激しい胸の痛み・圧迫感…それ、放置すると危険かも？

「突然、胸の奥がぎゅーっと締め付けられるような痛みを感じた」「ちょっと動いただけなのに胸が苦しくなって息も吸いづらい」。
こんな“激しい胸の痛み”や“圧迫感”は、仕事のストレスや運動不足だけが原因とは限りません。心筋梗塞などの重大な病気が隠れていることもあるため、早期発見・早期治療が何より大切です。ここでは、胸の痛みや圧迫感が続く場合に考えられる原因や、早めに受診すべきサインについて整理しました。

胸痛・圧迫感が続くときに疑われる主な原因

1. 心筋梗塞・狭心症
   
   • 心筋梗塞は、心臓の血管（冠動脈）が詰まって心筋が壊死を起こす状態。
   • 胸の中央部や左側が強く痛み、締め付けられるような圧迫感が特徴的。背中や腕、顎、首などへ痛みが放散することも多い。

2. 大動脈解離
   
   • 大動脈の壁が裂けることで激烈な痛みが走る病気。背中への鋭い痛みや、急激な血圧変動を伴う場合もある。
   • 緊急手術が必要になるケースもあり、対応が遅れると生命に関わる。
3. 肺のトラブル（肺炎・気胸など）
   
   • 肺炎の場合は胸痛とともに発熱やせき、たんが出ることが多い。
   • 気胸では急な息苦しさや鋭い胸痛が起き、若い痩せ型の方にも発生することがある。
4. 逆流性食道炎や食道けいれん
   
   • 胸の中央付近が焼けるように痛む、寝ると痛みが増すなど胃酸逆流が関わるケースも。
   • 胃腸炎などから連想しやすいが、胸部痛を訴える患者さんも少なくない。
5. ストレス・パニック障害
   
   • 強烈な圧迫感や「心臓が締め付けられる」ような感覚は、パニック発作など精神的原因からくる場合も。
   • 呼吸が浅くなり、動悸や過呼吸を伴うことが多いため、心療内科的なアプローチが必要なことも。

こんな症状を見逃さないで

• 安静にしていても痛みや圧迫感が治まらない
• 痛みが30分以上続き、冷や汗・吐き気・顔面蒼白を伴う
• 背中や腕、顎にも痛みが広がり息が苦しくなる
• 動くとすぐ胸が苦しくなり、休んでも回復しにくい
• 血圧や脈が不安定で、意識が朦朧とする

このような状態が見られる場合、「そのうち治る」と放置すると深刻なリスクを見逃す可能性があります。

応急処置と受診のタイミング

1. 一旦動きを止め、安静を保つ
   
   • 胸痛があるときは無理せず座ったり横になったりして、体の負担を減らす。
   • 呼吸を整えて、周囲に助けを求める。
2. 意識レベルや脈、呼吸が怪しければ迷わず救急要請
   
   • 心筋梗塞などが疑われるときは、心電図を含めた緊急検査が必要。
   • 家族や友人がいれば、車で送るよりも救急車を呼ぶほうが安全。
3. 長く続く痛みは医療機関へ
   
   • すぐに緊急性がないように見えても、30分以上痛みが引かない・繰り返す胸痛があるなら医師の診察を。

普段からできる予防・対策

• 生活習慣の見直し
  • 塩分や脂質を控えめにし、高血圧や脂質異常症を防ぐ
  • ウォーキングなど軽い運動で心肺機能を維持
  • 過度な喫煙や飲酒は血管に負担をかけ、心臓病のリスクを上げる
• 定期的な健康診断
  
  • 血圧やコレステロール、血糖値を定期的にチェックし、動脈硬化や心臓病のリスクを早期発見
  • 心電図や胸部レントゲンなどの検査が、思わぬ異常を見つける手がかりになる
• ストレスマネジメント
  
  • 精神的な緊張からくる胸痛もあるため、適度に休息をとり、寝不足やオーバーワークを避ける

当院でのサポート

すみだ両国まちなかクリニックでは、胸の痛みや圧迫感を訴える患者さんに以下のようなサポートを行っています。

• 問診・視診、などの初期検査で心筋梗塞や不整脈、狭心症の可能性を評価
• 必要に応じて血液検査、胸部レントゲン、エコー（当院では、レントゲン、エコーなどは行っていないため必要に応じて専門医療機関をご紹介します）などを組み合わせ、重大な心臓・肺疾患の有無をチェック
• 狭心症・心筋梗塞が強く疑われる場合には、迅速に循環器専門医療機関と連携して治療を進め
• ストレスやパニック障害などが原因の場合は、心療内科としての対処法を提案

胸の痛み・圧迫感は、「ちょっと痛いだけ」や「疲れかも」と軽視しがちですが、重大な病気が潜んでいるケースも少なくありません。もし普段と違う強い痛みを感じたり、繰り返す胸の圧迫感で不安がある場合は、自己判断せず早めに受診して原因を確認しましょう。早期に対処することで、深刻なリスクを避け、安心して日常を過ごす一歩になります。