小児科症状
のどが真っ赤で熱と頭痛がある
「子どものノドを見たら真っ赤になっていて心配」「高熱と頭痛を訴えて元気がない」
お子さまののどが赤く腫れ、発熱や頭痛を伴う場合、咽頭炎や扁桃炎などの感染症が考えられます。これらの症状は、ウイルスや細菌による感染が主な原因です。適切な診断と治療によって、お子さまの苦痛を和らげ、合併症を予防することが大切です。
のどの赤みと発熱・頭痛の主な原因
小児の「のどが真っ赤で熱と頭痛がある」症状の主な原因には以下のようなものがあります
- ウイルス性咽頭炎・扁桃炎
- アデノウイルス、エンテロウイルス、コロナウイルスなど
- 症状は比較的軽度から中等度のことが多い
- 鼻水、咳などの上気道症状を伴うことが多い
- 細菌性咽頭炎・扁桃炎
- A群溶血性連鎖球菌(溶連菌)
- インフルエンザ菌
- マイコプラズマなど
- 高熱と強いのどの痛みが特徴
- 溶連菌感染症(猩紅熱)
- のどの強い痛み、高熱
- 舌が赤くイチゴのようになる(いちご舌)
- 全身に小さな赤い発疹が出ることも
- 伝染性単核症(EBウイルス感染症)
- 強いのどの痛み、高熱、頭痛
- リンパ節の腫れ
- 強い倦怠感
- ヘルパンギーナ
- のどの奥に小さな水疱や潰瘍
- 突然の高熱
- 特に夏に多い
主な症状と見分け方
のどの感染症の主な症状と特徴:
- 咽頭炎・扁桃炎の共通症状
- のどの痛み・赤み
- 発熱(38〜40度)
- 頭痛、倦怠感
- 食欲不振
- ウイルス性と細菌性の見分け方
症状・特徴 | ウイルス性 | 細菌性(溶連菌など) |
発熱 | 軽度〜中等度 | 高熱(39度以上)が多い |
のどの痛み | 中等度 | 強い痛み |
咳・鼻水 | よくある | あまりない(特に溶連菌) |
リンパ節 | 腫れが少ない | 顎の下のリンパ節腫大 |
発疹 | 様々 | 細かい赤い発疹(猩紅熱) |
舌の状態 | 通常 | いちご舌(溶連菌) |
- 年齢による特徴
- 乳幼児:のどの痛みをうまく訴えられず、不機嫌、食欲不振として現れることも
- 学童期以降:のどの痛み、頭痛をはっきり訴えることが多い
注意すべき合併症
のどの感染症が適切に治療されない場合、以下のような合併症のリスクがあります:
- 溶連菌感染症の場合
- リウマチ熱(心臓の弁に障害を起こす)
- 腎炎(急性糸球体腎炎)
- 扁桃周囲膿瘍
- その他の合併症
- 中耳炎
- 副鼻腔炎
- 気管支炎・肺炎
- 脱水(痛みで水分摂取ができない場合)
受診すべきタイミング
以下のような場合は医療機関を受診しましょう:
- 高熱(39度以上)が続く
- のどの痛みが強く、水分や食事がとれない
- 呼吸が苦しそう、息をするときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と音がする
- 首のリンパ節が大きく腫れている
- 発疹を伴う
- いつもより元気がなく、ぐったりしている
- 2歳未満の乳幼児で38.5度以上の発熱がある
家庭でできるケア
医療機関を受診するまでの間、ご家庭でできるケアがあります:
- 水分補給
- のどの痛みがあっても水分は十分に取ることが大切
- 冷たい飲み物やアイス、シャーベットなどが食べやすいことも
- 食事の工夫
- のどごしの良い柔らかい食事(おかゆ、スープなど)
- 刺激物や熱い食べ物は避ける
- 室内環境
- 適切な温度と湿度を保つ(乾燥すると症状が悪化)
- 十分な休息がとれる静かな環境
- 解熱・鎮痛
- 医師に相談の上、適切な解熱鎮痛薬を使用する
- のどのケア
- うがいができる年齢なら、食後に塩水でうがい
- 乳幼児の場合は水分をこまめに与える
すみだ両国まちなかクリニックでのサポート
当院では、のどが赤く発熱や頭痛があるお子さまに対して以下のような診察・検査・治療を行っています:
- 詳しい問診と診察
- 症状の経過、その他の症状、周囲の流行状況などの確認
- のどの視診、リンパ節の触診
- 全身状態の評価
- 必要に応じた検査
- 溶連菌迅速検査
- インフルエンザ検査(シーズン中)
- その他のウイルス検査
- 発熱を伴う場合の迅速検査
- 最新の検査機器「ID NOW」を導入
- 陽性の場合は最短5分、陰性でも13分以内に結果が得られます
- PCR検査と同等の精度を持ち、陽性一致率93.3%、陰性一致率98.4%と報告されています
- 鼻腔からの検体採取で、侵襲性が低く、検査時の不快感を最小限に抑えます
- 適切な治療
- 原因に応じた治療法の提案
- 溶連菌感染症:抗生物質の処方
- ウイルス性:対症療法(解熱鎮痛薬など)
- 水分・栄養摂取の指導
- 合併症予防のためのアドバイス
- 原因に応じた治療法の提案
- 経過観察とフォローアップ
- 症状の改善を確認するための再診のタイミング
- 悪化した場合の対応方法の説明
専門医療機関との連携
当院で対応が難しい場合や、より詳しい検査・治療が必要な場合は、連携医療機関をご紹介します:
- 重症例(呼吸困難、強い脱水など)
- 扁桃周囲膿瘍などの合併症が疑われる場合
- 稀な疾患が疑われる場合
- 入院治療が必要と判断される場合
予防法
のどの感染症を予防するためのポイント:
- 手洗い・うがいの徹底
- 外出後、食事前、トイレ後の手洗い
- うがいができる年齢なら帰宅後のうがい習慣
- 生活環境
- 適切な湿度の維持(50〜60%)
- 部屋の換気
- 十分な睡眠と栄養バランスの良い食事
- 感染拡大防止
- 感染者との接触を避ける
- タオルや食器の共用を避ける
- 流行時期には人混みを避ける
登園・登校の目安
疾患ごとの登園・登校の目安:
- 溶連菌感染症
- 適切な抗菌薬治療を開始してから24〜48時間経過し、症状が改善するまで出席停止が望ましい
- ウイルス性咽頭炎
- 発熱や強い症状がおさまるまで自宅療養が望ましい
- 全身状態が良好であれば登園・登校可能
- その他
- 学校保健安全法の基準や各施設の方針に従ってください
まとめ
- のどの赤みと発熱・頭痛は、ウイルスや細菌による感染症が主な原因です
- 溶連菌感染症は適切な抗生物質治療が必要で、合併症予防のためにも重要です
- 十分な水分補給と休息が回復の基本です
- すみだ両国まちなかクリニックでは、適切な診断と治療、必要に応じた専門医療機関への紹介を行っています
お子さまののどの痛みや発熱でお困りの際は、すみだ両国まちなかクリニックまでご相談ください。適切な診断と治療で、お子さまの早期回復をサポートいたします。