小児科
蕁麻疹
症状・疾患の概要
蕁麻疹(じんましん)は、皮膚に一時的に赤い膨疹やかゆみが現れる疾患で、数分から数時間で消えることが特徴です。原因はアレルギー反応や物理的刺激、感染症など多岐にわたり、小児では食物アレルギーや感染が原因となることが多いです。症状が短期間で治まることもあれば、繰り返し起こる慢性的な場合もあります。
主な症状
赤い膨疹(発疹)
- 蚊に刺されたような腫れが現れ、数時間で消える。
- 発疹の大きさや形はさまざまで、全身に広がることもある。
かゆみ
- 強いかゆみを伴い、掻くと広がることも。
腫れ
- 顔やまぶた、唇、手足などが腫れる(血管浮腫を伴う場合)。
その他の症状(重症の場合)
- 呼吸困難、喉の腫れ、吐き気、血圧低下など(アナフィラキシーの可能性)。
診断と検査について
蕁麻疹の診断は、以下の方法で行います:
- 問診
- 発疹の出現時間、持続時間、悪化のきっかけ(食物、薬、気温変化など)。
- 家族歴や過去のアレルギー歴を確認。
- 視診
- 発疹の形状、範囲、色、腫れを観察。
- アレルギー検査(必要に応じて)
- 血液検査:アレルギーの有無や炎症の程度を確認。
- 皮膚プリックテスト:特定のアレルゲンを調べる。
- 原因探索(慢性蕁麻疹の場合)
- 感染症や自己免疫疾患の有無を調べるため、追加の血液検査や尿検査を行うことがあります。
治療法について
小児の蕁麻疹の治療は、原因の特定と症状の緩和が中心です。
薬物療法
- 抗ヒスタミン薬(内服):かゆみや発疹を抑えるための基本的な治療。
- ステロイド薬(必要に応じて):症状が強い場合、短期間使用して炎症を抑える。
- アドレナリン自己注射薬(エピペン®):アナフィラキシーを起こす危険がある場合、医師の指導の下で携帯する。
生活習慣の改善
- アレルゲンの回避:食物アレルギーや薬が原因の場合、医師の指導のもとで特定し回避。
- 刺激の軽減:温度変化、衣服の摩擦、ストレスを避ける。
注意が必要な合併症や重篤な兆候
以下の症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください:
- 呼吸困難:ゼーゼー音、息苦しさ
- 喉の腫れや声のかすれ:気道の狭窄を示唆
- 全身の倦怠感やぐったり:血圧低下の可能性
- 発疹が24時間以上持続する:別の疾患の可能性
これらはアナフィラキシーや他の重篤な状態を示す場合があります。
家庭でできるケア
- かゆみの軽減:冷たいタオルで患部を冷やし、かゆみを和らげる。
- 肌への刺激を最小限に:ゆったりした衣服を着せ、発疹部分を掻かないよう注意。
- 保湿ケア:乾燥が悪化を引き起こす場合があるため、保湿剤を使用。
予防方法
- アレルギーの早期発見:疑わしい場合は早めにアレルギー検査を受ける。
- 生活環境の整備:ダニやハウスダストを減らすために、掃除や換気を徹底。
- 予防接種の確認:アレルギー体質の子どもは医師に相談して接種スケジュールを調整。
よくある質問(FAQ)
Q1: 小児の蕁麻疹は成長とともに治りますか?
A1: 一過性の蕁麻疹であれば治ることが多いですが、慢性化する場合は定期的な診察と管理が必要です。
Q2: アレルギーが原因の場合、完全に避ける必要がありますか?
A2: アナフィラキシーを引き起こす可能性がある場合は避ける必要があります。詳細は医師と相談してください。
Q3: 子どもが蕁麻疹を頻繁に繰り返す場合、どうすれば良いですか?
A3: 慢性蕁麻疹が疑われるため、専門医で詳しい検査を受け、適切な治療を受けることをおすすめします。