小児科症状

皮膚の一部が急に赤く腫れる

「子どもの腕や顔が突然赤く腫れてきた」「触ると熱っぽく、痛がっている」

お子さまの皮膚が急に赤く腫れる症状は、様々な原因で起こりえます。蜂窩織炎などの皮膚感染症から、虫刺されやアレルギー反応まで、原因によって対応方法や緊急性が異なります。このページでは、皮膚の一部が急に赤く腫れる主な原因と対処法、受診すべきタイミングについてご説明します。

1.皮膚が急に赤く腫れる主な原因

  1. 蜂窩織炎(ほうかしきえん)
    • 皮膚の深い層(真皮や皮下組織)の細菌感染症
    • 赤く熱を持った腫れ、痛み、発熱を伴うことが多い
    • 皮膚の傷や虫刺されなどから細菌が侵入することで発症
    • 適切な抗生物質での治療が必要
  2. 丹毒(たんどく)
    • 皮膚表層のリンパ管に起こる連鎖球菌感染症
    • 境界明瞭な赤い腫れ、熱感、痛み
    • 顔や足に多く発症
    • 発熱や全身倦怠感を伴うことが多い
  3. 虫刺され・ダニ刺症
    • 蚊、ブヨ、ダニなどに刺されることによる局所反応
    • かゆみを伴うことが多い
    • 掻きすぎると二次感染の恐れ
    • アレルギー体質のお子さまは反応が強く出ることがある
  4. 蕁麻疹(じんましん)
    • 皮膚の一部または全身に赤い膨らみ(膨疹)が出現
    • 強いかゆみを伴うことが多い
    • 数時間〜数日で移動したり消失したりする
    • アレルギー反応、物理的刺激、感染症などが原因
  5. 接触性皮膚炎
    • 特定の物質(植物、金属、化学物質など)に触れることで発症
    • 接触部位に赤みや水疱、かゆみが生じる
    • 原因物質を特定し、除去することが重要
  6. 血管性浮腫(アレルギー性浮腫)
    • 皮膚深層や粘膜下の血管が拡張し、組織液が漏出して起こる浮腫
    • 顔面(特に唇、まぶた)や手足などに好発
    • かゆみよりも痛みや張りを感じることが多い
    • 数時間〜数日で自然に消退することが多い
  7. 蜂窩織炎と誤診されやすい疾患
    • 急性骨髄炎(骨の感染症)
    • 関節炎
    • 深部静脈血栓症

2.注意すべき危険サイン

以下のような症状がある場合は、緊急性があり、早急に医療機関を受診する必要があります:

  • 急速に広がる赤みや腫れ
  • 高熱(38.5℃以上)
  • 強い痛み
  • 水疱や膿がある
  • 赤い線が腫れから中心部(心臓)に向かって伸びている
  • 顔面や口唇の急激な腫れ(特に呼吸困難を伴う場合は救急車を呼ぶ)
  • 意識レベルの低下
  • 全身に赤い発疹が急速に広がる

特に乳幼児の場合、感染症が急速に悪化することがあるため、早めの受診が重要です。

3.ご家庭でできる対応

緊急性がなく、症状が軽度の場合は、以下の対応が役立つことがあります:

  1. 清潔に保つ
    • 石鹸と水で優しく洗浄(強くこすらない)
    • 清潔なタオルで軽く押さえるように拭く
  2. 冷却
    • 清潔なタオルに冷水を浸し、軽く絞って患部に当てる
    • 氷嚢を使用する場合は、タオルで包んで直接肌に当てないよう注意
    • 10〜15分程度冷やし、10分休むというサイクルを繰り返す
  3. 患部の安静
    • 腫れている部位を心臓より高く保つ(可能な場合)
    • 過度の運動や刺激を避ける
  4. 引っ掻かないように注意
    • かゆみがある場合でも掻かないよう子どもに伝える
    • 爪を短く切る
    • 必要に応じて手袋や靴下を着用させる

