内科症状

微熱が長期間継続している

「なんとなく体がだるく、37度台の熱が何週間も続いている」「平熱より高いが38度までは上がらない熱が長引いている」「日によって上下するが、微熱と倦怠感が取れない」
こうした長期間続く微熱は、単なる疲れや一過性の風邪ではなく、様々な病気のサインかもしれません。微熱(37.0~37.9℃程度)が2~3週間以上続く場合、慢性感染症や自己免疫疾患、悪性腫瘍など、隠れた健康問題が原因となっていることがあります。原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。

長期間続く微熱の主な原因

  1. 感染症
    • 慢性ウイルス感染症:EBウイルス感染症(伝染性単核球症)、サイトメガロウイルス感染症、HIV感染症など
    • 細菌感染症:結核、ブルセラ症、感染性心内膜炎、慢性副鼻腔炎など
    • 真菌感染症:ヒストプラズマ症、コクシジオイデス症など
    • 寄生虫感染症:マラリア、トキソプラズマ症など
  2. 自己免疫・炎症性疾患
    • リウマチ性疾患:関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、成人スティル病など
    • 血管炎症候群:側頭動脈炎、高安動脈炎など
    • 炎症性腸疾患:クローン病、潰瘍性大腸炎など
    • サルコイドーシス:多臓器に肉芽腫が形成される原因不明の疾患
  3. 悪性腫瘍
    • 血液系腫瘍:悪性リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫など
    • 固形腫瘍:腎細胞癌、肝臓癌、大腸癌など(特に進行した状態で発熱を伴うことがある)
  4. 薬剤性
    • 薬剤熱:抗生物質、抗てんかん薬、解熱鎮痛剤などによるアレルギー反応
    • 薬剤性ループス:ヒドララジン、プロカインアミドなどによる薬剤誘発性ループス
  5. その他
    • 甲状腺機能亢進症:代謝亢進により体温が上昇
    • 周期性発熱症候群:家族性地中海熱などの遺伝性疾患
    • 中枢性発熱:視床下部の障害による体温調節異常
    • 慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎:原因不明の慢性的な疲労感と微熱

こんな症状があれば要注意

  • 微熱(37.0~37.9℃)が3週間以上続く
  • 微熱に加えて原因不明の体重減少がある
  • 夜間に汗をかきやすい(寝汗)
  • 関節痛や筋肉痛を伴う
  • リンパ節の腫れや痛み
  • 皮膚に発疹や紫斑が出現する
  • 慢性的な咳や息切れがある
  • 頭痛や視力変化を伴う微熱
  • 腹部の不快感、下痢、便秘など消化器症状がある

これらの症状が見られる場合は、単なる「体調不良」として放置せず、医療機関での評価が重要です。特に体重減少や寝汗を伴う微熱は、より詳しい検査が必要です。

家庭でできる対処法

  1. 体温管理
    • 定期的に体温を測定し、時間帯や変動のパターンを記録する(朝・昼・夕・就寝前など)
    • 熱型(熱の上がり方・下がり方のパターン)を記録しておくと、診断の手がかりになる
    • 必要に応じて解熱剤(アセトアミノフェンなど)で不快感を和らげる
  2. 十分な休息と栄養
    • 体に負担をかけないよう、適度な休息をとる
    • バランスの良い食事で免疫力をサポート
    • 十分な水分補給を心がける
  3. ストレス管理
    • 過度のストレスは免疫機能に影響し、症状を悪化させることも
    • リラクゼーション法(深呼吸、軽い瞑想など)を取り入れる
    • 無理のない範囲で生活リズムを整える
  4. 環境管理
    • 室温と湿度の適切な管理(特に寝室環境)
    • こまめに換気を行い、空気の質を保つ
    • 寝具やパジャマは清潔に保ち、寝汗をかいたら交換する

いつ受診すべき?

  • 微熱が2~3週間以上続く
  • 原因不明の体重減少や食欲不振を伴う微熱
  • 夜間の発汗が顕著
  • 微熱に加えて、関節痛、皮疹、リンパ節腫脹などがある
  • 海外渡航歴や特殊な環境での活動歴がある
  • 免疫抑制状態(ステロイド使用中、化学療法中など)で微熱が続く
  • 既往歴に自己免疫疾患や悪性腫瘍がある

「様子を見よう」と自己判断で放置すると、症状が進行したり、診断が遅れたりするリスクがあります。特に上記のような症状を伴う場合は、早めの受診をおすすめします。

診察・検査で何がわかる?

  1. 問診と診察
    • 症状の詳細(発症時期、熱の変動パターン、随伴症状など)
    • 生活環境や最近の渡航歴の確認
    • 既往歴や家族歴の聴取
    • 全身状態の確認(リンパ節、皮膚、関節など)
  2. 基本的な検査
    • 血液検査:血算、炎症マーカー(CRP、赤沈など)、肝機能、腎機能
    • 尿検査:感染症や腎疾患のスクリーニング
    • 胸部X線検査:肺炎や結核などの評価(必要に応じて連携医療機関で実施)
  3. 追加検査(必要に応じて)
    • 感染症検査:血液培養、ウイルス抗体検査、結核検査など
    • 自己抗体検査:リウマチ因子、抗核抗体など自己免疫疾患のスクリーニング
    • 画像検査:CT、MRI、超音波検査など(連携医療機関で実施)
    • 組織生検:リンパ節生検、骨髄検査など(専門医療機関で実施)

すみだ両国まちなかクリニックでのサポート

すみだ両国まちなかクリニックでは、長期間続く微熱を訴える患者さんに対し、下記のような診療を行っています。

  1. 丁寧な問診と診察
    • 微熱の経過や特徴について詳しく聞き取り
    • 発熱以外の症状(倦怠感、体重変化、関節痛など)の確認
    • リンパ節、皮膚、口腔、咽頭などの詳細な診察
    • バイタルサイン(体温、血圧、脈拍など)の測定
  2. 基本的な検査
    • 血液検査(血算、炎症反応、肝機能、腎機能など)
    • 尿検査
    • 感染症のスクリーニング(必要に応じて)
    • 自己抗体検査(必要に応じて)
  3. 初期対応と症状管理
    • 検査結果に基づいた初期治療(対症療法)
    • 生活上の注意点やセルフケアについてのアドバイス
    • 熱型の記録方法の指導(受診までの体温変化を把握するため)
  4. 専門医療機関との連携
    • 詳細な画像検査(X線、CT、MRIなど)が必要な場合は、連携医療機関をご紹介
    • 感染症専門医、リウマチ専門医、血液内科などの専門医療機関への紹介状の作成
    • 特殊検査(骨髄検査、リンパ節生検など)が必要な場合は、専門施設へのご紹介
    • 専門的な治療開始後も、日常的な健康管理をサポート
  5. 継続的なフォローアップ
    • 定期的な経過観察と再評価
    • 症状の変化に応じた対応
    • 専門医との連携による治療効果の確認

「単なる疲れだろう」「体質的なものだ」と自己判断せず、微熱が3週間以上続く場合は医療機関での評価をお勧めします。
原因不明の発熱(不明熱)は、詳細な検査や経過観察が必要な場合もありますが、原因が特定できれば適切な治療で改善が期待できます。
すみだ両国まちなかクリニックでは、長期間続く微熱の原因究明に向けた初期評価と、必要に応じた専門医療機関との連携で、患者さんの不安と症状の改善をサポートいたします。

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