小児科症状

薬を飲んだ後に全身がかゆい

「子どもが薬を飲んだ後に全身を掻き始めた」「抗生物質を飲んでから発疹が出て、かゆがっている」
薬を服用した後にかゆみや発疹が現れた場合、薬に対するアレルギー反応(薬疹)の可能性があります。薬のアレルギー反応は軽度のものから、稀に生命を脅かす重篤なものまで様々です。お子さまの安全のため、薬によるかゆみの症状を理解し、適切に対応することが重要です。

薬によるかゆみや発疹の主な原因

薬を飲んだ後に全身のかゆみや発疹が出る主な原因は以下の通りです:

  • 薬剤アレルギー(薬疹)
    • 特定の薬に対する免疫反応
    • 抗生物質(ペニシリン系、セフェム系など)、解熱鎮痛剤、抗けいれん薬などで起こりやすい
    • 初回服用時または服用開始数日後に発症することが多い
  • 薬剤性蕁麻疹(じんましん)
    • 皮膚が赤く盛り上がり、強いかゆみを伴う
    • 数時間〜数日で自然に消退するが、新たな部位に出現することも
  • 接触性皮膚炎
    • 塗り薬が直接触れた部位に限局して起こる
    • かぶれに似た湿疹状の発疹
  • 重症薬疹
    • スティーブンス・ジョンソン症候群
    • 薬剤性過敏症症候群
    • 中毒性表皮壊死症(TEN)など

緊急性の高いサイン

以下のような症状がある場合は、薬の服用を中止し、すぐに医療機関を受診してください:

  • 呼吸が苦しい、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)がある
  • 顔や唇、舌が腫れる
  • 声がかすれる、喉がつまった感じがする
  • 急激な血圧低下(ぐったり、意識レベルの低下)
  • 全身に急速に広がる強い発疹、紫斑
  • 高熱(38.5度以上)を伴う
  • 粘膜(口内、目、陰部)にも発疹や水疱が出る

これらはアナフィラキシーや重症薬疹の兆候である可能性があり、緊急処置が必要です。

よく見られる軽度〜中等度の症状

緊急性は低いものの、以下のような症状も薬のアレルギー反応として見られます:

  • 蕁麻疹(じんましん)
    • 赤く盛り上がった発疹(膨疹)
    • 強いかゆみ
    • 数時間〜数日で自然に消退する
  • 斑状丘疹状(はんてん)
    • 赤い斑点が全身に広がる
    • かゆみを伴うことが多い
  • 固定薬疹
    • 特定の部位に繰り返し現れる
    • 円形〜楕円形の赤い発疹
  • 光線過敏症
    • 薬を服用中に日光に当たると発疹が出る

受診すべきタイミング

以下の場合は医療機関を受診してください:

  • かゆみや発疹が広範囲に広がっている
  • かゆみが強く、日常生活や睡眠に支障がある
  • 発疹が水疱(水ぶくれ)になっている
  • 症状が悪化している
  • 発熱を伴う
  • 粘膜(口腔内、目など)にも症状がある

家庭でできること

医療機関を受診するまでの間、ご家庭でできることがあります:

  1. 薬の服用中止
    • かゆみや発疹の原因と考えられる薬の服用を中止する
    • ただし、自己判断で中止すると危険な薬もあるため、可能な限り医師に相談する
  2. 症状の記録
    • 症状が出現した時間
    • どの薬を服用したか、いつ服用したか
    • 発疹の広がり方や変化
    • 写真に残しておくとよい
  3. 皮膚を清潔に保つ
    • ぬるめのシャワーや入浴で皮膚を清潔に
    • 刺激の少ない石鹸を使用する
  4. かゆみの軽減
    • 冷たいタオルで冷やす
    • 掻かないよう爪を短く切る
    • 通気性の良い綿の服を着せる

すみだ両国まちなかクリニックでのサポート

当院では、薬を服用後に全身がかゆくなったお子さまに対して以下のような診察・検査・治療を行っています:

  • 詳しい問診と身体診察
    • 服用した薬の種類、服用のタイミング、症状の経過
    • 全身の皮膚の状態、粘膜の状態の確認
    • 呼吸状態、血圧、脈拍など全身状態の評価
  • 必要に応じた検査
    • 血液検査(アレルギーの程度や肝機能・腎機能への影響を評価)
    • 皮膚の状態の写真記録
  • 適切な治療
    • 原因薬剤の中止と代替薬の提案
    • 抗ヒスタミン薬の処方
    • 重症度に応じたステロイド薬の処方
    • アナフィラキシーリスクの評価と対策
  • 経過観察とフォローアップ
    • 症状の改善を確認するための再診
    • 今後の薬の使用についての指導

専門医療機関との連携

当院で対応が難しい場合や、より専門的な検査・治療が必要な場合は、連携医療機関をご紹介します:

  • 重症の薬疹が疑われる場合
  • アナフィラキシーなど緊急処置が必要な場合
  • 詳細なアレルギー検査(薬剤リンパ球刺激試験など)が必要な場合
  • 入院治療が必要な場合

今後の対策と注意点

薬のアレルギー反応が確認された場合の対策:

  1. アレルギー情報の管理
    • アレルギーのある薬剤を記録しておく
    • お薬手帳に明記する
    • 医療機関受診時に必ず申告する
  2. 医療警告カードの携帯
    • 重度のアレルギーがある場合は、アレルギー情報を記載したカードを携帯する
  3. 代替薬の確認
    • アレルギーがある薬の代わりに使用できる薬を確認しておく
  4. 交差反応の理解
    • 類似構造を持つ薬でも同様のアレルギーが起こることがある
    • 医師と相談して避けるべき薬を確認する

まとめ

  • 薬を飲んだ後の全身のかゆみは、薬へのアレルギー反応の可能性があります
  • 呼吸困難や顔の腫れなどの緊急症状がある場合はすぐに受診を
  • 薬のアレルギーが疑われる場合は、原因薬の服用を中止し医師に相談を
  • すみだ両国まちなかクリニックでは、適切な診断と治療、必要に応じた専門医療機関への紹介を行っています

お子さまが薬を飲んだ後にかゆみや発疹が出た場合は、すみだ両国まちなかクリニックまでご相談ください。症状の程度や緊急性を適切に判断し、お子さまの安全を第一に考えたサポートを提供します。

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