2024年10月に、この両国でクリニックを開きました。
開院からの1年で、外来に延べ9,775人の患者さんが来られました。訪問診療では285人の患者さんのご自宅に伺い、そのうち64人の方を、ご自宅で看取らせていただきました。
数字を並べると立派に見えるかもしれませんが、この1年は、想定していなかったことの連続でした。
診療時間を、何度も変えました
開院当初、うちの外来は平日の夜だけでした。
ところが、開けてみると「日曜に診てほしい」「土曜の午後は無理ですか」という声が続きました。特に多かったのが、平日に仕事を休めない方と、お子さんの具合が悪くなった親御さんです。
そこで2025年の6月と7月に、平日の午前診療を1日だけ試してみました。8月には土曜の午後・夜間の診療を始め、同じ月に月曜の午前も開けました。
いきなり本格的に始めるのではなく、まず1日だけやってみる。 必要とされているかを確かめてから、正式に始める。この1年、そのやり方でひとつずつ広げてきました。
日曜の朝に、薬を渡せない問題
2025年の夏、もうひとつ気づいたことがあります。
日曜と祝日は、近くの薬局が開いていません。
熱を出したお子さんを連れて日曜の朝に来られて、診察して、処方箋をお出しして——それで薬が受け取れないまま帰られる方がいました。翌日まで待ってくださいと言うしかない。
これはおかしいと思って、8月から、日曜・祝日の発熱外来では当日分のお薬を院内でお渡しすることにしました。無償です。
医療として立派なことをしているつもりはありません。ただ、目の前の患者さんが困っている状態を放っておけなかった、というだけです。
訪問診療で見えたもの
外来と並行して、訪問診療も行っています。
墨田・江東・台東・中央・荒川・江戸川・千代田の7区を回っています。2024年12月には機能強化型在宅療養支援診療所(連携型)の認定を受けました。
訪問診療をやってみて、いちばん強く感じたのは、外来で診ていた患者さんが、いつか通えなくなるということです。
足腰が弱って、通院が難しくなって、それきり医療から遠ざかってしまう。そういう方が、実際にいます。
うちが外来と訪問診療の両方を持っているのは、そこを切らないためです。 通えるうちは外来で、通えなくなったら訪問で。同じクリニックが続けて診る。この形にしたかった。
64人の方をご自宅で看取らせていただいたのも、その延長にあります。
まだ3年目です
正直に書きますが、うちはまだ出来上がっていません。
診療時間はこの1年で何度も変わりましたし、これからも変わると思います。やりたいと思っていて、まだ手をつけられていないこともあります。
医師も、看護師も、まだ足りていません。
ただ、出来上がっていないということは、これから関わってくださる方の意見で形が変わる余地があるということでもあります。すでに固まった組織に入って、決まったやり方に従っていただくのとは違います。
見に来てください
条件や勤務時間は、募集要項に書いてあるとおりです。
ただ、このクリニックが自分に合うかどうかは、来ていただかないと分からないと思っています。だから見学を受け付けていますし、1日だけ働いてみていただくこともできます。
見学は選考ではありません。見て、話して、合わないと思われたらそのままお帰りください。こちらから追いかけてご連絡することもありません。
まだ3年目のクリニックですが、この街で必要とされていることは、開院からの1年ではっきりしました。それを一緒に広げてくださる方をお待ちしています。
すみだ両国まちなかクリニック 院長 郡司