睡眠外来症状

夜間に激しい動悸で目が覚める

こんなお悩みはありませんか?

  • 「睡眠中に突然、激しい心臓の鼓動で目が覚めてしまう」
  • 「胸がドキドキして、息苦しさや不安感を伴うことがある」
  • 「動悸とともに発汗や体の震えを感じることがある」
  • 「一度目が覚めると、再び眠れなくなってしまう」
  • 「動悸が起きるのではないかという不安から、寝つきが悪くなっている」
  • 「定期的に同じような症状が繰り返し起こる」

夜間の動悸による覚醒は、様々な原因から生じる可能性があり、単なる一過性の症状から、より注意が必要な健康上の問題まで、原因は多岐にわたります。適切な対処のためには、まず原因を特定することが重要です。

夜間に動悸で目覚める主な原因

1. 睡眠関連の問題

  • 睡眠時無呼吸症候群:無呼吸による酸素不足で、心臓が代償的に早く打つ
  • 睡眠時パニック発作:睡眠中に突然のパニック発作が起きる
  • 悪夢や夜驚症:強い情動反応により交感神経が活性化する
  • 睡眠段階の移行時:レム睡眠への移行などで一時的に心拍数が上昇することがある

2. 心臓・循環器系の問題

  • 不整脈:期外収縮、心房細動、頻脈性不整脈など
  • 弁膜症:心臓弁の異常により血流や心拍が乱れる
  • 虚血性心疾患:冠動脈の血流低下による心臓への影響
  • 高血圧:特に夜間の血圧上昇(夜間高血圧)

3. 自律神経の乱れ

  • ストレスや不安:精神的な緊張が自律神経に影響
  • ホルモンバランスの変化:更年期障害、甲状腺機能亢進症など
  • 自律神経失調症:交感神経と副交感神経のバランスの乱れ

4. 生活習慣や環境要因

  • カフェインやアルコール:就寝前の摂取が睡眠中の心拍に影響
  • 過度の疲労や運動不足:体のリズムやホルモンバランスの乱れ
  • 睡眠環境の問題:暑すぎる室温、騒音など
  • 食事の影響:就寝直前の食事、特に高脂肪・高糖質の食事

5. 薬剤の影響

  • 一部の薬の副作用:気管支拡張薬、抗うつ薬、甲状腺ホルモン剤など
  • 市販薬や健康食品:一部の風邪薬、ダイエットサプリメントなど
  • 薬の離脱症状:β遮断薬などの突然の中止

夜間の動悸が睡眠や健康に与える影響

  • 睡眠の分断と質の低下:頻繁な覚醒による睡眠サイクルの乱れ
  • 不眠症の発症:「動悸が起きるのでは」という不安からの入眠困難
  • 日中のパフォーマンス低下:集中力や認知機能の低下
  • 自律神経のさらなる乱れ:悪循環の形成
  • 心理的ストレスの増加:不安や健康への過度な心配
  • 潜在的な心臓疾患の進行:原因が心疾患の場合、早期発見・治療の遅れ

すみだ両国まちなかクリニックでの診療

当院の睡眠外来では、夜間の動悸による睡眠障害に対して以下のような診療・治療を行っています。

1. 詳しい問診と評価

  • 動悸の性質、頻度、持続時間、随伴症状の確認
  • 既往歴や服用中の薬の確認
  • 生活習慣(運動、食事、カフェイン・アルコール摂取など)の評価
  • ストレスや心理状態の確認

2. 関連する検査

  • 睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は簡易検査を実施
  • 基本的な血液検査(甲状腺機能、電解質、貧血の有無など)
  • 必要に応じて心電図検査
  • 心臓疾患が疑われる場合は循環器科への紹介

3. 原因に応じた治療アプローチ

睡眠時無呼吸症候群の場合
  • 重症度に応じてCPAP療法を導入
  • 生活習慣の改善指導
自律神経の乱れが主因の場合
  • リラクゼーション法の指導
  • 生活リズムの調整
  • 必要に応じた薬物療法
睡眠時パニック発作の場合
  • 認知行動療法的アプローチ
  • リラクゼーション法の習得
  • 必要に応じた抗不安薬の検討
心臓疾患が疑われる場合
  • 循環器専門医との連携
  • 適切な検査と治療の提案

