内科症状

慢性的な疲労感が続いている

「休んでも疲れが取れない」「以前なら楽にできていた活動にも力が入らない」「数ヶ月以上にわたって慢性的な疲労感が続いている」
こうした長期間続く疲労感は、単なる疲れや睡眠不足ではなく、様々な健康問題のサインかもしれません。特に疲労感が6ヶ月以上続き、休息で改善しない場合は、慢性疲労症候群や内分泌疾患、自己免疫疾患など、医学的な原因が隠れている可能性があります。適切な診断と対策で生活の質を改善することができるため、症状を軽視せずに医療機関に相談することが大切です。

慢性的な疲労感の主な原因

医学的疾患

  • 内分泌・代謝疾患:甲状腺機能低下症、副腎疲労、糖尿病、ビタミンD欠乏症など
  • 自己免疫疾患:関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群など
  • 慢性感染症:肝炎、潜在性結核、EBウイルス感染後症候群など
  • 心血管疾患:貧血、心不全(特に初期段階)、不整脈など
  • 睡眠障害:睡眠時無呼吸症候群、不眠症、レストレスレッグス症候群など
  • 慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎:原因不明の強い疲労感が6ヶ月以上続く状態

精神的・心理的要因

  • うつ病:持続的な気分の落ち込みと意欲低下、疲労感を伴う
  • 不安障害:慢性的な不安や緊張により、身体的にも疲労感を感じる
  • 適応障害:大きな環境変化やストレスへの適応に伴う一時的な症状
  • 燃え尽き症候群:長期間のストレスや過度の業務負担による精神的・身体的消耗

生活習慣要因

  • 慢性的な睡眠不足:質・量ともに不十分な睡眠パターン
  • 栄養不良:偏った食事や特定の栄養素(鉄分、ビタミンB群、マグネシウムなど)の不足
  • 運動不足:身体活動の減少による体力低下と倦怠感
  • 過剰な運動:十分な休息なしでの過度なトレーニング

薬剤の影響

  • 薬の副作用:抗ヒスタミン薬、降圧剤、精神科薬、ベータ遮断薬など
  • 薬物相互作用:複数の薬剤の組み合わせによる影響
  • 薬物依存からの離脱:アルコールやカフェインなどの摂取量変化

その他

  • 環境要因:有害物質への曝露、シックハウス症候群
  • 電解質異常:ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのバランス障害
  • 加齢の影響:年齢に伴う生理的変化(ただし、極度の疲労は単なる加齢ではない)

こんな症状があれば要注意

  • 休息しても改善しない、または朝起きた時から疲労感がある
  • 日常生活や仕事、家事に支障をきたすほどの強い疲労感
  • 疲労に加えて、38℃以上の発熱、寝汗、原因不明の体重減少がある
  • 筋肉痛や関節痛を伴う疲労感
  • 思考力の低下、集中力の欠如、記憶力の減退
  • 頭痛、めまい、視力の変化がある
  • めまい、立ちくらみ、動悸などの症状を伴う
  • 呼吸困難感や息切れがある
  • 6ヶ月以上続く原因不明の疲労感

これらの症状、特に体重減少や発熱を伴う疲労は、より詳しい医学的評価が必要です。

生活習慣での改善策

睡眠の質の向上

  • 規則正しい就寝・起床時間を守る
  • 寝室環境を整える(適切な温度、暗さ、静けさ)
  • 就寝前のスクリーン使用(スマホ、PC)を控える
  • リラックスする就寝前のルーティン(読書、温かい飲み物など)を作る

栄養バランスの改善

  • 鉄分が豊富な食品(赤身肉、レバー、緑葉野菜など)を摂取
  • ビタミンB群(全粒穀物、卵、魚など)を意識的に取り入れる
  • 良質なタンパク質を各食事に含める
  • 水分を十分に摂取する
  • 砂糖や精製炭水化物の過剰摂取を避ける

適度な運動

  • 無理のない範囲で定期的な有酸素運動(ウォーキング、水泳など)を行う
  • 疲労度に合わせて運動強度や時間を調整する
  • 自然光を浴びる機会を増やす(朝の散歩など)

ストレス管理

  • マインドフルネスや瞑想などのリラクゼーション法を取り入れる
  • 趣味や楽しい活動の時間を確保する
  • 業務量や責任の適切な調整を検討する
  • 必要に応じて専門家(カウンセラーなど)に相談する

時間管理とエネルギー配分

  • 重要なタスクに優先的にエネルギーを使う
  • こまめに休憩を取り入れる
  • 必要に応じて業務や家事を分散させる
  • 「ノー」と言うことも大切にし、無理なスケジュールを避ける

いつ受診すべき?

