内科症状

軽い衝撃で骨折しやすい

「ちょっとぶつけただけなのに骨折してしまった」「転んだ拍子に手首や腰を骨折」
こうした軽い衝撃での骨折が頻繁に起こる場合、単なる不注意や偶然ではなく、骨の強度が低下している可能性があります。特に骨粗鬆症や他の基礎疾患により、骨がもろくなっていることが考えられます。早期発見と適切な対策で、将来的な骨折リスクを減らし、QOL(生活の質)を維持することが大切です。

軽い衝撃で骨折しやすい主な原因

  1. 骨粗鬆症
    • 骨密度が低下し、骨の内部構造が脆くなる病気
    • 加齢とともにリスクが上昇し、特に閉経後の女性に多い
    • 手首、背骨、大腿骨付近での骨折が特徴的
    • 初期は無症状のことが多く、骨折して初めて発見されることも
  2. 続発性骨粗鬆症(他の疾患による骨の脆弱化)
    • 内分泌疾患:甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症、クッシング症候群など
    • 栄養障害:カルシウム・ビタミンD不足、極端なダイエットや吸収不良症候群
    • 薬剤性:ステロイド薬の長期使用、抗てんかん薬、一部の抗がん剤など
  3. その他の骨代謝疾患
    • 骨軟化症:ビタミンD不足により骨の石灰化が障害される
    • 骨形成不全症:遺伝的な疾患で、生まれつき骨がもろい
    • 多発性骨髄腫:骨に腫瘍ができ、骨を弱くする血液のがん
  4. 生活習慣要因
    • 運動不足による骨密度の低下
    • 喫煙、過度の飲酒
    • カルシウム・ビタミンD不足の食生活
    • 極端な低体重やダイエットの繰り返し

こんな症状があれば要注意

  • 軽いぶつけや転倒で骨折した経験がある
  • 身長が若い頃より3cm以上縮んでいる
  • 背中や腰が丸くなってきた(円背、いわゆる「老人性猫背」)
  • 突然の背中や腰の痛み(脊椎圧迫骨折の可能性)
  • 閉経後の女性、または65歳以上の男性
  • ステロイド薬を3ヶ月以上継続して使用している
  • 家族に骨粗鬆症や大腿骨頸部骨折の既往がある
  • 栄養不良や極端なダイエットの経験がある

骨粗鬆症は「サイレントディジーズ(静かな病気)」とも呼ばれ、骨折するまで症状に気づかないことが多いため、リスク要因がある方は積極的な検査をおすすめします。

日常生活での予防と対策

  1. 適切な栄養摂取
    • カルシウムが豊富な食品(乳製品、小魚、緑黄色野菜など)を積極的に摂取
    • ビタミンDを含む食品(魚類、きのこ類)や、日光浴による体内でのビタミンD生成
    • バランスの良い食事で、タンパク質やビタミンKなども十分に
  2. 適度な運動
    • 骨に適度な負荷をかける運動(ウォーキング、軽い筋トレなど)を定期的に
    • バランス能力を高めるエクササイズ(太極拳、ヨガなど)で転倒予防
    • 無理のない範囲で、継続できる運動習慣を
  3. 転倒予防の環境整備
    • 自宅内の段差や障害物をなくす
    • 滑りにくい靴を選び、足元に注意
    • 手すりの設置や適切な照明で安全確保
  4. 生活習慣の改善
    • 禁煙
    • 過度のアルコール摂取を避ける
    • 十分な睡眠と休養

いつ受診すべき?

  • 軽い衝撃での骨折を経験した
  • 家族に骨粗鬆症の既往があり、自分も心配
  • 閉経後の女性、または70歳以上の男性
  • 身長が縮んだ、背中が丸くなってきたと感じる
  • ステロイド薬を長期間使用している
  • 原因不明の背中や腰の痛みがある

早期発見と対策が、将来の骨折予防につながります。定期的な健康診断やリスク評価を受けることをおすすめします。

5.診察・検査で何がわかる?

  1. 問診と診察
    • 骨折の既往歴、家族歴、薬の使用歴などを詳しく確認
    • 身長の変化、背中の湾曲、姿勢のチェック
  2. 骨密度検査
    • DXA法(デキサ法):X線を用いて骨密度を正確に測定する検査
    • 超音波検査:かかとなどで簡易的に骨の状態を評価
  3. 血液・尿検査
    • カルシウム、ビタミンD、骨代謝マーカーなどの測定
    • 二次性骨粗鬆症の原因となる内分泌疾患などのスクリーニング
  4. 画像検査
    • レントゲン:脊椎や骨の変形、既存の骨折の有無を確認
    • 必要に応じてCTやMRIで詳細評価

すみだ両国まちなかクリニックでのサポート

すみだ両国まちなかクリニックでは、軽い衝撃での骨折や骨粗鬆症が心配な患者さんに対し、下記のような診療を行っています。

  1. 丁寧な問診と診察
    • 骨折リスク要因の総合的な評価
    • 身長測定、姿勢、筋力などのチェック
    • 生活環境や転倒リスクの確認
  2. 基本的な検査
    • 血液検査(カルシウム、ビタミンD関連項目など)
    • 尿検査
    • 問診による骨折リスク要因の評価
  3. 治療と生活指導
    • 骨粗鬆症治療薬の処方と管理
    • カルシウム・ビタミンDサプリメントの適切な使用法
    • 食事・運動療法のアドバイス
    • 転倒予防のための生活環境改善の提案
  4. 専門医療機関との連携
    • 骨密度検査(DXA法)が必要な場合は、連携医療機関をご紹介
    • レントゲン、CT、MRIなどの画像検査が必要な場合も適切な医療機関をご案内
    • 専門的な治療が必要と判断された場合は、整形外科・内分泌内科などへの紹介
    • 骨折時の迅速な対応と適切な専門医の紹介
  5. 継続的なフォローアップ
    • 定期的な骨粗鬆症治療薬の効果と副作用のモニタリング
    • 骨折リスクの再評価
    • 治療方針の適宜見直し

「年だから骨折しやすいのは仕方ない」と諦めず、適切な予防と治療で骨の健康を維持することが可能です。
骨粗鬆症は「サイレントディジーズ」と呼ばれ、骨折するまで気づかないことも多いため、リスク要因がある方は早めの相談をおすすめします。
すみだ両国まちなかクリニックでは、骨の健康に関する総合的な評価と、必要に応じた治療・予防策の提案で、いつまでも活動的な生活を送るためのサポートをいたします。

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