夜間の動悸を軽減するためのセルフケア

生活習慣の改善

  1. 規則正しい生活リズム
    • 毎日同じ時間に起床・就寝
    • 十分な睡眠時間の確保(個人差はあるが、多くの成人で7〜8時間)
    • 昼寝をする場合は15〜20分程度に留める
  2. 食事と飲料の調整
    • カフェイン(コーヒー、お茶、チョコレートなど)は午後以降は控える
    • 就寝3時間前までに夕食を済ませる
    • アルコールは適量に留め、就寝直前は避ける
    • 水分を十分に摂取するが、就寝直前の大量摂取は避ける
  3. 適度な運動
    • 日中の適度な有酸素運動(ウォーキング、水泳など)
    • 就寝直前の激しい運動は避ける
    • ストレッチなどのリラクゼーション効果のある運動を取り入れる

睡眠環境の整備

  1. 快適な睡眠環境
    • 適切な室温(夏は26℃前後、冬は20℃前後)
    • 静かで暗い環境
    • 快適な寝具(マットレス、枕など)
  2. 就寝前のリラックス
    • 入浴(38〜40℃のぬるめのお湯に15〜20分)
    • アロマセラピー(ラベンダーなどのリラックス効果のある香り)
    • 軽い読書や音楽鑑賞
    • スマホやPC、テレビなどの光刺激は就寝1時間前から避ける

心理面のケア

  1. ストレス管理
    • 深呼吸や瞑想などのリラクゼーション法
    • マインドフルネスの実践
    • 趣味や楽しみの時間を持つ
  2. 不安への対処
    • 「心配事ノート」をつけて、就寝前に考えをまとめる
    • 認知の歪みに気づき、より現実的な考え方に置き換える練習
    • 必要に応じて専門家(心理士など)に相談

動悸が起きた時の対処法

  1. 呼吸を整える
    • ゆっくりと深呼吸(4秒かけて吸い、2秒止め、6秒かけて吐く)
    • 腹式呼吸を意識する
  2. リラックス姿勢
    • 楽な姿勢(横になるか、座って背もたれにもたれる)
    • 体の力を抜く意識
    • 必要に応じて上体を少し起こす
  3. 冷たいものに触れる
    • 冷たいタオルを額や首に当てる
    • 冷水で手を洗う
  4. 気持ちを落ち着ける
    • 「これは一時的なものだ」と自分に言い聞かせる
    • 周囲の物に意識を向ける(見える物、聞こえる音など)

こんな方は早めの受診をおすすめします

  • 夜間の動悸が頻繁に(週に2回以上)起こる
  • 動悸とともに強い胸痛、息切れ、めまいなどを伴う
  • 動悸時に失神したことがある
  • 心臓病の既往歴や家族歴がある
  • 動悸によって睡眠が著しく妨げられ、日中の活動に支障がある
  • 最近新しい薬を開始した、または薬の用量が変更された

よくある質問(Q&A)

Q: 夜間の動悸は心臓病のサインですか?
A: 必ずしも心臓病を意味するわけではありませんが、特に動悸が突然始まった、頻度や強さが増した、他の症状(胸痛、息切れなど)を伴う場合は、循環器科での評価をおすすめします。多くの場合、ストレスや自律神経の乱れなど、比較的良性の原因によるものですが、正確な診断が重要です。

Q: どのような場合に救急受診すべきですか?
A: 以下のような場合は、すぐに救急受診を検討してください:

  • 動悸と同時に強い胸痛がある
  • 息苦しさや呼吸困難を伴う
  • 冷や汗、顔面蒼白、めまい、失神がある
  • 心臓病の既往があり、いつもと異なる症状がある

Q: 睡眠薬は夜間の動悸に効果がありますか?
A: 睡眠薬は原因によっては効果的な場合もありますが、根本的な原因に対処せずに症状を抑えるだけの場合もあります。また、一部の睡眠薬には依存性がありますので、医師の指導のもとで適切に使用することが重要です。まずは原因を特定し、それに合わせた総合的なアプローチを検討することをおすすめします。

まとめ

夜間に動悸で目覚める症状は、生活習慣の乱れから重大な健康問題まで、様々な原因から生じる可能性があります。原因によって適切な対処法が異なるため、繰り返す場合や強い症状がある場合は、医療機関での評価が重要です。

すみだ両国まちなかクリニックでは、患者さん一人ひとりの症状や生活背景に合わせた総合的なアプローチで、夜間の動悸の原因を特定し、適切な治療と生活指導を提供します。「夜間に動悸で目が覚める」「睡眠中の心臓の動きが気になる」とお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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