  • 疲労感が1ヶ月以上続き、日常生活に支障がある
  • 休息を十分にとっても疲労感が改善しない
  • 発熱、体重減少、リンパ節の腫れなどを伴う疲労
  • 突然の強い疲労感で、通常の活動ができなくなった
  • 胸痛、息切れ、動悸などの心臓や肺の症状を伴う(緊急受診が必要な場合も)
  • 抑うつ気分や希死念慮を伴う重度の疲労感
  • 新しい薬を飲み始めた後に疲労感が出現または悪化した
  • 既存の慢性疾患(糖尿病、甲状腺疾患など)がある場合の疲労悪化

自己判断や対処療法だけでは改善しない慢性的な疲労は、適切な医学的評価が必要です。原因によっては、適切な治療で大幅に改善する可能性があります。

診察・検査で何がわかる?

問診と診察

  • 症状の詳細(発症時期、持続時間、日内変動、悪化・改善要因など)
  • 生活習慣(睡眠、食事、運動、ストレスなど)の評価
  • 身体診察による全身状態の確認
  • 精神状態の評価

基本的な検査

  • 血液検査:血算(貧血の有無)、甲状腺機能、血糖値、肝機能、腎機能、電解質、炎症マーカー
  • 尿検査:腎機能や糖尿病などのスクリーニング
  • その他の基本検査:必要に応じてビタミンD、ビタミンB12、鉄貯蔵指標(フェリチン)など
  • 追加検査(必要に応じて連携医療機関で実施)
  • 内分泌検査:副腎機能、性ホルモン値など
  • 自己抗体検査:自己免疫疾患のスクリーニング
  • 睡眠検査:睡眠時無呼吸症候群などの評価
  • 心電図:不整脈や心機能の評価
  • 画像検査:胸部X線、必要に応じてCTやMRIなど
  • 精神・心理評価:うつ病や不安障害などのスクリーニング

すみだ両国まちなかクリニックでのサポート

すみだ両国まちなかクリニックでは、慢性的な疲労感を訴える患者さんに対し、下記のような診療を行っています。

丁寧な問診と診察

  • 疲労感の特徴やパターンについて詳しく聞き取り
  • 日常生活への影響や支障の程度の評価
  • 生活習慣や環境要因のチェック
  • 身体診察による基礎疾患の徴候探索

基本的な検査

  • 血液検査(血算、甲状腺機能、血糖値、肝機能、腎機能、電解質など)
  • 尿検査
  • 栄養状態の評価(必要に応じて)

生活習慣改善のサポート

  • 個々の状況に合わせた睡眠、栄養、運動に関するアドバイス
  • ストレス管理や時間管理についての具体的な提案
  • 段階的な活動量増加のプランニング(必要に応じて)

専門医療機関との連携

  • 内分泌疾患が疑われる場合は、内分泌専門医へのご紹介
  • 睡眠障害が疑われる場合は、睡眠専門医療機関へのご紹介
  • 自己免疫疾患が疑われる場合は、リウマチ・膠原病専門医へのご紹介
  • 心理的要因が大きい場合は、心療内科や精神科へのご紹介
  • 精密検査(心電図、レントゲン、CT、MRIなど)が必要な場合は、連携医療機関をご案内

継続的なフォローアップ

  • 定期的な再評価と症状モニタリング
  • 検査結果や生活改善策の効果確認
  • 治療内容の適宜見直し
  • 長期にわたるサポートと管理

「年齢のせい」「仕事が忙しいから当然」と自己判断せず、日常生活に支障をきたすほどの慢性的な疲労感がある場合は早めにご相談ください。
適切な原因評価と対策で、多くの場合は症状の改善が期待できます。
すみだ両国まちなかクリニックでは、患者さん一人ひとりの症状や生活背景を総合的に評価し、必要に応じて専門医療機関と連携しながら、より活力ある生活を取り戻すためのサポートをいたします。

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