ただし、これらの対応はあくまで補助的なものです。症状が強い場合や改善しない場合は、自己判断せずに医療機関を受診してください。

4.受診すべきタイミング

以下のようなケースでは、医療機関への受診をお勧めします:

  • 赤みや腫れが24時間以上拡大し続ける
  • 痛みが強く、触れられないほど
  • 38℃以上の発熱を伴う
  • 水疱や膿が形成されている
  • 前述の危険サインがひとつでもある
  • 過去に同様の症状で治療を受けたことがある

特に乳幼児や基礎疾患(糖尿病、免疫不全など)のあるお子さまは、皮膚の感染症が急速に進行することがあるため、早めの受診が重要です。

5.すみだ両国まちなかクリニックでのサポート

当院では、皮膚の赤みや腫れを訴えるお子さまに対して以下の診療を行っています:

  • 問診・診察
    • 症状の発症時期、経過
    • アレルギー歴、基礎疾患の確認
    • 最近の外傷、虫刺され、接触物質などの確認
    • 皮膚の状態の丁寧な観察
  • 検査・診断
    • 必要に応じて血液検査(白血球数、CRPなど炎症マーカー)
    • 必要に応じて細菌培養検査
  • 治療
    • 細菌感染症:適切な抗生物質の処方(内服薬や外用薬)
    • アレルギー反応:抗ヒスタミン薬、ステロイド薬の処方
    • 虫刺され:かゆみや炎症を抑える外用薬の処方
    • 家庭でのケア方法の指導
  • フォローアップ
    • 治療効果の確認
    • 必要に応じて再診の調整

症状が重度または特殊な場合や、専門的な皮膚科検査が必要と判断された場合には、連携医療機関(皮膚科・小児科専門医)をご紹介いたします。

6.蜂窩織炎と丹毒について

蜂窩織炎と丹毒は、いずれも細菌感染症ですが、適切な治療を行わないと重篤な合併症を引き起こす可能性があります:

  • 治療の重要性
    • 抗生物質による早期治療が重要
    • 通常、抗生物質治療開始後24〜48時間で症状改善が見られる
    • 改善が見られない場合は治療方針の再評価が必要
  • 治療期間
    • 通常7〜10日間の抗生物質治療
    • 症状が改善しても処方された期間は必ず服用を継続する
  • 合併症予防
    • 再発予防のため、皮膚の清潔保持
    • 小さな傷や虫刺されも適切に処置

7.皮膚トラブルの予防策

  • 皮膚の清潔維持
    • 適切な入浴・シャワー
    • 特に外遊び後は身体をきれいに洗う
  • 小さな傷の適切なケア
    • 擦り傷や切り傷は清潔に洗い、必要に応じて消毒
    • 傷が乾くまで清潔な絆創膏で保護
  • 虫刺され対策
    • 外出時は肌の露出を少なくする
    • 必要に応じて年齢に適した虫除け対策
    • 虫刺され後は早めにかゆみ止めを塗布し、掻きすぎを防ぐ
  • アレルゲンの回避
    • 既知のアレルギー原因物質を避ける
    • 新しい食品や環境の導入は慎重に

8.まとめ

  • 皮膚の一部が急に赤く腫れる症状は、感染症からアレルギー反応まで様々な原因がある
  • 高熱や強い痛み、急速に広がる赤みがある場合は早急に医療機関を受診
  • 軽度の症状では清潔に保ち、冷却などの対応が有効
  • 適切な治療と予防策で、お子さまの皮膚トラブルを効果的に管理
  • すみだ両国まちなかクリニックでは丁寧な診察と適切な治療、必要に応じた専門医への紹介を行います

お子さまの皮膚の赤みや腫れでお困りの際は、すみだ両国まちなかクリニックにご相談ください。早期の適切な対応で、お子さまの不快感を和らげ、合併症を予防します。

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