小児科症状

息を吸うときゼーゼー音がする

「子どもが息を吸うときにゼーゼー・ヒューヒューと音がする」「息をするたびに胸がへこむ」
お子さまの呼吸に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音(喘鳴)が聞こえると、保護者の方は不安になるものです。呼吸時の異常音は、気道が狭くなっていることを示すサインであり、様々な原因で起こります。特に乳幼児は気道が細いため、軽い炎症でも呼吸に影響が出やすいという特徴があります。適切な対応で、お子さまの呼吸を楽にし、重症化を防ぎましょう。

1. 呼吸時のゼーゼー音の主な原因

小児の呼吸時にゼーゼー音が聞こえる主な原因には以下のようなものがあります:

  • 気管支喘息(ぜんそく)
    • 気道の慢性的な炎症による気道狭窄
    • 特に呼気(息を吐くとき)のゼーゼー音が特徴的
    • 運動や夜間・明け方に悪化しやすい
    • アレルギー体質の子どもに多い
  • 細気管支炎
    • RSウイルスなどによる感染症
    • 主に2歳未満の乳幼児に多い
    • 鼻水や咳に続いて喘鳴が出現
    • 冬から春にかけて流行する
  • クループ症候群(急性喉頭炎)
    • 主にウイルス感染による喉頭の炎症
    • 犬の吠えるような特徴的な咳(犬吠様咳嗽)
    • 吸気時の喘鳴(ストライダー)
    • 夜間に急に症状が悪化することが多い
  • 気道異物
    • 小さなおもちゃ、食べ物(ピーナッツなど)の誤嚥
    • 突然の咳込みや喘鳴
    • 片側の肺だけで聞こえることも
  • 気管・気管支軟化症
    • 気管や気管支の軟骨が弱く、呼吸に伴って潰れやすい状態
    • 乳児期に多い
    • 特に泣いたり、興奮したりすると悪化
  • アレルギー反応(アナフィラキシー)
    • 食物、薬物、昆虫刺傷などに対する重度のアレルギー反応
    • 喘鳴に加え、皮膚症状(蕁麻疹など)や消化器症状を伴うことが多い

2. 喘鳴のタイプと特徴

喘鳴には以下のようなタイプがあり、原因疾患の手がかりになります:

  • 呼気性喘鳴(息を吐くときのゼーゼー音)
    • 主に気管支喘息や細気管支炎で見られる
    • 下気道(気管支)の狭窄が原因
  • 吸気性喘鳴(息を吸うときのゼーゼー音)
    • クループ症候群などの上気道(喉頭、気管上部)の狭窄で見られる
    • ストライダーと呼ばれることも
  • 二相性喘鳴(吸気・呼気両方でのゼーゼー音)
    • 気道異物や重度の気道狭窄で見られる
    • 緊急性が高いことが多い

3. 緊急性の高いサイン

以下のような症状を伴う場合は、緊急性が高く、すぐに医療機関を受診してください:

  • 呼吸困難(息苦しさ)がある
  • 唇や爪が青白い(チアノーゼ)
  • 呼吸のたびに肋骨の間や鎖骨上、のどの下がひどく引っ込む
  • 息を吸うときに鼻の穴が大きく開く(鼻翼呼吸)
  • 呼吸が速い、または不規則
  • 会話や授乳が困難なほどの喘鳴
  • ぐったりして反応が鈍い
  • 突然のゼーゼー音(異物誤嚥の可能性)

4. 受診すべきタイミング

以下のような場合は医療機関を受診しましょう:

  • 初めてゼーゼー音が出た
  • ゼーゼー音が強くなっている、または改善しない
  • 発熱を伴う
  • 夜間に悪化する、または睡眠を妨げる
  • 活動や食事の際にゼーゼー音が増強する
  • 喘息と診断されている子どもで、いつもの発作と異なる
  • ぜんそく発作の治療薬を使用しても改善しない

5. 家庭でできるケア

医療機関を受診するまでの間、ご家庭でできるケアがあります:

