どれだけ寝ても眠気が取れない

「十分な睡眠時間をとっているのに、日中ずっと眠気を感じる」「夜はしっかり眠ったはずなのに、朝起きても疲れが残り、仕事中も強い眠気に襲われる」
このような日中の過度な眠気が続く場合、単なる睡眠不足や生活習慣の乱れだけでなく、睡眠の質に関わる問題や様々な疾患が隠れている可能性があります。慢性的な眠気は仕事や学業のパフォーマンス低下、事故のリスク増加にもつながるため、その原因を特定し、適切に対処することが重要です。

過度な眠気の主な原因

1. 睡眠障害
   
   • 睡眠時無呼吸症候群：睡眠中に呼吸が繰り返し止まることで、睡眠の質が低下し、日中の強い眠気を引き起こす。いびき、息苦しさで目覚める、夜間の頻尿などを伴うことが多い
     
   • ナルコレプシー：突然の強い眠気発作が特徴。感情の高ぶりで筋力が抜ける（情動脱力発作）、入眠時の幻覚などを伴うことも
     
   • 過眠症：長時間眠っても日中の眠気が取れない状態
     
   • 概日リズム睡眠障害：体内時計の乱れにより、適切な時間に眠れず、日中の眠気が生じる
     
2. 身体疾患
   
   • 甲状腺機能低下症：代謝が低下し、全身の倦怠感や眠気、寒がりなどが現れる
     
   • 貧血：血液中の酸素運搬能力が低下し、疲労感や眠気につながる
     
   • 慢性疲労症候群：原因不明の強い疲労感が長期間続く状態
     
   • 慢性炎症性疾患：リウマチ性疾患などで炎症が続くと、疲労感や眠気が生じやすい
     
3. 精神的要因
   
   • うつ病：睡眠障害（早朝覚醒や過眠）、意欲低下、気分の落ち込みなどを伴う
     
   • 不安障害：不安による睡眠の質低下で、日中の眠気が起こることも
     
   • ストレス：長期的なストレスで睡眠の質が低下し、疲労感や眠気が蓄積
     
4. 薬剤・生活習慣の影響
   
   • 薬剤の副作用：抗ヒスタミン薬、筋弛緩剤、一部の精神科薬など
     
   • アルコールの過剰摂取：睡眠の質を低下させる
     
   • カフェインの乱用：一時的に眠気を抑えるが、依存や睡眠の質低下につながる
     
   • 栄養バランスの偏り：ビタミン・ミネラル不足が疲労感や眠気に影響することも
     

こんな症状があれば要注意

• 十分な睡眠時間（7～8時間）をとっても、日中に耐えがたい眠気がある
• 会議中や運転中など、静かにしている時に突然強い眠気に襲われる
• 周囲から「大きないびきをかいている」と指摘される
• 睡眠中に息が止まる、息苦しさで目が覚める
• 朝起きた時に頭痛や喉の渇きがある
• 感情が高ぶった時に突然力が抜ける
• 眠気とともに、体重変化、寒がり、脱毛、便秘などがある（甲状腺機能低下症の可能性）
• 日中の眠気に加えて、気分の落ち込みや意欲低下が続いている

