内科コラム

熱中症の応急処置|その場でできる正しい対処法

熱中症が疑われるとき、その場での適切な応急処置が回復を左右します。本記事では、誰でもすぐにできる正しい対処法と、やってはいけないこと、救急を呼ぶべきサインを解説します。

まず行う3つの基本

  • 涼しい場所へ移動:日陰・エアコンの効いた室内などへ。
  • 体を冷やす:衣服をゆるめ、首・わきの下・足の付け根を冷やす。
  • 水分・塩分を補給:意識がはっきりしていれば、経口補水液などを少しずつ。

体の冷やし方

太い血管が通る首・わきの下・足の付け根を、保冷剤や冷たいタオルで冷やすと効率よく体温を下げられます。皮膚に水をかけてうちわや扇風機であおぐのも有効です。氷や保冷剤は直接当てず、タオルなどで包んで使いましょう。

水分・塩分の摂り方

汗で失われるのは水分だけでなく塩分(ナトリウム)も含まれます。水だけを大量に飲むとかえって体内の塩分が薄まることがあるため、経口補水液や、水と少量の塩分を一緒に、少しずつこまめに補給します。一気に大量に飲むのは避けましょう。

やってはいけないこと

  • 意識がはっきりしない人に無理に水を飲ませる(誤嚥の危険)
  • 「我慢すれば治る」と冷却・休息をしない
  • アルコールやカフェインの多い飲料で水分補給する
  • 症状があるのに暑い場所にとどまる

すぐに救急(119番)を呼ぶサイン

  • 呼びかけへの反応がおかしい・意識がない
  • けいれんしている
  • 自分で水分が摂れない・まっすぐ歩けない
  • 体が熱いのに汗が出ていない

これらがみられる場合は重症の可能性があります。ためらわず救急要請し、到着までの間も涼しい場所で体を冷やし続けてください。

状況別の対処のポイント

屋外で発症した場合は、まず日陰やエアコンの効いた場所へ移動します。スポーツ中は運動を中止し、衣服をゆるめて体を冷やします。室内で起こった場合も、エアコンをつけて室温を下げ、同様に冷却と水分補給を行います。状況にかかわらず「涼しくする・冷やす・水分をとる」が基本です。

周囲の人ができること

一緒にいる人が熱中症に気づいたら、声をかけて反応を確認し、涼しい場所へ移動させ、体を冷やしながら水分補給を促します。反応が鈍い・自分で水分が摂れない場合は、迷わず救急要請を。ひとりにせず、回復するまで見守ることが大切です。

回復後の過ごし方

いったん症状が落ち着いても、その日は無理をせず安静に過ごしましょう。再び暑い環境に戻ると症状がぶり返すことがあります。十分な水分と休息をとり、体調がすぐれない場合は医療機関にご相談ください。

よくある質問

経口補水液がないときは?

水に少量の塩と糖を加えたもので代用できる場合があります。ただし意識がはっきりしているときに限ります。

回復したら受診しなくてよいですか?

症状が軽く十分に回復すれば経過観察も可能ですが、不安があれば受診を。高齢者やお子様は念のため相談をおすすめします。

冷やす場所はどこが効果的ですか?

首・わきの下・足の付け根など太い血管のある部位が効率的です。

まとめ

熱中症は、早めに気づいて「涼しくする・冷やす・水分をとる」ことが回復の鍵です。重い症状(意識障害・けいれん・自分で水分が摂れない)があれば、ためらわず救急要請を。日ごろから正しい対処法を知っておくことで、いざというときに落ち着いて行動できます。

関連する診療案内

発熱や夏の急な体調不良は、当院の外来でご相談いただけます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状の程度によっては緊急の対応が必要です。意識がない・呼びかけに反応しない・けいれん・自分で水分が摂れないなどの場合は、ためらわず救急(119番)に連絡してください。気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。

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