訪問診療対象の疾患

チック障害/トゥレット症候群

ご自身の意思とは無関係に体が動いてしまったり、声が出てしまったりする症状により、日々の生活や外出に大きな不安を抱えてはいませんか。周囲の視線が気になり、医療機関への通院さえも躊躇してしまうというお悩みは、患者様ご本人はもちろん、支えるご家族にとっても深い葛藤となります。

当院では、そのような状況にある方々が、住み慣れた場所で安心して医療を受けられるよう、「訪問診療」や「在宅医療」を通じてサポートいたします。社会的な孤立を防ぎ、少しでも心穏やかに過ごせる環境作りをお手伝いすることが私たちの使命です。

訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。

疾患と訪問診療の対象

チック障害/トゥレット症候群とは

チック障害は、まばたきや首振りなどの運動チック、咳払いや叫び声などの音声チックが本人の意思に関係なく繰り返される疾患です。これらが長期間続き、日常生活に支障をきたすものをトゥレット症候群と呼びます。

通常は小児期に発症し成長とともに軽快することが多いですが、成人になっても症状が強く残る場合や、再発するケースがあります。訪問診療の視点から見ると、単に症状があるだけでなく、激しいチックにより公共交通機関の利用が困難であったり、待合室でじっとしていることが精神的に苦痛で通院ができない状態にあることが大きな課題となります。また、併存することの多い強迫性障害やADHD、二次的なうつ症状などにより、自宅から出ることが難しい(引きこもり状態)ケースも、在宅での医療介入が必要な状態と言えます。

訪問診療の対象となる方

主に以下のような状況にある患者様が、当院の訪問診療の対象となります。

  • 運動チックが激しく、転倒や怪我のリスクがあるため、一人での通院が困難な方。
  • 大きな声が出てしまう音声チックにより、電車やバスなどの利用、病院の待合室での待機が現実的に不可能な方。
  • 症状に対する周囲の視線への恐怖から、二次的な不安障害やパニック障害を併発し、外出ができなくなっている方。
  • 服薬調整や精神的なケアが継続的に必要であるものの、通院の負担が大きく治療が中断しがちな方。
  • ご家族による送迎や付き添いが限界に達し、自宅での医療サポートを求めている方。

当院の訪問診療サポート

在宅で直面する具体的な不安

チック障害やトゥレット症候群を抱えながらの在宅生活では、患者様とご家族は以下のような切実な悩みや不安に直面されています。

  • 近隣への騒音トラブル: 自宅内であっても大きな声や音が出てしまうため、近隣住民との関係や苦情に常に怯えている。
  • 身体的な自傷リスク: 激しい首振りや自分を叩くなどの動作により、身体的な痛みや怪我が絶えない。
  • 睡眠障害: チック症状や不安感から夜眠ることができず、生活リズムが昼夜逆転してしまう。
  • 介護者の疲弊: 24時間体制で見守るご家族が、精神的・身体的に休まる時間がなく追い詰められている。
  • 服薬への不安: 症状を抑える薬の副作用(眠気やふらつきなど)が心配だが、医師に相談する機会が少ない。

当院が提供できる専門的な治療・ケア

当院では、上記のような不安を解消し、安心して在宅療養を継続できるよう、以下の医療的サポートを提供します。

  • 症状に合わせた服薬管理: 定期的な訪問により、症状の推移を見ながら向精神薬などの調整をきめ細かく行います。副作用の有無も自宅で確認できるため、生活に即した処方が可能です。
  • 身体合併症のケア: 激しいチック動作による筋肉痛、関節痛、打撲などの身体的ケアや、生活習慣病の管理も行います。
  • 精神的なサポート: 医師や看護師が定期的に訪問し、対話を重ねることで、患者様の孤独感を和らげ、精神的な安定を図ります。ご家族のレスパイト(休息)に関する相談にも応じます。
  • 生活環境の調整: 患者様が落ち着いて過ごせる部屋の環境作りや、怪我を防ぐための工夫についてアドバイスを行います。

また、当院は「24時間365日の緊急往診体制」を整えています。夜間の急な体調変化や、精神的な不安が強まった際にも、いつでも連絡が取れ、必要に応じて医師が駆けつける体制があることが、在宅療養の大きな安心材料となります。

在宅療養を始めるためのサポート体制

在宅療養は、医師だけで支えるものではありません。地域の専門職と連携し、チームで患者様を支えます。当院では、必要に応じて精神科専門医のいる基幹病院と連携を取りながら、日々の診療を行います。

また、ご自宅での生活を安定させるためには、ケアマネジャーや訪問看護ステーションとの連携が不可欠です。訪問看護師が定期的に訪問し、服薬確認や日々の精神状態の観察を行うことで、医師の訪問日以外も手厚くサポートします。

さらに、介護保険サービスにおける「居宅療養管理指導」を活用することで、医療と介護が一体となった切れ目のない支援が可能となります。制度の利用方法についても、相談員が丁寧にご説明いたします。

ご相談方法と診療開始までの流れ

当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。

① 外来でご相談いただく場合の流れ

まずは、現在の状況や訪問診療への移行について、外来で医師と直接お話しいただくことが可能です。

  • ご予約・受付: お電話またはWebフォームより外来相談のご予約をお願いします。
  • 医師による診察・相談: 現在の症状、通院の困難さ、在宅で希望されるケアについて詳しくお伺いします。
  • 方針の検討: 訪問診療が適しているか、どのようなサポートが可能かを検討し、今後の治療方針をご提案します。

② 訪問診療を希望する場合の流れ

通院が困難で、すぐに訪問診療の開始を希望される場合は、以下の流れで進めます。

  • お問い合わせ: HPのお問い合わせフォームまたはお電話にてご連絡ください。
  • 事前面談・ご説明: 相談員がご自宅または当院にて、患者様の状態確認と診療内容・費用の説明を行います。
  • 初回訪問診療: 医師と看護師がご自宅へ伺い、診療を開始します。

詳しい流れはこちらのページへ

チック障害/トゥレット症候群による自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください

「外に出るのが怖い」「誰にも相談できず家の中に閉じこもっている」という苦しみを、一人で抱え込まないでください。チック障害やトゥレット症候群の在宅療養でお困りなら、まず当院へご相談ください。

私たちは、患者様が住み慣れた家で、ご家族と共に安心して過ごせるよう、全力でサポートいたします。あなたの勇気ある一歩を、私たちが医療の力で支えます。お問い合わせをお待ちしております。

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