訪問診療対象の疾患

起立性調節障害(OD)

朝、どうしても起き上がれない。立ち上がるとめまいや立ちくらみがして、日常生活を送ることさえままならない。起立性調節障害(OD)は、周囲からは「怠けている」「甘えだ」と誤解されやすく、ご本人だけでなく、見守るご家族にとっても大きな苦悩や焦りを伴う疾患です。

「病院に行って治療を受けたいけれど、そもそも朝起きられないから通院ができない」というジレンマに陥り、適切な医療につながれていないケースも少なくありません。そうした通院困難な状況にある方にとって、医師が自宅へ伺う「訪問診療」や「在宅医療」は、無理なく治療を継続するための有効な選択肢となります。

訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。まずは、現状の辛さを私たちにお聞かせください。

疾患と訪問診療の対象

起立性調節障害とは

起立性調節障害は、自律神経の働きのバランスが崩れることで、起立時に脳や全身への血流が維持できなくなる疾患です。思春期に多く見られますが、成人でも発症することがあります。単なる体調不良ではなく、身体的な要因による病気です。

軽症であれば生活改善で対応できますが、重症化すると激しい倦怠感や頭痛、失神などを伴い、一日の大半を横になって過ごさざるを得なくなります。この状態になると、予約した時間の通院が困難となり、治療の機会を逸してしまう悪循環が生じやすいため、訪問診療による介入が検討されます。

訪問診療の対象となる方

主に以下のような状況にある方が、訪問診療の対象となります。

  • 重度の起立性調節障害により、午前中の通院が物理的に困難な方
  • 立ちくらみや失神発作が頻繁にあり、外出自体に危険が伴う方
  • 症状による長期の不登校や引きこもり状態で、外との関わりが絶たれている方
  • 心身の消耗が激しく、自宅という安心できる環境で医師の診察を受けたい方

当院の訪問診療サポート

在宅で直面する具体的な不安

起立性調節障害をご自宅で療養されている患者様やご家族は、以下のような不安や困りごとを抱えていらっしゃいます。

  • 症状の変動: 日によって、または時間帯によって症状が大きく変わり、予測がつかない。
  • 家庭内の不和: 「いつになったら治るのか」という焦りから、親子間や家族間で衝突が起きてしまう。
  • 将来への不安: 学校や職場への復帰の目処が立たず、社会的に孤立していると感じる。
  • 緊急時の対応: 自宅で失神したり、過呼吸になったりした際の対応方法がわからない。
  • 薬の管理: 適切なタイミングで服薬ができているか、効果が出ているか判断が難しい。

当院が提供できる専門的な治療・ケア

当院では、通院が難しい患者様のために、ご自宅で以下のような専門的な医療管理とケアを提供し、不安の解消に努めます。

  • 自律神経機能の評価と管理: 自宅での血圧測定(起立試験など)を通じ、日々の血圧変動や心拍数を把握し、病状を適切に評価します。
  • 薬物療法の調整: 昇圧剤や漢方薬など、患者様の体質や生活リズムに合わせた処方と調整を自宅で行います。
  • 非薬物療法の指導: 水分・塩分摂取の具体的なアドバイスや、弾性ストッキングの着用指導など、生活療法をサポートします。
  • メンタルサポート: 身体症状だけでなく、心理的なストレスや不安に対しても医師や看護師が傾聴し、精神的な安定を図ります。
  • 24時間365日の緊急往診体制: 夜間や休日を問わず、急な体調変化や不安なことがあれば、いつでも医師や看護師に連絡が取れ、必要に応じて往診できる体制を整えています。

在宅療養を始めるためのサポート体制

在宅療養を成功させるためには、医療だけでなく、多職種との連携が不可欠です。当院は、必要に応じて地域の基幹病院や専門医と情報を共有し、連携を図ります。また、ケアマネジャーや訪問看護ステーションとも密に連絡を取り合い、日々の生活を支えるチーム体制を構築します。

特に、医療保険や介護保険サービス(居宅療養管理指導など)を適切に組み合わせることで、医療とケアを一体的に提供し、患者様とご家族が安心して療養生活を送れるよう環境を整えます。

ご相談方法と診療開始までの流れ

当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。

① 外来でご相談いただく場合の流れ

まずは、保護者様やご家族のみでのご相談も可能です。

  • 予約・受付: お電話またはWeb予約フォームより、外来相談をご予約ください。
  • 医師との面談: 現在の症状や通院の悩み、生活状況をお伺いします。
  • 方針の検討: 訪問診療が適しているか、まずは外来で様子を見るかなど、最適な治療方針を一緒に検討します。

② 訪問診療を希望する場合の流れ

  • お問い合わせ: お電話またはWebフォームよりご連絡ください。
  • 事前面談: 相談員(看護師やソーシャルワーカー)が病状やご希望を確認し、制度や費用の説明を行います。
  • 診療開始: 医師と看護師がご自宅へ伺い、訪問診療を開始します。

詳しい流れはこちらのページへ

起立性調節障害による自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください

「朝起きられない」ことは、決して本人の怠慢ではありません。起立性調節障害は、適切な医療的介入と環境調整によって改善が期待できる疾患です。通院が難しいからといって、治療を諦める必要はありません。ご自宅でリラックスしながら医師の診察を受けることで、少しずつ生活のリズムを取り戻していくことができます。

起立性調節障害の在宅療養でお困りなら、まずご相談ください。私たちと一緒に、焦らず、患者様ご自身のペースで回復への一歩を踏み出しましょう。

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