- 圧倒的なスピード:陽性であれば最短6分、陰性の確定診断であっても12分未満で結果が判明します。診察室内で検査を行い、少しお待ちいただくだけで、その日のうちに確定診断がつきます。
- 高い精度:「速いということは、精度が落ちるのでは?」と心配されるかもしれませんが、その心配は無用です。国内で行われた臨床性能評価試験において、ID NOW™は信頼性の高い検査法である従来のRT-PCR法と比較した結果、陽性一致率100%、陰性一致率100%という、極めて高い精度が示されています。
その熱、すぐ調べたいですよね?~医療機関での抗原検査とPCR検査の違い、そして当院の「迅速」高精度検査について~
原因がわからない発熱、その不安な気持ち
急な発熱やのどの痛みといった症状が出た際、その原因が何なのか、すぐにでも知りたいと思うのは当然のことです。ご自身の仕事や学校、ご家族への影響を考えると、大きな不安を感じる方も多いでしょう。
医療機関で感染症の検査を受ける際には、主に「抗原検査」と「PCR検査」という選択肢があります。どちらの検査にも特徴があり、どちらを選ぶべきか迷われるかもしれません。
私たち、すみだ両国まちなかクリニックは、患者様のそうした不安な気持ちに寄り添い、「正確な情報を、わかりやすく、そして迅速にお届けすること」が、安心と回復への第一歩であると考えています。体調が悪い時に、何日も検査結果を待つ時間はとても長く感じられるものです。当院がほぼ年中無休で、夜間や土日も診療を行っているのは、皆様が最も知りたい「診断」をいかに早く、そして正確にお伝えできるか、という思いがあるからです。
この記事では、皆様が抱える検査への疑問を解消するため、医師の立場から医療機関で行われる「抗原検査」と「PCR検査」の違いを解説します。
医療機関で行う2つの検査
感染症の診断では、体内にウイルスが存在するかどうかを調べるために、大きく分けて2つの異なるアプローチがあります。
抗原検査:ウイルスの「タンパク質」を検出する方法
医療機関で実施される抗原検査は、ウイルスが持つ特有のタンパク質(抗原)を検出する検査です 。
この方法の最大の利点は、そのスピードです。体内に十分な量のウイルスが存在していれば、抗原検査は15分から30分程度で結果を素早く示すことができます。そのため、迅速な診断が求められる場面で広く用いられています。
しかし、この方法には感度の面で限界があります。特に感染の初期段階で体内のウイルス量がまだ少ない場合、抗原検査ではウイルスを検知できず、「陰性(感染していない)」という誤った結果(偽陰性)が出てしまう可能性があるのです。
PCR検査(核酸増幅検査):ウイルスの「遺伝子」を検出する方法
一方、PCR検査に代表される核酸増幅検査は、ウイルスの遺伝情報(核酸:DNAやRNA)そのものを検出する検査です。
この検査は、検体に含まれるごくわずかなウイルスの遺伝子を増幅させることで、ウイルスの存在を極めて高い感度で検出することができます。そのため、感染初期のウイルス量が少ない時期でも正確な判定が可能であり、感染症診断において信頼性の高い検査法とされています。
この二つのアプローチの違いを理解することは、検査結果が持つ意味を正しく捉える上で非常に重要です。
「速さ」をとるか、「確実さ」をとるか
これまで、医療現場では感染症の検査において常に一つのジレンマを抱えてきました。それは、「結果が速い検査」と「結果が正確な検査」のどちらかを選ばなければならない、という状況です。
抗原検査の価値は、その迅速性にあります。15分程度で結果がわかるため、陽性であればすぐに隔離や治療といった次の行動に移ることができます。しかし、前述の通り、特に症状が出始めたばかりの時期にはウイルスを検知しきれず、陰性と判定されてしまうリスクが常に付きまといます。「陰性だったけれど、本当に大丈夫だろうか…」という一抹の不安が残る可能性がありました。
対して、従来のPCR検査は、その高い精度で確定診断を下せる最も信頼できる方法です。しかし、その最大の欠点は時間でした。検査自体に時間がかかる上、多くの場合、採取した検体を専門の検査機関に送る必要がありました。そのため、結果が判明するまでに数時間から、場合によっては2日以上かかることも珍しくありませんでした。この待機時間は、患者様にとっては心身ともに大きな負担となり、また、インフルエンザのように早期の治療開始が効果的な疾患においては、診断の遅れが治療の遅れに直結するという問題も抱えていました。
この「速いが確実性に欠けるかもしれない抗原検査」と、「確実だが非常に時間がかかる従来のPCR検査」という二者択一の状況を、以下の表にまとめました。
| 特徴 | 迅速抗原検査(医療機関) | 従来のPCR検査(外部検査機関) |
