小児科症状

お腹を押すと強く痛がる

「子どものお腹を触ると痛がる」「お腹を押すとひどく痛がって泣く」
お子さまのお腹の痛みは、単なる消化不良から緊急手術が必要な状態まで、原因は様々です。特に、お腹を押したときに強い痛みを訴える場合は、腹膜炎など緊急性の高い疾患の可能性もあり、注意が必要です。このページでは、お腹を押すと強く痛がる場合の原因や対処法についてご説明します。

お腹を押すと痛がる主な原因

小児のお腹を押すと痛がる症状の主な原因には以下のようなものがあります:

  • 急性虫垂炎(盲腸)
    • 最初はみぞおち周辺や臍の周りの痛みが、右下腹部に移動
    • 押して離した時に痛みが強くなる(反跳痛)
    • 発熱、吐き気・嘔吐を伴うことが多い
  • 腸重積
    • 主に乳幼児(6ヶ月〜2歳)に多い
    • 間欠的な強い腹痛で急に泣き出し、その後元気になるを繰り返す
    • いちご状のゼリー状の血便がみられることも
  • 腸炎(感染性胃腸炎)
    • お腹全体の痛みや圧痛
    • 下痢、嘔吐、発熱を伴うことが多い
  • 便秘
    • 左下腹部を中心とした痛みや不快感
    • 排便回数の減少、硬い便
  • 尿路感染症
    • 下腹部の痛みや圧痛
    • 頻尿、排尿時の痛み、発熱
  • 外傷性腹部損傷
    • 打撲や転倒後の腹部の痛み
    • 腹部の打撲痕、腫れ
  • ヘルニア(脱腸)の嵌頓
    • 鼠径部(足の付け根)や臍の周りの膨らみと痛み
    • 嘔吐を伴うことも

緊急性の高いサイン

以下のような症状を伴う場合は、緊急性が高い可能性があります:

  • 強い腹痛が持続し、動くのも辛そう
  • 押した後に離すと痛みが増す(反跳痛)
  • お腹が板のように硬くなっている
  • 顔色が悪い、冷や汗をかいている
  • 繰り返す嘔吐、特に胆汁(緑色)や血液が混じった嘔吐
  • 血便がある
  • 高熱(38.5度以上)を伴う
  • お腹が膨れて張っている
  • 痛みで眠れない、歩けない

これらの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

年齢別の注意すべき疾患

年齢によって多い疾患が異なります:

  • 乳児(0〜1歳)
    • 腸重積
    • ヘルニアの嵌頓
    • 尿路感染症
  • 幼児(1〜6歳)
    • 腸重積
    • 急性虫垂炎
    • 腸炎
    • 便秘
  • 学童(6〜12歳)
    • 急性虫垂炎
    • 腸炎
    • 便秘
    • メッケル憩室炎

家庭でできること

医療機関を受診するまでの間、ご家庭でできることには限りがありますが、以下の点に注意してください:

  1. 安静にさせる
    • 痛みのある時は横になって安静にさせる
    • お子さまが楽な姿勢をとれるようにする
  2. 水分補給
    • 嘔吐がなければ、少量ずつ水分を与える
    • 嘔吐がある場合は医師に相談するまで控える
  3. 食事
    • 強い痛みがある場合は食事を控える
    • 軽い場合は消化の良いものを少量
  4. 温めない
    • 腹痛時にお腹を温めると、炎症を悪化させる可能性があるため避ける
  5. 痛みの観察
    • 痛みの場所、強さ、性質(鈍痛、刺すような痛みなど)の変化を記録
    • 嘔吐や便の状態も確認

すみだ両国まちなかクリニックでのサポート

当院では、お腹を押すと強く痛がるお子さまに対して以下のような診察・検査を行っています:

  • 詳しい問診と身体診察
    • 痛みの場所、性質、持続時間、随伴症状などの確認
    • 腹部の触診、打診、聴診による評価
    • 反跳痛や筋性防御(お腹の筋肉が硬くなる)の有無を確認
  • 必要に応じた検査
    • 尿検査(尿路感染症の確認)
    • 血液検査(炎症反応、肝機能、腎機能の評価)
    • 便検査(血便、感染性腸炎の確認)
  • 発熱を伴う場合の迅速検査
    • 最新の検査機器「ID NOW」を導入
    • 陽性の場合は最短5分、陰性でも13分以内に結果が得られます
    • PCR検査と同等の精度を持ち、陽性一致率93.3%、陰性一致率98.4%と報告されています
    • 鼻腔からの検体採取で、侵襲性が低く、検査時の不快感を最小限に抑えます
  • 適切な治療方針の提案
    • 原因に応じた治療法の提案
    • 緊急性の判断と適切な対応

専門医療機関との連携

当院で対応が難しい場合や、より詳しい検査・治療が必要な場合は、連携医療機関をご紹介します:

  • エコー、CT、MRI、レントゲン検査などが必要な場合
  • 外科的治療が必要と考えられる場合
    • 急性虫垂炎
    • 腸重積
    • ヘルニアの嵌頓など
  • 入院治療が必要な場合

予防と注意点

腹痛の予防や再発防止のためのポイント:

  1. 食生活の見直し
    • バランスの良い食事
    • 食べ過ぎを避ける
    • よく噛んでゆっくり食べる習慣をつける
  2. 便秘の予防
    • 十分な水分摂取
    • 食物繊維を含む食事
    • 規則正しいトイレ習慣
  3. 手洗いの徹底
    • 感染性胃腸炎予防のため、食事前やトイレ後の手洗いを習慣づける
  4. ストレス管理
    • 学校や友人関係でのストレスが腹痛の原因になることも
    • 子どもの様子に変化がないか注意を払う

まとめ

  • お腹を押すと強く痛がる症状は、単なる消化不良から緊急手術が必要な状態まで様々
  • 反跳痛、持続する強い痛み、嘔吐、血便などを伴う場合は緊急性が高い
  • 年齢によって疑われる疾患が異なるため、適切な診断が重要
  • すみだ両国まちなかクリニックでは、適切な診断と治療、必要に応じた専門医療機関への紹介を行っています

お子さまのお腹の痛みでご心配の際は、すみだ両国まちなかクリニックまでご相談ください。特に、お腹を押したときに強く痛がる場合は、緊急性の高い疾患の可能性もあるため、早めの受診をお勧めします。

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