訪問診療対象の疾患

中心静脈栄養(ポート/IVH)の管理

病気や加齢の影響で口から食事を摂ることが難しくなり、中心静脈栄養(IVH)やCVポートの造設が必要となった際、ご本人もご家族も「医療処置が必要な状態で、本当に家に帰れるのだろうか」と大きな不安を抱かれることと思います。私たちは、そのような戸惑いに深く共感し、住み慣れたご自宅で安心して療養生活が送れるよう、訪問診療や在宅医療を通じて全力でサポートいたします。

訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。

疾患と訪問診療の対象

中心静脈栄養(ポート/IVH)の管理とは

中心静脈栄養(IVH)とは、口からの食事が困難な場合に、心臓に近い太い血管(中心静脈)へカテーテルを留置し、そこから高カロリーの輸液を行う栄養管理法です。在宅医療においては、皮膚の下に埋め込む「CVポート」を使用することが一般的です。

この管理が必要な場合、以前は長期入院を余儀なくされることが多くありましたが、現在は適切な医療管理のもと、ご自宅で過ごすことが可能です。訪問診療では、栄養状態の評価だけでなく、カテーテルやポートのトラブル防止、感染予防などの専門的な管理を継続的に行い、入院中と変わらない安心を提供することを目指します。

訪問診療の対象となる方

中心静脈栄養の管理が必要で、かつ以下のような状況にある方が主な対象となります。

  • 疾患の後遺症や嚥下機能障害により、経口摂取が難しく、高カロリー輸液が必要な方
  • 通院による移動が身体的に大きな負担となり、自宅での療養を希望される方
  • CVポートを造設しており、定期的な針の差し替えや点滴管理が必要な方
  • 最期まで自宅で過ごしたいと希望されており、栄養管理を含めた緩和ケアを必要とする方

当院の訪問診療サポート

在宅で直面する具体的な不安

中心静脈栄養を自宅で行うにあたり、患者様やご家族は以下のような点に強い不安を感じられることが多いです。

  • カテーテル挿入部やポート埋め込み部からの細菌感染が起きないか心配。
  • 点滴の管が詰まったり、抜けてしまったりした時の対応が分からない。
  • 入浴や着替えの際、どのように扱えばよいか分からず日常生活に制限を感じる。
  • 定期的な針の交換をご家族だけで行うことに恐怖心やプレッシャーがある。
  • 夜間や休日に熱が出たり、点滴にトラブルがあったりしたらどうすればよいか。

当院が提供できる専門的な治療・ケア

当院では、中心静脈栄養を必要とする患者様が安全に在宅療養を継続できるよう、専門的な知識を持った医師とスタッフが以下のケアを提供します。

  • 衛生的な管理と処置: 医師や看護師が定期的に訪問し、ポート部の観察、消毒、針の交換を清潔操作で行い、感染症のリスクを最小限に抑えます。
  • トラブルへの迅速な対応: 点滴ラインの閉塞や皮膚トラブルなどの予兆を早期に発見し、適切な処置を行います。
  • ご家族への指導とサポート: 日々の点滴操作や観察ポイントについて、ご家族が自信を持って行えるよう丁寧に指導・助言を行います。
  • 24時間365日の緊急往診体制: 万が一、カテーテルが抜けた、発熱した、痛みが強いなどの緊急事態が発生した場合でも、いつでも連絡が取れ、必要に応じて医師が緊急往診する体制を整えています。

在宅療養を始めるためのサポート体制

安全な在宅療養には、多職種との連携が不可欠です。当院は、退院元の病院と綿密に情報を共有し、シームレスな移行を支援します。また、日々のケアを担当する訪問看護師や、生活環境を整えるケアマネジャーとも密に連携を取り、チーム全体で患者様を支えます。

特に、介護保険サービスにおける「居宅療養管理指導」を活用することで、医師や薬剤師がご自宅を訪問して療養上の管理や指導を行い、医療と介護が一体となった切れ目のないサービス提供を実現します。

ご相談方法と診療開始までの流れ

当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。

①外来でご相談いただく場合の流れ

まずは外来で医師と対面し、現在の病状や在宅療養への移行についてじっくり相談したいという方のための流れです。

  • ご予約: お電話またはWebから外来診療をご予約ください。
  • 受診・相談: 現在の症状、栄養管理の状況、ご家族の介護力などを医師がお伺いします。
  • 方針検討: 在宅医療への移行が可能か、どのようなサポートが必要かを一緒に検討します。

②訪問診療を希望する場合の流れ

最初から訪問診療の利用を検討されている方のための流れです。

  • お問い合わせ: お電話またはWebフォームよりご連絡ください。現在の状況を簡単にお伺いします。
  • 事前面談: 相談員または医師が、病状や生活環境、ご希望のケアについて詳しく確認させていただきます。入院中の場合は病院へ伺うことも可能です。
  • 診療開始: 訪問スケジュールを調整し、ご自宅での診療を開始します。

詳しい流れはこちら

中心静脈栄養(ポート/IVH)による自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください

「点滴管理が必要だから自宅には帰れない」と諦める必要はありません。中心静脈栄養(ポート/IVH)の管理は、適切な医療サポートがあればご自宅でも十分に可能です。

ご家族だけで抱え込まず、医療のプロフェッショナルである私たちに頼ってください。当院は、患者様が安心して栄養を摂取し、穏やかな時間を過ごせるよう全力で支えます。中心静脈栄養の在宅療養でお困りなら、まずはお気軽にご相談ください。

外来WEB予約外来WEB予約
お問い合わせお問い合わせ
電話する電話する