睡眠外来症状
夜勤明けなのに眠れない
こんなお悩みはありませんか?
- 「夜勤が終わって帰宅しても、疲れているのに眠れない」
- 「日中に眠ろうとしても、なかなか寝付けず、浅い眠りになる」
- 「夜勤と日勤が交互にあり、体内リズムが整わない」
- 「夜勤明けは3〜4時間しか眠れず、慢性的な睡眠不足になっている」
- 「周囲の音や光で何度も目が覚めてしまう」
- 「夜勤の前日は緊張して眠れず、夜勤中も強い眠気と闘っている」
これらの症状は、シフトワーク睡眠障害(交代勤務睡眠障害)の典型的な訴えです。看護師、医師、製造業、警備、運輸など交代制勤務や夜勤のある職業の方に多く見られます。この障害は単なる不眠症ではなく、体内時計と勤務スケジュールの不一致から生じる睡眠の問題です。
夜勤明けに眠れない主な原因
1. 体内時計(サーカディアンリズム)の乱れ
- 人間の体は昼間に活動し、夜間に睡眠をとるよう設計されている
- 夜勤により自然な生体リズムと逆の生活を強いられる
- 体内時計の調整には時間がかかるため、不規則な勤務では常に体内時計が混乱した状態に
2. 環境的要因
- 日中の明るさや騒音が睡眠を妨げる
- 家族の活動時間と睡眠時間が重なる
- 日中の暑さで快適な睡眠環境が保ちにくい
3. 生理的要因
- 夜間に分泌される睡眠ホルモン(メラトニン)が日中は抑制される
- 日中は体温が上昇し、睡眠に適した体温低下が起こりにくい
- 夜勤中のストレスや緊張で交感神経が活性化し、リラックスしにくい
4. 生活習慣の問題
- 夜勤中のカフェイン過剰摂取
- 不規則な食事時間
- 帰宅後すぐに眠れないため、スマホやTVを見て時間を潰してしまう
シフトワーク睡眠障害が及ぼす影響
- 慢性的な睡眠不足:身体的・精神的疲労の蓄積
- 日中のパフォーマンス低下:集中力や判断力の低下、ミスの増加
- 免疫機能の低下:風邪などの感染症にかかりやすくなる
- メンタルヘルスへの影響:イライラ、抑うつ、不安の増加
- 消化器系トラブル:胃腸障害、食欲不振または過食
- 生活習慣病リスクの増加:高血圧、糖尿病、肥満など
- 社会生活への影響:家族や友人との時間が取りにくくなる
- 安全面のリスク:強い眠気による運転中や業務中の事故
すみだ両国まちなかクリニックでの診療
当院の睡眠外来では、シフトワーク睡眠障害に対して、以下のような診療・治療を行っています。
1. 詳しい問診と評価
- 勤務スケジュールと睡眠パターンの確認
- 睡眠環境や生活習慣の確認
- 睡眠日誌の記録をお願いすることも
- 日中の眠気の程度評価
2. 睡眠障害の検査と評価
- 他の睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群など)の併存がないか確認
- 必要に応じて簡易検査を実施
- うつや不安などの精神的問題のスクリーニング
3. 個別化された治療プラン
生活・環境調整アプローチ
- 勤務スケジュールに合わせた睡眠戦略の立案
- 光療法(明るい光の活用と遮光)のアドバイス
- 睡眠環境の改善指導
薬物療法
- 状況に応じた睡眠薬の処方(短時間作用型など)
- メラトニン受容体作動薬などの検討
- 日中の過度な眠気に対する対応
勤務に関するアドバイス
- 理想的な勤務スケジュールの提案(可能な範囲で)
- 夜勤中の仮眠の取り方
- 夜勤と日勤の切り替え時の対処法
夜勤明けに眠るためのセルフケア
夜勤中の工夫
- カフェインの摂取タイミング:勤務の後半(明け方に近い時間)のカフェイン摂取を避ける
- 仮眠の活用:可能であれば、夜勤中に15〜20分の短時間仮眠を取る
- 明るい光を浴びる:夜間勤務中はなるべく明るい環境で過ごし、覚醒を維持
- 軽い運動や体操:眠気を感じたら、軽いストレッチや歩行で活性化
夜勤明けの帰宅時の工夫
- サングラスの着用:朝日を浴びると体内時計がリセットされるため、帰宅時はサングラスで光を制限
- すぐに就寝準備:帰宅したらすぐにシャワーを浴び、就寝準備を整える
- 朝食を軽めに:消化の良い軽めの食事を取り、胃腸への負担を減らす
- リラクゼーション:入浴や軽いストレッチで心身をリラックスさせる
睡眠環境の整備
- 遮光カーテン:日中の光を完全に遮断できる遮光カーテンの使用
- 耳栓やアイマスク:光や音を遮断するアイテムの活用
- スマホ・テレビの制限:就寝前のブルーライト機器の使用を控える
- 室温調整:季節を問わず快適な温度(夏は26℃前後、冬は20℃前後)に保つ
- 家族の協力:睡眠時間帯は静かに過ごしてもらうよう協力を依頼
睡眠と覚醒のリズム調整
- 一貫した睡眠スケジュール:可能な限り同じ時間帯に睡眠をとる習慣をつける
- 光療法の活用:起きている時間帯の始めに明るい光を浴び、睡眠前は暗い環境で過ごす
- 休日の過ごし方:完全に昼夜逆転するのではなく、徐々に通常の睡眠時間に近づける
- 運動のタイミング:適度な運動は睡眠の質を高めるが、就寝直前の激しい運動は避ける
こんな方は早めの受診をおすすめします
- 夜勤明けに全く眠れない日が続いている
- 夜勤と日勤の切り替えで体調不良や強い疲労感がある
- 仕事中に強い眠気で危険を感じることがある
- 睡眠薬を自己調整している
- シフトワークによる不眠で日常生活に支障が出ている
- うつ症状や不安症状を伴っている
まとめ
夜勤や交代制勤務による睡眠の問題は、体内時計と生活リズムの不一致から生じる自然な反応です。しかし、適切な対策を講じることで、症状を軽減し、健康への影響を最小限に抑えることができます。
すみだ両国まちなかクリニックでは、患者さんの勤務形態や生活背景に合わせた個別的なアプローチで、シフトワーク睡眠障害の改善をサポートします。夜勤明けに眠れない、体調が優れないとお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※医師からのアドバイス:
夜勤や交代制勤務を完全にストレスフリーにすることは難しいですが、体調管理の工夫次第で大きく改善することができます。無理な我慢は健康を損なうだけでなく、業務上のミスや事故のリスクも高めます。ご自身の健康と安全のためにも、お早めにご相談ください。