小児科症状

呼吸が速く浅くなっている

「子どもの呼吸が速くなっている」「胸やお腹が激しく動いている」
お子さまの呼吸が速く浅くなっているのを見ると、保護者の方は非常に不安になることでしょう。小児の呼吸は成人に比べて速く、また病気によって呼吸状態が変化しやすいという特徴があります。呼吸の変化は、体が酸素を十分に取り込めていない緊急のサインである場合もあり、適切な判断と対応が重要です。

小児の呼吸が速くなる主な原因

お子さまの呼吸が速く浅くなる原因には様々なものがあります:

  • 呼吸器感染症
    • 細気管支炎(RSウイルスなど)
    • 肺炎(細菌性、ウイルス性、マイコプラズマなど)
    • クループ症候群
    • 気管支喘息の発作
  • 気道閉塞
    • 異物誤飲
    • のどの腫れ(扁桃炎、咽頭炎など)
    • アレルギー反応(アナフィラキシー)
  • 循環器の問題
    • 先天性心疾患
    • 心不全
    • 不整脈
  • その他
    • 高熱
    • 貧血
    • 代謝性アシドーシス(糖尿病など)
    • 痛みやストレス

注意すべき呼吸の変化とサイン

年齢ごとの正常な呼吸数の目安:

  • 新生児:30〜60回/分
  • 乳児(1〜12カ月):25〜40回/分
  • 幼児(1〜5歳):20〜30回/分
  • 学童(6〜12歳):18〜25回/分

以下のようなサインがある場合は注意が必要です:

  • 呼吸の様子
    • 鼻の穴が大きく開く(鼻翼呼吸)
    • 胸とお腹の間のくぼみ(肋間)や鎖骨上のくぼみが呼吸時に引っ込む
    • 呼吸のたびに胸やお腹が大きく動く
    • 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音(喘鳴)がする
  • 全身の状態
    • 唇や爪が青白い、灰色っぽい(チアノーゼ)
    • ぐったりして反応が悪い
    • 顔色が悪い
    • 水分摂取を嫌がる、おしっこの回数が減る

緊急性の判断

以下の症状がある場合は緊急の対応が必要です:

  • 呼吸が非常に速い(年齢の正常値より明らかに速い)
  • 呼吸をするのに苦労している(陥没呼吸、鼻翼呼吸)
  • 唇や爪が青い(チアノーゼ)
  • ぐったりして反応が鈍い
  • 呼吸が不規則、または一時的に止まる
  • 喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)が激しい

これらの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診するか、場合によっては救急車を呼んでください。

家庭でできること

医療機関を受診するまでの間、ご家庭でできることには限りがありますが、以下が参考になります:

  1. 落ち着いた環境を作る
    • お子さまを抱き上げたり、安心させたりする
    • 静かで涼しい環境を保つ
  2. 楽な姿勢をとらせる
    • 呼吸が楽になる姿勢(多くの場合は少し上体を起こした状態)をとらせる
    • 乳児の場合は抱っこして支える
  3. 衣服を緩める
    • 首回りや胸部を圧迫する服を緩める
  4. 呼吸の観察を続ける
    • 呼吸数、呼吸の様子、顔色などの変化を観察する
  5. 発熱がある場合
    • 医師の指示に従った解熱剤の使用を検討する
    • 水分補給を促す(飲めるようであれば)

すみだ両国まちなかクリニックでのサポート

当院では、呼吸が速く浅くなっているお子さまに対して以下のような診察・検査を行っています:

  • 詳しい問診と身体診察
    • 呼吸数、呼吸パターン、陥没呼吸の有無の確認
    • 肺の聴診、酸素飽和度測定、視診による全身状態の評価
  • 必要に応じた検査
    • 呼吸器感染症の迅速検査
    • 必要に応じて血液検査
  • 発熱を伴う場合の迅速検査
    • 最新の検査機器「ID NOW」を導入
    • 陽性の場合は最短5分、陰性でも13分以内に結果が得られます
    • PCR検査と同等の精度を持ち、陽性一致率93.3%、陰性一致率98.4%と報告されています
    • 鼻腔からの検体採取で、侵襲性が低く、検査時の不快感を最小限に抑えます
  • 適切な治療方針の提案
    • 原因に応じた治療法の提案(吸入治療、抗生物質など)
    • 自宅での管理方法の指導
  • 緊急性の判断と対応
    • 重症度に応じた適切な対応
    • 緊急性が高い場合は迅速な処置と高次医療機関への紹介

専門医療機関との連携

当院で対応が難しい場合や、より詳しい検査・治療が必要な場合は、連携医療機関をご紹介します:

  • エコー、CT、MRI、レントゲン、心電図検査、肺機能検査などが必要な場合
  • 入院治療や酸素投与が必要な場合
  • 喘息発作などの重症例
  • 循環器疾患が疑われる場合

予防と注意点

呼吸器疾患を予防するためのポイント:

  1. 感染予防
    • 手洗いの徹底
    • 人混みや感染者との接触を避ける(特に乳幼児)
  2. 生活環境の整備
    • 適切な室温と湿度の維持
    • 受動喫煙の回避(家庭内での禁煙)
  3. 予防接種
    • インフルエンザワクチン
    • 肺炎球菌ワクチンなど年齢に応じた予防接種
  4. 既往症の管理
    • 気管支喘息などの持病がある場合は、医師の指示に従った管理を徹底

まとめ

  • 小児の呼吸が速く浅くなることは様々な原因で起こり、時に緊急対応が必要です
  • 呼吸困難のサイン(陥没呼吸、チアノーゼなど)に注意し、緊急性を判断しましょう
  • 呼吸状態の急変は待機せず、すぐに医療機関を受診してください
  • すみだ両国まちなかクリニックでは、適切な診断と治療、必要に応じた専門医療機関への紹介を行っています

お子さまの呼吸の変化でご心配の際は、すみだ両国まちなかクリニックまでご相談ください。特に呼吸状態の急変は緊急性が高いため、迷わず受診されることをお勧めします。

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