睡眠外来症状

海外旅行後に睡眠リズムが乱れる

こんな症状でお悩みではありませんか?

  • 「海外から帰国後、夜中に目が覚めてしまい、日中は強い眠気に襲われる」
  • 「時差のある国から戻って1週間経っても、生活リズムが元に戻らない」
  • 「海外出張が多く、その度に睡眠リズムが乱れて体調不良になる」
  • 「夜中に空腹を感じたり、食事時間になっても食欲がわかない」
  • 「集中力が続かず、仕事や日常生活に支障が出ている」
  • 「時差ぼけ対策をしたつもりでも、なかなか改善しない」

これらの症状は、「時差ぼけ(ジェットラグ)」と呼ばれる、時差のある地域への移動後に体内時計と現地時間のずれによって生じる一過性の睡眠・覚醒リズムの障害です。東西方向の長距離移動を短時間で行った後に特に生じやすく、個人差はありますが、一般的に時差1時間につき回復に約1日かかると言われています。

時差ぼけが起こるメカニズム

私たちの体には、約24時間周期で働く「体内時計(サーカディアンリズム)」があります。この体内時計は、以下のような生理機能をコントロールしています:

  • 睡眠と覚醒のリズム
  • 体温の変動(夜間に低下、日中に上昇)
  • ホルモン分泌(メラトニン、コルチゾールなど)
  • 消化機能と食欲
  • 集中力や認知機能

時差のある地域に移動すると、この体内時計と現地時間にずれが生じ、体は元の時間帯に合わせた生理機能を維持しようとします。例えば、日本からアメリカ(マイナス16時間)に移動した場合、日本時間の夜にアメリカでは昼間となり、体は眠ろうとしているのに現地では活動すべき時間となります。

時差ぼけに影響する要因

1. 移動の方向

  • 東向きの移動(日本→ヨーロッパなど):時間が進む方向への移動で、睡眠時間が短くなり、適応がより難しい
  • 西向きの移動(日本→アメリカなど):時間が戻る方向への移動で、比較的適応しやすい

2. 時差の程度

  • 3時間以内の時差:影響は比較的軽微
  • 6時間以上の時差:体内時計の調整に時間がかかる

3. 個人的要因

  • 年齢:高齢になるほど体内時計の調整能力が低下
  • 体調:元々の睡眠状態や体調不良
  • 過去の経験:頻繁に時差のある移動をしている人は適応が早いことも

時差ぼけによる症状

  • 睡眠障害:入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒
  • 日中の強い眠気と疲労感
  • 集中力や判断力の低下
  • 頭痛やめまい
  • 胃腸障害(食欲不振、便秘、下痢)
  • 気分の変化(イライラ、気分の落ち込み)

すみだ両国まちなかクリニックでの診療

当院の睡眠外来では、時差ぼけによる睡眠リズムの乱れに対して以下のような診療・サポートを行っています。

1. 詳しい問診と評価

  • 海外渡航の詳細(方向、時差、滞在期間など)
  • 現在の睡眠状態と症状
  • 生活習慣や対策の状況
  • 既往歴や服用中の薬の確認

2. 個別化された対応

生活リズム調整のアドバイス
  • 光療法(明るい光の活用と遮光)の指導
  • 活動と休息のタイミングの調整
  • 食事時間の調整
薬物療法(必要な場合)
  • 短期間の睡眠薬の処方を検討
  • メラトニン受容体作動薬などの時間調整薬の検討
その他の症状への対応
  • 頭痛や消化器症状などの随伴症状への対処
  • 体調回復のためのサポート

3. 渡航前の準備アドバイス

  • 次回の海外渡航に向けた時差対策の指導
  • 予防的な生活リズム調整のスケジュール提案

時差ぼけを軽減・解消するためのセルフケア

渡航前の対策

  1. 事前の生活リズム調整:渡航の2〜3日前から、少しずつ目的地の時間に合わせた生活リズムに近づける
  2. 十分な休息:出発前に睡眠不足を作らないよう注意
  3. 体調管理:栄養バランスの良い食事と適度な運動で体調を整える

機内での対策

  1. 機内時間の過ごし方:目的地の時間帯に合わせて睡眠や活動を調整
  2. 水分摂取:十分な水分補給(アルコールやカフェインは控えめに)
  3. 機内食のタイミング:目的地の食事時間に合わせて摂取
  4. ストレッチ:定期的に体を動かし、血行を促進

到着後の対策

光の活用
  1. 東への移動の場合:朝の光を積極的に浴び、夕方以降は明るい光を避ける
  2. 西への移動の場合:夕方に光を浴び、朝は遮光する
  3. 日光浴:できるだけ自然光を浴びて体内時計を調整
活動のタイミング
  1. 現地時間に合わせた生活:到着したら速やかに現地時間に合わせる
  2. 昼寝の活用:15〜20分程度の短い昼寝なら体内時計を乱さない
  3. 適度な運動:日中の軽い運動が睡眠の質を高める(就寝3時間前までに)
食事と水分
  1. 食事時間:現地の食事時間に合わせて摂取
  2. カフェイン:朝に摂取し、午後以降は控える
  3. アルコール:睡眠の質を下げるため、最小限に

帰国後の体内時計調整法

  1. 朝日を浴びる:帰国後は早朝に日光を浴びて体内時計をリセット
  2. 就寝時間の調整:無理に早く寝ようとせず、眠くなってから就寝
  3. リラックス法の活用:入浴、ストレッチなどでリラックスし、自然な眠気を促進
  4. 規則正しい食事:日本時間の食事時間に合わせて摂取
  5. 適度な活動:日中は活動的に過ごし、自然な眠気を作る

こんな方は早めの受診をおすすめします

  • 帰国後1週間以上経過しても睡眠リズムが戻らない
  • 時差ぼけの症状が著しく強く、日常生活に支障がある
  • 頻繁な海外出張があり、その度に体調不良になる
  • 時差ぼけに加えて強い不安感や抑うつ気分がある
  • 自己流の対策を試しても改善しない

まとめ

時差ぼけは、東西方向の長距離移動後に生じる自然な生理反応です。一時的な症状ではありますが、適切な対策を講じることで、症状の軽減や回復期間の短縮が可能です。特に頻繁に海外渡航がある方は、計画的な体内時計の調整が重要です。

すみだ両国まちなかクリニックでは、患者さんの渡航歴や生活スタイルに合わせた個別的なアプローチで、時差ぼけからの回復をサポートします。海外旅行後の睡眠リズムの乱れでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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