小児科症状
目のかゆみと充血が激しい
「子どもが目を何度もこすり、真っ赤になっている」「朝起きると目やにがひどく、まぶたがくっついている」
お子さまの目のかゆみや充血は、アレルギー性結膜炎や感染性結膜炎など様々な原因で起こります。目は非常にデリケートな器官であり、特に小さなお子さまの場合は早期対応が重要です。このページでは、子どもの目のかゆみや充血の原因、家庭での対処法、受診の目安についてご説明します。
1.目のかゆみと充血の主な原因
- アレルギー性結膜炎
- 花粉、ハウスダスト、ダニなどのアレルゲンに反応して発症
- 強いかゆみを伴うことが特徴
- 季節性(春や秋に悪化)のこともあれば、通年性のこともある
- アトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギー疾患を持つ子どもに多い
- 感染性結膜炎
- ウイルスや細菌による感染
- ウイルス性結膜炎:アデノウイルスなどによるもので、強い充血や眼脂(めやに)、異物感
- 細菌性結膜炎:黄色ブドウ球菌などによるもので、黄色や緑色の粘り気のある眼脂が特徴
- 学校や保育園などで感染が広がりやすい
- 異物による刺激
- 砂やホコリなどの異物が目に入った場合
- コンタクトレンズの不適切な使用(年長児の場合)
- ドライアイ
- 長時間のスマートフォンやゲーム、テレビの視聴による目の乾燥
- 瞬きの回数が減ることで涙の分泌が減少
2.注意すべき症状
以下のような症状がある場合は、速やかに眼科医の診察を受けることをお勧めします:
- 激しい痛みを訴える
- 視力低下がある(物がぼやけて見える、見えにくいと訴える)
- 光がまぶしく感じる(羞明)
- 目の周りの腫れが著しい
- 発熱を伴う
- 緑色や黄色の眼脂が多量に出る
- 症状が数日間改善しない
- 片目だけに症状がある場合(特に乳幼児)
3.ご家庭でできる対応
- 清潔に保つ
- 清潔な手で対応する(目をこすり前には必ず手を洗う)
- 清潔なタオルやガーゼで目やにを優しく拭き取る
- 洗顔時に目の周りも優しく洗う
- 冷却
- アレルギー性の場合は、冷たいタオルで目を冷やすと症状が和らぐことがある
- 特にかゆみが強い場合に効果的
- 目をこすらないよう注意
- こすることで症状が悪化したり、角膜に傷がついたりする可能性がある
- 小さなお子さまには、爪を短く切り、ミトンや手袋をはめるなどの工夫を
- アレルゲンの回避
- 花粉症の季節は窓を閉める、外出後は着替える、洗顔する
- 室内の掃除をこまめに行い、ダニやホコリを減らす
- 休息
- 目を休める時間を設け、テレビやゲーム、スマートフォンの使用を制限する
4.受診すべきタイミング
- 症状が数日以上続く場合
- 上記の注意すべき症状が1つでもある場合
- 感染が疑われ、家族内で広がっている場合
- 目のかゆみや充血が定期的に繰り返される場合
- アレルギー症状が強く、日常生活に支障がある場合
特に小さなお子さまの場合、目の不調を適切に伝えられないことがあります。普段と様子が違うと感じたら、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
5.すみだ両国まちなかクリニックでのサポート
当院では、目のかゆみや充血でお困りのお子さまに対して以下の対応を行っています:
- 問診・診察
- 症状の発症時期、経過、随伴症状などを詳しくお聞きします
- 目の状態を丁寧に診察し、可能な原因を評価
- 治療・対応
- アレルギー性結膜炎と判断される場合は、抗アレルギー点眼薬の処方
- 感染性結膜炎が疑われる場合は、状況に応じた適切な点眼薬の処方
- 重症例や専門的な検査・治療が必要な場合は眼科専門医へのご紹介
- 生活指導
- 目の衛生管理や、アレルゲン回避の具体的な方法
- 再発予防のためのアドバイス
- 学校・園への登校・登園の目安についての説明
眼底検査やスリットランプ検査など専門的な検査が必要と判断された場合は、連携医療機関(眼科)をご紹介いたします。
6.感染性結膜炎の場合の注意点
特にアデノウイルスによる「はやり目(流行性角結膜炎)」は、非常に感染力が強く、以下の点に注意が必要です:
- タオルや洗面用具の共用を避ける
- 頻繁に手を洗う(特に目を触った後)
- プール使用の自粛
- 学校や保育園への登校・登園は医師の指示に従う(通常、結膜充血が消失するまで出席停止となることが多い)
7.アレルギー性結膜炎の長期管理
アレルギー性結膜炎は季節性または通年性に繰り返すことがあります:
- アレルゲンの特定と回避:必要に応じてアレルギー検査を行い、原因となる物質を特定
- 予防的な点眼薬の使用:花粉の季節前から使用することで症状を軽減できることも
- 他のアレルギー疾患(喘息、アトピー性皮膚炎など)との関連性の評価
8.まとめ
- 子どもの目のかゆみや充血は、アレルギーや感染症など様々な原因で起こります
- 激しい痛み、視力低下、大量の眼脂など注意すべき症状がある場合は早めに受診を
- 家庭では清潔に保ち、目をこすらないよう注意することが大切
- 感染性の場合は、タオルの共用を避けるなど二次感染防止に注意
- アレルギー性の場合は、原因物質の特定と回避が重要
- すみだ両国まちなかクリニックでは、症状の評価と適切な治療、必要に応じた専門医へのご紹介を行っています
お子さまの目の健康に不安を感じたら、早めにすみだ両国まちなかクリニックにご相談ください。適切な診断と治療で、お子さまの不快な症状を緩和し、合併症を予防します。