「何かをする」より「そばにいる」時間が長い医療です
在宅での看取りと聞くと、最期の瞬間に何か処置をする場面が想像されるかもしれません。実際は違います。
やっていることの多くは、その時が来るまでの準備です。
亡くなる前の数か月に、していること
ご本人とご家族の希望を聞く
どこで過ごしたいか、何を大事にしたいか。話し合いを重ねながら決めていきます。
一度決めたことが変わることもあります。「最期まで家で」と話していたご家族が、途中で「やはり入院を」と言われることもある。変わってよい前提で、繰り返し話します。
苦痛を取る
痛み、息苦しさ、吐き気。症状を取ることが、在宅で過ごせるかどうかを直接左右します。
在宅酸素、医療用麻薬による疼痛の管理など、自宅でできる範囲は思われているより広いです。
ご家族の負担を見る
在宅の看取りは、ご家族が介護の当事者です。介護する側が倒れれば、在宅は続きません。
「眠れていますか」「休める日はありますか」——ご家族への問いかけが、そのまま医療の一部になります。
その時にどうするかを、あらかじめ決めておく
呼吸が止まったとき、慌てて救急車を呼ぶと、望まない蘇生処置につながることがあります。
「そのときは、まずクリニックに電話してください」——これを事前に伝えておくことが、看取りの実務では大きな意味を持ちます。
亡くなったあとに、していること
医師が伺い、死亡確認を行います。急ぐ必要はありません。
ご家族が落ち着かれるのを待って伺うことも珍しくありません。その後にご家族と話す時間も、看取りの一部です。
一人で担う仕事ではありません
医師、看護師、訪問看護師、ケアマネジャー、薬剤師。関わる職種は多く、情報を共有しながら支えます。
「看取りが不安」という理由で在宅を避ける方は多いのですが、最初から一人で立ち会うことにはなりません。
当院の場合
すみだ両国まちなかクリニックは、開院1年目で64名の方を在宅で看取りました。
- 訪問には必ず医師が同行します(看護師・アシスタント)
- 緊急時はクリニックとして24時間365日対応します
- 診療情報はICTで共有し、訪問看護・ケアマネジャーと連携します
- 月1回、院長が直接、症例を検討します
ご不安があれば、見学の際に率直にお聞かせください。
→ 訪問診療に同行する看護 → 教育・研修制度