| 検出対象 | ウイルスのタンパク質 | ウイルスの遺伝子 |
| 結果判明までの時間 | 約15~30分 | 数時間~2日以上 |
| 精度(感度) | PCR検査よりは低い。特に感染初期の偽陰性に注意が必要 。 | 非常に高い。ごく微量のウイルスも検出可能。 |
| 患者様の体験 | 結果は速いが、陰性の場合に「本当に大丈夫か」という不安が残ることがある。 | 確実な結果が得られるが、判明するまで長く不安な時間を過ごす必要がある。 |
この表が示す通り、これまでは「速さ」と「確実さ」はトレードオフの関係にあったのです。
ID NOW™が「速さ」と「確実さ」を両立する仕組み
すみだ両国まちなかクリニックで導入しているのが、「ID NOW™」という先進的な遺伝子検査システムです。これは、これまでのジレンマを解消するテクノロジーです。
ID NOW™は「核酸増幅検査」の一種です
まず最も重要なことは、ID NOW™は迅速抗原検査ではなく、PCR検査と同じ「核酸増幅検査」のカテゴリーに属するということです。つまり、ウイルスのタンパク質ではなく、より検出感度の高い遺伝子を検出する方法なのです。これにより、抗原検査で課題とされていた感度の問題を解決しています。
なぜ、これほど速いのか?―NEAR法という技術
では、なぜ遺伝子を調べる検査なのに、これほどの速さを実現できるのでしょうか。その秘密は「NEAR法(等温核酸増幅法)」という技術にあります。
従来のPCR検査が時間がかかったのは、ウイルスの遺伝子を増幅させるために、検体の温度を上げたり下げたりする工程を何度も繰り返す必要があったからです。
一方、ID NOW™が採用するNEAR法は、一定の温度を保ったまま、酵素の働きで極めてスピーディーに遺伝子を増幅させることができます。この温度を上下させる必要がない「等温」技術こそが、検査時間を劇的に短縮する鍵なのです。
「速さ」と「精度」を裏付ける客観的データ
この技術により、ID NOW™は優れた性能を発揮します。
さらに、このID NOW™システムは、厚生労働省から体外診断用医薬品としての製造販売承認も受けており、その信頼性は公的にも認められています。速さと正確さ、その両方を科学的根拠と公的な承認が裏付けているのです。
迅速・高精度診断がもたらす具体的なメリット
このID NOW™という優れた技術を、当院がどのように皆様の健康と安心に繋げているのか、具体的なメリットとしてお伝えします。
1. 不安な待ち時間をなくし、一度の来院で診断を完結
従来の検査では、検体を提出した後、不安な気持ちで電話を待ち続ける必要がありました。しかし、当院ではID NOW™を用いることで、診察から検査、結果説明、そして治療方針の決定までを、一度のご来院で完結させることが可能です。原因がわからないまま帰宅するのではなく、「診断」という確かな情報を手にすることで、漠然とした不安は具体的な次の一歩へと変わります。これは、患者様の精神的な負担を大きく軽減します。
2. 迅速な診断が、効果的な治療へと繋がる
診断のスピードは、治療効果を大きく左右することがあります。例えばインフルエンザの場合、抗ウイルス薬は症状が出てから48時間以内に服用を開始することで、発熱期間を短縮し、重症化のリスクを低減させる効果が期待できます。ID NOW™による数分での確定診断は、この最も効果的なタイミングを逃さず、即座に最適な治療を開始することを可能にします。特に、抗原検査では感度が低くなりがちな発症後12時間以内といった超早期の段階でも、ID NOW™は高い検出感度を示すため、早期発見・早期治療に大きく貢献します。
ID NOW™は新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザA型・B型、A群溶連菌など、様々な呼吸器感染症に対応できるものであり、皆様の急な体調不良に対して、包括的な診断を提供できる体制を整えています。
最後に
かつては「速さ」か「確実さ」か、どちらかを選ばざるを得なかった感染症の検査。しかし、技術の進歩は、その常識を過去のものとしました。
すみだ両国まちなかクリニックでは、先進の遺伝子検査システム「ID NOW™」の導入により、信頼性の高いPCR検査レベルの精度と、抗原検査のような迅速性を両立した検査を、ご来院いただいたその場で提供します。
発熱や風邪症状で不安を感じたら、自己判断で悩む必要はありません。私たちは、ほぼ年中無休で、皆様が困ったときにいつでもご相談いただける体制を整えています。
体調に少しでも不安を感じたら、どうぞお一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