このような症状が続く場合、単なる疲れや睡眠不足ではなく、医学的な問題が隠れている可能性があります。

生活習慣での改善策

1. 睡眠環境の整備
   
   • 寝室は暗く、静かで、適温（18～23℃）に保つ
     
   • 快適な寝具を選び、定期的に交換・洗濯する
     
   • スマートフォンやパソコンは就寝1時間前から避ける（ブルーライトの影響）
     
2. 規則正しい生活リズム
   
   • 毎日同じ時間に起床・就寝する（休日も含めて）
     
   • 日中は十分な光を浴びる（特に朝）
     
   • 夕方以降のカフェイン摂取、夜の激しい運動を避ける
     
3. 適度な運動
   
   • 定期的な有酸素運動（ウォーキング、水泳など）で睡眠の質を高める
     
   • 運動は就寝の3時間前までに終えるのが理想的
     
4. 食事と栄養
   
   • バランスの良い食事でビタミン・ミネラルを十分に摂取
     
   • 就寝直前の食事や過食を避ける
     
   • アルコールは適量にとどめる（睡眠の質を低下させる）
     
5. ストレス管理
   
   • リラクゼーション法（深呼吸、瞑想など）を取り入れる
     
   • 趣味や休息の時間を確保する
     

いつ受診すべき？

• 生活習慣の改善を試みても、強い眠気が1ヶ月以上続く
• 日中の眠気で仕事や学業、日常生活に支障をきたしている
• 運転中や機械操作中に強い眠気を感じることがある（事故の危険性）
• 家族から「睡眠中に呼吸が止まっている」と指摘される
• 眠気に加えて、他の身体症状（頭痛、体重変化、倦怠感など）がある
• 気分の落ち込みや意欲低下も伴っている

自己判断で様子を見続けることで、重要な疾患の診断が遅れたり、日中の過度な眠気による事故のリスクが高まったりする可能性があります。

診察・検査で何がわかる？

1. 問診と診察
   
   • 睡眠習慣、眠気の程度、日常生活への影響などを詳しく確認
     
   • 身体所見（体格、口腔・咽頭の状態、甲状腺の触診など）
     
   • エプワース眠気尺度などの質問票で眠気の程度を客観的に評価
     
2. 基本的な検査
   
   • 血液検査（甲状腺機能、貧血、血糖値、炎症マーカーなど）
     
   • 尿検査
     
3. 専門的な睡眠検査
   
   • 睡眠ポリグラフ検査（PSG）：一晩かけて脳波、呼吸、酸素濃度などを測定
     
   • 反復睡眠潜時検査（MSLT）：日中の眠気の客観的評価
     
   • アクチグラフ：腕時計型の装置で睡眠・覚醒リズムを記録
     
4. その他の検査
   
   • 必要に応じて、うつ病や不安障害のスクリーニング
     
   • 薬剤の副作用評価
     

すみだ両国まちなかクリニックでのサポート

すみだ両国まちなかクリニックでは、過度な眠気に悩む患者さんに対し、下記のような診療を行っています。

1. 丁寧な問診と診察
   
   • 睡眠習慣や生活リズム、眠気の特徴などを詳しく聞き取り
     
   • 眠気に関連する身体症状のチェック
     
   • エプワース眠気尺度などを用いた眠気の評価
     
2. 基本的な検査
   
   • 血液検査（甲状腺機能、貧血、血糖値など）
     
   • 尿検査
     
   • バイタルサイン（血圧、脈拍、体温など）の測定
     
3. 生活指導とアドバイス
   
   • 睡眠環境や生活習慣の改善に関する具体的なアドバイス
     
   • 睡眠日誌の活用法の指導
     
   • 必要に応じた栄養指導
     
4. 専門医療機関との連携と治療
   
   • 睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、睡眠専門医・呼吸器内科へのご紹介
     
   • 睡眠時無呼吸症候群と診断された患者さんには、当院でCPAP（持続陽圧呼吸療法）による治療を提供
     
   • CPAPの機器調整や治療効果のモニタリング、継続的な管理をサポート
     
   • ナルコレプシーなどの神経学的睡眠障害の可能性がある場合は、神経内科へのご紹介
     
   • うつ病など精神疾患が関連している可能性がある場合は、精神科・心療内科へのご紹介
     
   • 専門的な睡眠検査（睡眠ポリグラフ検査など）が必要な場合は、連携医療機関をご案内
     
   • 専門的な治療開始後も、日常的な健康管理をサポート
     

「忙しいから仕方ない」「年齢のせいだろう」と自己判断せず、日中の強い眠気が続く場合は早めにご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害は適切な治療で劇的に改善することが多く、当院でも睡眠時無呼吸症候群と診断された方へのCPAP治療を提供しています。
すみだ両国まちなかクリニックでは、あなたの眠気の原因を総合的に評価し、必要に応じた専門医療機関との連携や当院でのCPAP治療管理で、健やかな毎日を取り戻すお手伝いをいたします。