ずしもそうではありません。生活習慣の改善で数値が十分に安定すれば、医師と相談のうえでお薬を減らせるケースもあります。一方で、自己判断でお薬を中断すると数値が再び上がり、動脈硬化が進んでしまう危険があります。始めるときも、やめるときも、必ず医師と相談しながら進めましょう。

お薬の種類ごとの特徴や選び方の考え方は薬剤の種類と選び方で解説しています。当院では血液検査で治療を始めた後の数値の変化も確認しながら、お薬の量を細かく調整できます。

「家族みんなコレステロールが高い」という方へ ── 家族性高コレステロール血症

食事や運動にとくに問題がないのにLDLコレステロールが著しく高い、あるいは若いうちから高い、ご家族にも高い人が多い、ご家族に若くして心筋梗塞を起こした方がいる──こうした場合、生まれつきLDLが高くなりやすい体質である「家族性高コレステロール血症」という状態が背景にあることがあります。

これは生活習慣だけが原因ではなく、放置すると若い年齢から動脈硬化が進みやすいため、早めに見つけて適切に管理することが特に重要です。「自分は食生活に気をつけているのに数値が下がらない」「家系的にコレステロールが高い」と感じる方は、一度ご相談ください。当院で詳しく確認し、必要に応じて専門的な検査や管理の方針をご説明します。

よくある質問(FAQ)

Q. 健診で「LDLが高い」とだけ言われました。すぐ受診すべきですか?

A. 数値の程度やほかの危険因子によりますが、「要再検査」「要精密検査」「要治療」の判定がついている場合は、症状がなくても早めの受診をおすすめします。脂質の異常は自覚症状がないまま動脈硬化を進めるため、早く対処するほど軽い対応で済みます。健診結果票をお持ちいただければ、再検査・ご相談からスムーズに進められます。

Q. HDL(善玉)が低いだけでも問題ですか?

A. HDLは血管の掃除役で、低いと余分なコレステロールの回収が追いつきにくくなります。LDLが基準内でも、HDLが低い場合は注意が必要なことがあります。HDLを上げるには、運動と禁煙、適正体重の維持が効果的です。具体的な改善方法は受診時にご説明します。

Q. 中性脂肪だけが高いのですが、心配いりませんか?

A. 中性脂肪が高いと、HDL(善玉)が下がりやすくなり、動脈硬化を進めやすい状態につながります。中性脂肪はお酒・甘いもの・糖質のとり過ぎの影響が大きく、生活の見直しで比較的変化が出やすい数値です。極端に高い場合は別の注意も必要なため、一度ご相談ください。

Q. 検査の前に食事をしてしまいました。数値は正しく出ますか?

A. とくに中性脂肪は食事の影響を受けやすく、食後は高く出ることがあります。正確に評価するため、脂質の検査は原則として空腹時の採血で行います。食後に測った数値が高かった場合は、空腹時に再検査することをおすすめします。当院では血液検査による再検査にも対応できます。

Q. 数値が高いと言われましたが、症状が何もありません。本当に治療が必要ですか?

A. 脂質の異常は症状が出ないのが特徴で、症状がないからこそ治療の意味があります。実際に治療が必要かどうかは、数値の程度に加えて、高血圧・糖尿病・喫煙・年齢・ご家族の病歴などを合わせて判断します。「自分の場合はどうなのか」を医師と一緒に確認することが、いちばんの近道です。

Q. コレステロールの薬を飲み始めたら、一生やめられないのですか?

A. 必ずしもそうではありません。生活習慣の改善で数値が十分に安定すれば、医師と相談のうえでお薬を減らせる場合もあります。ただし自己判断での中断は数値の再上昇を招くため危険です。お薬の開始・調整・中止は、必ず医師と相談しながら進めましょう。

Q. 仕事が忙しく、平日昼間に通えません。通院は続けられますか?

A. 当院は年360日診療で、平日は20時まで診療、土曜・日曜も診療しています。両国駅A5出口から徒歩2分と通いやすく、仕事帰りや週末に無理なく通院できます。脂質の管理は数か月単位で経過を見ていくため、続けやすさを重視して通院プランをご提案します。

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