小児科症状
急な高熱と全身の強い倦怠感
「子どもが突然39度以上の熱を出した」「ぐったりして元気がなく、体が痛いと訴える」
お子さまが急に高熱を出し、強い倦怠感を示す場合、様々な感染症の可能性があります。インフルエンザや新型コロナウイルス感染症、溶連菌感染症など、迅速な診断と適切な治療が必要な疾患も少なくありません。お子さまの状態をしっかり観察し、必要に応じて早めに医療機関を受診しましょう。
1. 急な高熱と倦怠感の主な原因
小児の急な高熱と全身の強い倦怠感を引き起こす主な原因には以下のようなものがあります:
- ウイルス性疾患
- インフルエンザ
- 新型コロナウイルス感染症
- アデノウイルス感染症
- EBウイルス感染症(伝染性単核症)
- デング熱(海外渡航歴がある場合)
- 細菌性疾患
- 溶連菌感染症
- 肺炎(細菌性)
- 尿路感染症
- 髄膜炎
- 敗血症
- その他
- 川崎病
- 若年性特発性関節炎
- 自己免疫疾患
- 悪性腫瘍(まれ)
2. 代表的な疾患の特徴
それぞれの疾患の主な特徴を理解することで、早期発見につながります:
- インフルエンザ
- 38〜40度の高熱が突然発症
- 全身の強い倦怠感、関節痛、筋肉痛
- 頭痛、のどの痛み
- 冬季に流行
- 新型コロナウイルス感染症
- 発熱、倦怠感、頭痛
- 嗅覚・味覚異常(年長児の場合)
- 症状の個人差が大きい
- アデノウイルス感染症
- 39度以上の高熱が3〜5日続く
- のどの痛み、結膜炎
- リンパ節の腫れ
- 溶連菌感染症
- 急な発熱、のどの強い痛み
- いちご舌、発疹
- 嘔吐を伴うことも
- 川崎病
- 5日以上続く高熱
- 発疹、手足の腫れや赤み
- 目の充血、いちご舌、リンパ節腫脹
- 髄膜炎
- 高熱、強い頭痛
- 嘔吐、首のこわばり
- 光や音に敏感になる
- 意識の変化
3. 警戒すべき危険なサイン
以下のような症状がある場合は、緊急性が高い可能性があります:
- 呼吸が苦しそう、息が速い
- 顔色が悪い、唇が青白い
- 意識がはっきりしない、反応が鈍い
- 首のこわばり、手足の動きがぎこちない
- 紫色の発疹がある
- 水分が取れず脱水症状がある(口が乾く、おしっこの量が減る)
- 39度以上の高熱が3日以上続く
- 3ヶ月未満の乳児で38度以上の熱がある
これらの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
4. 受診すべきタイミング
以下のような場合は医療機関を受診しましょう:
- 3ヶ月未満の乳児で発熱がある
- 39度以上の高熱
- 熱が3日以上続く
- 熱とともに発疹が出現
- 呼吸が苦しそう
- 水分がとれない
- ぐったりして反応が悪い
- 普段と様子が明らかに違う
5. 家庭でできるケア
医療機関を受診するまでの間、ご家庭でできるケアがあります:
- 水分補給
- こまめに水分を与える
- 経口補水液やスポーツドリンクを薄めたものも良い
- 嘔吐がある場合は少量ずつ頻回に
- 体温管理
- 解熱剤は医師の指示に従って使用
- 熱があっても元気があれば、無理に解熱剤を使用する必要はない場合も
- 解熱剤を使用しても熱が下がらない場合は要注意
- 安静にさせる
- 十分な休息を取らせる
- 室温は28度前後、湿度50〜60%に調整
- 観察
- 熱の推移、全身状態の変化を記録
- 発疹の出現や呼吸状態の変化に注意
6. すみだ両国まちなかクリニックでのサポート
当院では、急な高熱と全身倦怠感があるお子さまに対して以下のような診察・検査・治療を行っています:
- 詳しい問診と診察
- 発熱の経過、随伴症状の確認
- 全身状態の評価
- 感染源の特定(のど、肺、尿路など)
- 必要に応じた検査
- 迅速検査(インフルエンザ、溶連菌など)
- 血液検査(炎症反応、血球数の確認)
- 尿検査(尿路感染の確認)
- 最新の検査機器「ID NOW」を導入
- 陽性の場合は最短5分、陰性でも13分以内に結果が得られます
- PCR検査と同等の精度を持ち、陽性一致率93.3%、陰性一致率98.4%と報告されています
- 鼻腔からの検体採取で、侵襲性が低く、検査時の不快感を最小限に抑えます
- 適切な治療
- 原因に応じた治療法の提案
- インフルエンザ:抗ウイルス薬
- 細菌感染症:適切な抗生物質
- その他:対症療法
- 脱水予防のための指導
- 解熱剤の適切な使用法の説明
- 原因に応じた治療法の提案
- 経過観察とフォローアップ
- 症状の変化に応じた再診の調整
- 電話での相談対応
7. 専門医療機関との連携
当院で対応が難しい場合や、より詳しい検査・治療が必要な場合は、連携医療機関をご紹介します:
- エコー、CT、MRI、レントゲン検査などが必要な場合
- 重症感染症が疑われる場合
- 髄膜炎や脳炎などの中枢神経系疾患が疑われる場合
- 強い脱水で点滴が必要な場合
- 入院治療が必要と判断される場合
8. 予防法
感染症による高熱を予防するためのポイント:
- 手洗い・うがいの徹底
- 外出後、食事前、トイレ後の手洗い
- 年齢に応じたうがいの励行
- 予防接種
- インフルエンザワクチン(シーズン前に接種)
- 定期予防接種の確実な接種
- 生活習慣
- 十分な睡眠とバランスの良い食事
- 適度な運動
- 規則正しい生活
- 環境管理
- 部屋の換気
- 流行時期には人混みを避ける
- 家族内に感染者がいる場合の隔離
9. まとめ
- 急な高熱と全身倦怠感には、様々な感染症が関与している可能性があります
- 危険なサインがある場合は速やかに受診することが重要です
- 安静と十分な水分補給が回復をサポートします
- すみだ両国まちなかクリニックでは、適切な診断と治療、必要に応じた専門医療機関への紹介を行っています
お子さまの急な高熱と倦怠感でご心配の際は、すみだ両国まちなかクリニックまでご相談ください。迅速な診断と適切な治療で、お子さまの早期回復をサポートいたします。