小児科症状
黄色い目やにが大量に出る
「朝起きると子どもの目が黄色い目やにで固まっている」「目やにが多くて、何度拭いてもすぐに出てくる」
お子さまの目から黄色い目やに(眼脂)が大量に出る症状は、主に細菌性結膜炎などの眼の感染症が原因です。特に保育園や幼稚園に通う子どもたちの間で流行しやすく、適切な処置が必要です。このページでは、黄色い目やにの原因、家庭での対処法、受診の目安をご説明します。
1.黄色い目やにが大量に出る主な原因
- 細菌性結膜炎
- 黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌などの細菌による感染
- 特徴:粘り気のある黄色〜緑色の目やに、目の充血、まぶたの腫れ
- 両目または片目から発症し、放置すると両目に広がることが多い
- 接触感染で広がりやすい
- 流行性角結膜炎(はやり目、アデノウイルス結膜炎)
- アデノウイルスによる感染
- 初期は水っぽい分泌物だが、数日経つと黄色い目やにも混じる
- 強い充血、まぶたの腫れ、目の痛み、光に過敏になる
- 非常に感染力が強く、家族内や集団内で流行しやすい
- 麦粒腫(ものもらい)
- まぶたの腺が細菌感染を起こし、まぶたに赤い腫れや膿を持った腫瘤ができる
- 局所的な痛みと発赤を伴う
- 破裂すると膿が出ることもある
- 涙嚢炎(るいのうえん)
- 涙の排出路である涙嚢の感染
- 目頭(鼻側)の腫れや痛み、押すと膿が出ることがある
- 乳幼児に比較的多い
- アレルギー性結膜炎に細菌感染が合併
- アレルギーによるかゆみで目をこすることで細菌が二次的に感染
2.注意すべき症状
以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします:
- 強い痛みや違和感がある
- 視力低下(物がぼやけて見える、見えにくいと訴える)
- まぶたの著しい腫れ
- 高熱を伴う
- 目やにが24時間以上続く
- 光をまぶしがる(羞明)
- 目の周囲の皮膚が赤く腫れている
- 乳幼児(特に新生児)の目やに
新生児の場合、黄色い目やには先天性鼻涙管閉塞や新生児結膜炎の可能性もあり、早めの受診が必要です。
3.ご家庭でできる対応
症状が出始めた時や医療機関に行くまでの応急処置として、以下の対応が役立ちます:
- 清潔な手で対応
- 目やにを拭く前には必ず石鹸で手を洗う
- 使い捨ての清潔なティッシュやガーゼを使用
- 適切な目やにの拭き方
- ぬるま湯で湿らせた清潔なガーゼで、目頭(鼻側)から目尻(耳側)に向かって優しく拭く
- 強くこすらない
- 片目ずつ別のガーゼを使用する(感染拡大防止)
- 温かいタオルで湿布
- 清潔なタオルをぬるま湯で濡らし、軽く絞って閉じた目の上に数分間置く
- 固まった目やにが柔らかくなり、取り除きやすくなる
- 感染拡大を防ぐ注意点
- タオルの共用を避ける
- 頻繁に手を洗う
- 目を触った後は特に手洗いを徹底
- 枕カバーやタオルをこまめに洗濯
ただし、これらの対応はあくまで補助的なものです。症状が強い場合や改善しない場合は、早めに医療機関を受診してください。
4.受診すべきタイミング
以下のようなケースでは、医療機関への受診をお勧めします:
- 黄色い目やにが24時間以上続く
- 目の痛みや充血が強い
- まぶたの腫れが顕著
- 発熱を伴う
- 新生児・乳児の目やに
- 家庭での対応で改善しない
- 視力に影響があると感じる
- 学校や保育園で同様の症状の子どもが複数いる(流行の可能性)
早期に適切な治療を受けることで、症状の緩和や合併症の予防、感染拡大の防止につながります。
5.すみだ両国まちなかクリニックでのサポート
当院では、黄色い目やにでお困りのお子さまに対して以下の診療を行っています:
- 問診・診察
- 症状の発症時期や経過
- 両眼か片眼かの確認
- 周囲での流行状況の確認
- 目の充血、腫れ、分泌物の性状確認
- 検査と診断
- 目の状態の詳細な観察
- 必要に応じて分泌物の検査
- 治療
- 細菌性結膜炎:抗菌薬の点眼薬の処方
- ウイルス性結膜炎:対症療法(洗眼・冷却など)
- 麦粒腫:抗菌薬の点眼・内服薬、温罨法の指導
- 家庭でのケア方法の説明
- 感染対策指導
- 学校・園への登校・登園の目安についての説明
- 家庭内感染予防のアドバイス
詳細な眼科検査が必要と判断された場合には、連携医療機関(眼科)をご紹介いたします。
6.感染性結膜炎の場合の注意点
特に感染力の強い結膜炎(流行性角結膜炎など)では、以下の点に注意が必要です:
- 出席停止期間
- 医師の診断に基づき、適切な期間の出席停止
- 細菌性結膜炎:治療開始後24〜48時間程度
- 流行性角結膜炎(はやり目):主要症状が消退するまで(通常1〜2週間)
- 感染予防の徹底
- 手洗いの徹底
- タオル・洗面用具の共用禁止
- プール使用の一時中止
- 家族内での感染予防(別のタオル、枕カバーの使用など)
7.予防のポイント
- 手洗いの習慣化
- 外出後、食事前、トイレ後の手洗い
- 目を触る前後の手洗い
- 目をこすらない習慣
- 目のかゆみがあっても、こすらずにティッシュなどで軽く押さえる
- 特にアレルギー体質のお子さまは注意
- タオルの共用を避ける
- 家族それぞれが個別のタオルを使用
- 定期的な洗濯・交換
- 流行時の注意
- 流行時期は人混みを避ける
- プールなどの共用施設の利用を一時的に控える
8.まとめ
- 黄色い目やにの多くは細菌性結膜炎など感染症が原因
- 家庭では清潔なガーゼでの適切な拭き方、手洗いの徹底が重要
- 症状が強い場合や24時間以上続く場合は医療機関を受診
- 感染拡大を防ぐため、タオルの共用を避け、学校・園への出席も医師の指示に従う
- すみだ両国まちなかクリニックでは、適切な診断と治療、感染予防のアドバイスを提供
お子さまの目の健康のため、黄色い目やにが気になる場合は、すみだ両国まちなかクリニックにご相談ください。早期の適切な対応で、お子さまの不快感を和らげ、感染拡大を防ぎます。