小児科症状

緑色の鼻水が2週間以上続く

「子どもの鼻水が緑色で、なかなか治らない」「かぜは治ったはずなのに、濃い鼻水がずっと出ている」
お子さまの鼻水が緑色や黄色く、2週間以上続く場合、単なるかぜではなく、副鼻腔炎(蓄膿症)などの可能性があります。長引く鼻水は、お子さまの生活の質を下げるだけでなく、耳や肺などの周囲の器官に影響を及ぼすこともあります。適切な診断と治療で、しつこい鼻症状を改善しましょう。

緑色の鼻水が続く主な原因

小児の緑色の鼻水が長期間続く主な原因には以下のようなものがあります:

  • 副鼻腔炎(蓄膿症)
    • かぜなどのウイルス感染後に細菌感染が加わり、副鼻腔に炎症や膿が溜まる
    • 急性副鼻腔炎:3週間未満の症状
    • 慢性副鼻腔炎:12週間以上症状が続く
  • アデノイド肥大
    • 鼻の奥(咽頭)にあるアデノイドという組織の腫れ
    • 鼻づまりや鼻水の排出障害を引き起こす
  • 異物の存在
    • 小さな子どもが鼻に異物を入れてしまい、それが原因で感染を起こす
  • アレルギー性鼻炎の二次感染
    • アレルギー性鼻炎に細菌感染が加わった状態
  • 免疫機能の問題
    • 免疫不全や慢性疾患がある子どもはより感染しやすく、長引くことがある

副鼻腔炎(蓄膿症)の症状

緑色の鼻水が続く場合に最も多い副鼻腔炎の主な症状:

  • 鼻症状
    • 濃い緑色や黄色の鼻水(前鼻漏)
    • 鼻づまり
    • 後鼻漏(鼻水が喉に流れる感覚)
    • においがわかりにくくなる
  • 全身症状
    • 頭痛や顔の痛み(特に額や頬の圧痛)
    • 咳(特に夜間や朝方に悪化)
    • 微熱
    • 全身倦怠感
  • 年齢による特徴
    • 乳幼児:言葉で症状を表現できないため、機嫌が悪い、食欲不振などで気づくことも
    • 学童期以降:大人と同様の症状を訴えることが多い

緑色の鼻水が続く場合のリスク

適切な治療をせずに放置すると、以下のような合併症のリスクがあります:

  • 中耳炎
    • 鼻と耳はつながっているため、感染が中耳に波及
    • 耳痛、難聴、発熱などの症状
  • 気管支炎・肺炎
    • 後鼻漏により細菌が下気道に流れ込む
    • 長引く咳や発熱の原因に
  • 睡眠障害
    • 鼻づまりによる口呼吸や夜間の咳で睡眠の質が低下
  • 学習への影響
    • 不十分な睡眠や慢性的な炎症による集中力低下
    • 聴力への影響で言語発達に影響することも

受診すべきタイミング

以下のような場合は医療機関を受診しましょう:

  • 緑色や黄色の鼻水が10日以上続く
  • 鼻水に加えて高熱(38.5度以上)がある
  • 顔の痛みや頭痛を訴える
  • 目の周りの腫れや発赤がある
  • 耳痛や難聴を伴う
  • 呼吸が苦しそう
  • 繰り返し同じ症状がある

家庭でできるケア

医療機関を受診するまでの間、ご家庭でできるケアがあります:

  1. 十分な水分補給
    • 水分をたくさん摂ることで鼻水をサラサラにする効果がある
  2. 加湿
    • 室内の湿度を50〜60%に保つ
    • 乾燥は鼻粘膜を刺激し、症状を悪化させる
  3. 鼻洗浄
    • 医師に相談の上、生理食塩水での鼻洗浄を行う
    • 年齢に応じた適切な方法で実施することが重要
  4. 睡眠時の姿勢
    • 頭部をやや高くして寝かせる
    • 鼻づまりの軽減と後鼻漏による咳の予防に効果的
  5. 清潔な環境
    • ほこりやカビ、タバコの煙などを避ける
    • アレルギー要因を減らす

すみだ両国まちなかクリニックでのサポート

当院では、緑色の鼻水が長引くお子さまに対して以下のような診察・検査・治療を行っています:

  • 詳しい問診と診察
    • 症状の経過、これまでの治療、アレルギーの有無などの確認
    • 鼻腔・咽頭の視診
    • 耳や胸部の聴診(合併症の確認)
  • 必要に応じた検査
    • 鼻汁の検査(細菌培養など)
    • アレルギー検査(必要な場合)
    • 発熱を伴う場合の血液検査など
  • 発熱を伴う場合の迅速検査
    • 最新の検査機器「ID NOW」を導入
    • 陽性の場合は最短5分、陰性でも13分以内に結果が得られます
    • PCR検査と同等の精度を持ち、陽性一致率93.3%、陰性一致率98.4%と報告されています
    • 鼻腔からの検体採取で、侵襲性が低く、検査時の不快感を最小限に抑えます
  • 適切な治療
    • 原因に応じた抗生物質の処方
    • 鼻づまりや鼻水を改善する薬の提案
    • 鼻洗浄の指導
    • アレルギーが関与する場合の対策
  • 生活指導
    • 家庭でのケア方法の説明
    • 再発防止のためのアドバイス
    • 保育園・学校生活での注意点

専門医療機関との連携

当院で対応が難しい場合や、より詳しい検査・治療が必要な場合は、連携医療機関をご紹介します:

  • エコー、CT、MRI、レントゲン検査などが必要な場合
  • 慢性副鼻腔炎の精査が必要な場合
  • アデノイド肥大の評価が必要な場合
  • 耳鼻科的処置や手術が必要と判断される場合

予防法

副鼻腔炎や長引く鼻症状を予防するためのポイント:

  1. 風邪の早期治療
    • かぜの症状がある場合は早めに休息をとり、適切な治療を受ける
  2. 手洗い・うがいの習慣
    • 感染予防の基本として徹底する
  3. アレルギー要因の管理
    • アレルギー体質のお子さまは、アレルゲンを避ける生活環境づくり
    • 定期的なアレルギー治療の継続
  4. 規則正しい生活
    • 十分な睡眠と栄養バランスの良い食事
    • 適度な運動による免疫力の向上

まとめ

  • 緑色の鼻水が2週間以上続く場合は、副鼻腔炎などの可能性があります
  • 放置すると中耳炎など合併症のリスクがあるため、適切な治療が大切です
  • 家庭でのケアと医療機関での適切な診断・治療を組み合わせることで改善が期待できます
  • すみだ両国まちなかクリニックでは、お子さまの状態に合わせた診断と治療、必要に応じた専門医への紹介を行っています

お子さまの緑色の鼻水が長引いてお困りの際は、すみだ両国まちなかクリニックまでご相談ください。適切な診断と治療で、お子さまの不快な症状の改善をサポートいたします。

WEB予約WEB予約
LINE公式LINE公式
電話する電話する