院長コラム

    『黄昏流星群』の医療監修を担当しました ― ALSの描写について

    このたび、小学館「ビッグコミックオリジナル」に長年連載されている漫画作品
    『黄昏流星群』の一編において、ALS(筋萎縮性側索硬化症)に関する描写について、医療的な監修というかたちで関わらせていただきました。

    『黄昏流星群』は、大人の人生や恋愛を丁寧に描き続けてきた作品であり、多くの読者の方に長く愛されている漫画です。その中で、主人公の友人がALSを患うという設定があり、作中で語られる症状や経過について、「表現として正確かどうか」「誤解を与える点がないか」を医師の立場から確認してほしい、というご相談をいただきました。

    実はこのエピソードについては、作者の先生ご自身が、身近なご友人をALSで亡くされた経験をお持ちで、時間をかけて調べたうえで描かれている内容でした。
    その背景を伺い、単なる事実確認ではなく、「実際の患者さんやご家族の思いから大きく外れていないか」「読者にとって過度な誤解や不安につながらないか」という視点も含めて、確認・助言をさせていただきました。

    ALSは、決して珍しい病気ではありませんが、一般の方にとっては「名前は聞いたことがあるが、実際にはよく分からない病気」の一つでもあります。
    一方で、患者さんやご家族にとっては、日常や人生そのものに深く関わる、非常に重いテーマです。

    当院では、訪問診療を通じてALSをはじめとする神経難病の患者さんとも日常的に関わっています。
    医療の現場で感じるのは、「正確に伝えられること」「誠実に描かれること」そのものが、患者さんやご家族にとって大きな意味を持つ、ということです。

    今回、漫画という多くの方に届く表現の中で、ALSが丁寧に、そして人の人生の一部として描かれることに、医師として関われたことを大変ありがたく思っています。
    医療は診察室の中だけで完結するものではなく、社会の中でどう理解され、どう語られるかもまた重要だと、あらためて感じる機会となりました。

    今後も当院では、診療はもちろんのこと、こうしたかたちで社会と医療をつなぐ役割についても、できる範囲で取り組んでいきたいと考えています。

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