  1. 安静を保つ
    • 泣くと喘鳴が悪化するため、できるだけ落ち着かせる
    • 抱っこなどでリラックスさせる
  2. 湿度を上げる
    • 特にクループの場合、加湿器や浴室の蒸気が有効なことも
    • 部屋の湿度を50〜60%に保つ
  3. 水分補給
    • こまめに水分を与え、気道の乾燥を防ぐ
    • 少量ずつ頻回に与える
  4. 姿勢の工夫
    • 上半身を少し起こした状態にする
    • 乳児の場合は、安全に注意しながら抱き方を工夫する
  5. 既に処方されている喘息薬の使用
    • 喘息と診断されている場合は、医師の指示に従った薬の使用
    • 効果がない場合はすぐに医師に相談

6. すみだ両国まちなかクリニックでのサポート

当院では、呼吸時のゼーゼー音があるお子さまに対して以下のような診察・検査・治療を行っています:

  • 詳しい問診と診察
    • 症状の経過、きっかけ、家族歴の確認
    • 呼吸音の聴診、呼吸状態の評価
    • 酸素飽和度測定
  • 必要に応じた検査
    • 感染症検査(RSウイルスなど)
    • アレルギー検査(必要な場合)
    • 呼吸機能検査(年齢に応じて可能な場合)
  • 発熱を伴う場合の迅速検査
    • 最新の検査機器「ID NOW」を導入
    • 陽性の場合は最短5分、陰性でも13分以内に結果が得られます
    • PCR検査と同等の精度を持ち、陽性一致率93.3%、陰性一致率98.4%と報告されています
    • 鼻腔からの検体採取で、侵襲性が低く、検査時の不快感を最小限に抑えます
  • 適切な治療
    • 原因に応じた治療法の提案
      • 気管支喘息:気管支拡張薬、ステロイド薬など
      • 細気管支炎:酸素投与、水分管理など
      • クループ:ステロイド薬、アドレナリン吸入など
    • 吸入療法の指導
    • 発作時の対応方法の説明
  • 経過観察とフォローアップ
    • 症状の改善を確認するための再診
    • 喘息の場合は長期管理計画の立案

7. 専門医療機関との連携

当院で対応が難しい場合や、より詳しい検査・治療が必要な場合は、連携医療機関をご紹介します:

  • エコー、CT、MRI、レントゲン検査、肺機能検査などが必要な場合
  • 重度の呼吸困難がある場合
  • 入院治療が必要な場合
  • 複雑な基礎疾患がある場合
  • 気道異物が疑われる場合

8. 予防と長期管理

喘鳴を繰り返すお子さま、特に喘息と診断されたお子さまには以下のような予防策があります:

  1. アレルゲン回避
    • ハウスダスト、ダニ、ペットの毛などの低減
    • 定期的な寝具の洗濯、部屋の掃除
    • 受動喫煙の回避
  2. 感染予防
    • 手洗い・うがいの習慣化
    • 予防接種の検討(インフルエンザワクチンなど)
  3. 適切な服薬管理
    • 喘息と診断された場合は、予防薬の継続使用
    • 発作時の対応薬の適切な使用方法の理解
  4. 生活習慣の改善
    • 適度な運動(喘息があっても運動は重要)
    • バランスの良い食事
    • 十分な睡眠

9. まとめ

  • 小児の呼吸時のゼーゼー音は、様々な原因で起こり、緊急性の高い場合もあります
  • 呼吸困難やチアノーゼなどの危険なサインがある場合は、すぐに受診してください
  • 気管支喘息の場合は、適切な長期管理が重要です
  • すみだ両国まちなかクリニックでは、適切な診断と治療、必要に応じた専門医療機関への紹介を行っています

お子さまの呼吸にゼーゼー音があり、ご心配の際は、すみだ両国まちなかクリニックまでご相談ください。早期の適切な対応で、お子さまの呼吸を楽にし、重症化を防ぎます。

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