小児科症状
鼻水とくしゃみが止まらない
「子どもの鼻水が何日も続いている」「くしゃみを繰り返して止まらない」
お子さまの鼻水やくしゃみが長引くと、睡眠や食事に支障をきたし、体力も消耗してしまいます。鼻水とくしゃみには感染症によるものとアレルギー性のものがあり、症状や対処法が異なります。ここでは、お子さまの止まらない鼻水とくしゃみの原因や対処法についてご説明します。
鼻水とくしゃみの主な原因
小児の鼻水とくしゃみの原因は大きく分けて以下の2つがあります:
- 感染性鼻炎(かぜなど)
- 原因:ライノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルスなど
- 特徴:粘り気のある鼻水、発熱を伴うことが多い
- 経過:通常1〜2週間で改善
- アレルギー性鼻炎
- 原因:ハウスダスト、ダニ、花粉、ペットの毛など
- 特徴:さらさらした透明な鼻水、目のかゆみも伴うことが多い
- 経過:アレルゲンへの暴露が続く限り症状が持続(季節性または通年性)
- その他の原因
- 副鼻腔炎(蓄膿症)
- 異物混入
- 鼻中隔湾曲
感染性鼻炎とアレルギー性鼻炎の見分け方
症状・特徴 | 感染性鼻炎(かぜなど) | アレルギー性鼻炎 |
鼻水の性状 | 初期は透明、後に黄色や緑色に | 透明でさらさら |
くしゃみ | 時々発作的に | 連続して何回も、特に朝に多い |
かゆみ | あまりない | 鼻や目のかゆみが強い |
発熱 | しばしばある | ほとんどない |
症状の持続 | 1〜2週間で改善 | 長期間持続する |
季節性 | 秋〜冬に多い | 特定の季節(花粉)または通年(ハウスダスト) |
家族歴 | 関連性低い | アレルギー疾患の家族歴がよくある |
受診すべきタイミング
以下のような場合は医療機関を受診しましょう:
- 高熱(38.5度以上)を伴う
- 鼻水が黄色や緑色で、10日以上続く
- 息苦しさや呼吸困難を伴う
- 鼻づまりで夜間の睡眠が妨げられる
- 食欲低下や体重減少がある
- 目の周りの腫れや痛みがある
- 耳痛や難聴を伴う
- 繰り返し同じ症状がある(アレルギーの可能性)
家庭でできるケア
医療機関を受診するまでの間、ご家庭でできるケア方法があります:
- 適切な鼻のかみ方を教える
- 両方の鼻孔を同時にかまないよう指導
- 片方ずつ鼻をかむ
- 加湿と水分補給
- 室内の湿度を50〜60%に保つ(加湿器の使用)
- こまめな水分補給を促す
- 食事の工夫
- 鼻づまりがある場合は、温かいスープなどで水分と栄養を摂る
- 刺激物(香辛料など)を避ける
- 生活環境の整備
- アレルギーが疑われる場合は、寝具の洗濯や掃除をこまめに
- ペットのいる場所と寝室を分ける
- 煙草の煙を避ける
- 鼻洗浄
- 医師に相談の上、生理食塩水での鼻洗浄を行う(年齢に応じて)
すみだ両国まちなかクリニックでのサポート
当院では、鼻水とくしゃみが止まらないお子さまに対して以下のような診察・検査・治療を行っています:
- 詳しい問診と診察
- 症状の経過、家族のアレルギー歴など詳細な情報収集
- 鼻腔・咽頭の視診
- アレルギー性と感染性の鑑別
- 必要に応じた検査
- アレルギー検査(特異的IgE検査など)
- 鼻汁の検査(感染症の確認)
- 発熱を伴う場合の迅速検査
- 発熱を伴う場合の迅速検査
- 最新の検査機器「ID NOW」を導入
- 陽性の場合は最短5分、陰性でも13分以内に結果が得られます
- PCR検査と同等の精度を持ち、陽性一致率93.3%、陰性一致率98.4%と報告されています
- 鼻腔からの検体採取で、侵襲性が低く、検査時の不快感を最小限に抑えます
- 原因に応じた治療
- 感染性鼻炎:対症療法、必要に応じて抗生物質
- アレルギー性鼻炎:抗ヒスタミン薬、鼻噴霧ステロイド薬など
- 生活指導と環境整備のアドバイス
- 経過観察とフォローアップ
- 症状の改善を確認するための再診
- アレルギー性鼻炎の場合は長期的な管理計画
専門医療機関との連携
当院で対応が難しい場合や、より詳しい検査・治療が必要な場合は、連携医療機関をご紹介します:
- エコー、CT、MRI、レントゲン検査などが必要な場合
- 副鼻腔炎が疑われる場合
- 鼻腔の構造的異常が疑われる場合
- アレルギー専門医によるさらなる評価が必要な場合
予防と長期管理
鼻水やくしゃみを予防・管理するためのポイント:
- アレルギー対策
- アレルゲンを特定し、可能な限り接触を避ける
- 定期的な寝具の洗濯、部屋の掃除
- 空気清浄機の使用検討
- 感染予防
- 手洗いの徹底
- マスクの着用(年齢に応じて)
- 人混みや感染者との接触を避ける
- 免疫力の向上
- バランスの良い食事
- 十分な睡眠と適度な運動
- ストレスの軽減
- 定期的な受診
- アレルギー性鼻炎の場合は定期的なフォローアップが重要
- 季節性アレルギーは症状が出る前からの予防的治療も効果的
まとめ
- 小児の鼻水とくしゃみは感染性とアレルギー性の原因があり、症状や経過が異なります
- 高熱や長期間続く症状がある場合は早めに受診しましょう
- 家庭でのケアと適切な医療機関での治療を組み合わせることが効果的です
- すみだ両国まちなかクリニックでは、原因に応じた適切な診断と治療、生活指導を行っています
お子さまの鼻水やくしゃみでお悩みの際は、すみだ両国まちなかクリニックまでご相談ください。症状の原因を適切に診断し、お子さまの状態に合った治療を提案いたします。