訪問診療対象の疾患

心房細動など抗凝固療法の在宅管理

心房細動などの不整脈をお持ちで、血液をサラサラにするお薬(抗凝固薬)を服用されている患者様やご家族にとって、毎日の服薬管理や出血時の対応は大きな不安の種かと思います。「薬を飲み忘れてしまわないか心配」「通院のために外出するのが体力的に厳しくなってきた」といったお悩みはありませんか?

在宅医療(訪問診療)は、そのような不安を抱える患者様が、住み慣れた自宅で安心して療養生活を送るための選択肢です。定期的な医師の訪問により、副作用の確認や服薬状況の管理をきめ細やかに行います。

訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。

疾患と訪問診療の対象

心房細動とは

心房細動は、心臓が不規則に震える不整脈の一種です。この病気自体ですぐに命を落とすことは稀ですが、最大のリスクは心臓内にできた血栓(血の塊)が脳に飛び、「脳梗塞」を引き起こすことです。そのため、脳梗塞予防として抗凝固薬の継続的な服用が不可欠です。

しかし、高齢や認知機能の低下により、服薬管理が難しくなったり、足腰の弱りで通院自体が身体的な負担になったりする場合、治療の継続が困難になることがあります。訪問診療では、通院の負担をなくし、生活の場で治療を継続できる体制を整えます。

訪問診療の対象となる方

この疾患において、以下のような状況にある方が主な対象となります。

  • 足腰の筋力低下や麻痺などがあり、定期的な通院が困難な方
  • 認知症などの影響で、お薬の管理(飲み忘れ・飲みすぎ)が自分たちだけでは難しい方
  • 転倒リスクが高く、出血時の対応に不安がある方
  • 心不全などを合併しており、全身状態の管理が必要な方

当院の訪問診療サポート

在宅で直面する具体的な不安

抗凝固療法を自宅で継続する際、患者様やご家族は以下のような不安を抱えがちです。

  • 出血への恐怖: 転倒して頭を打ったり、怪我をした際に血が止まりにくいことへの不安。
  • 服薬の管理: 認知機能の低下により、薬を飲んだか分からなくなる、あるいは重複して飲んでしまうリスク。
  • 食事や他の薬との飲み合わせ: 特にワーファリン服用時の納豆などの食事制限や、市販薬との併用に関する疑問。
  • 体調変化への対応: 動悸や息切れが起きた際、すぐに病院へ行けないもどかしさ。

当院が提供できる専門的な治療・ケア

当院では、心房細動および抗凝固療法の管理に特化した以下のサポートを提供し、在宅での安心を支えます。

  • 血液検査と用量調整: 自宅で採血を行い、お薬の効果(効きすぎていないか、効きが悪くないか)を確認し、適切な投与量へ調整します。
  • 厳密な服薬管理サポート: 薬剤師や訪問看護師と連携し、お薬カレンダーの活用や一包化など、確実に服用できる環境を整えます。
  • 出血リスクの管理と観察: 訪問時に皮下出血(あざ)や貧血の兆候がないかを確認し、転倒予防のための環境整備をアドバイスします。
  • 24時間365日の緊急往診体制: 夜間や休日に動悸が激しくなったり、転倒して怪我をした場合でも、いつでも医師と連絡が取れ、必要に応じて緊急往診を行う体制を整えています。

在宅療養を始めるためのサポート体制

安全な在宅療養には、多職種との連携が不可欠です。当院では、これまで通院されていた病院の主治医と情報を共有し、治療方針を引き継ぎます。

また、日々の生活を支えるケアマネジャーや訪問看護師とも密に連携を取り合います。介護保険サービスの一つである「居宅療養管理指導」を活用することで、医師や薬剤師が専門的な視点から療養上の指導・助言を行い、医療と介護が一体となったサポートを提供します。

ご相談方法と診療開始までの流れ

当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。

① 外来でご相談いただく場合の流れ

外来でのご相談をご希望される場合の流れは以下の通りです。

  • ご予約: お電話またはWEBからご相談予約をお願いします。
  • 来院・相談: ご来院いただき、医師にご相談ください。ご本人の来院が難しい場合、ご家族のみでも可能です。
  • 方針検討: 現在の治療内容を確認し、今後の最適な療養場所や方針を一緒に検討いたします。

② 訪問診療を希望する場合の流れ

訪問診療をご希望される場合の基本的な流れは以下の通りです。

  • お問い合わせ: お電話またはホームページのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
  • 事前面談・ご説明: 相談員(ソーシャルワーカー)等が、患者様の病状や生活状況、ご希望を伺います。制度や費用についても詳しくご説明します。
  • 診療開始: 契約手続き完了後、初回訪問の日程を決定し、訪問診療を開始します。

詳しい流れはこちら

心房細動など抗凝固療法の在宅管理による自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください

「薬を正しく飲めているか不安」「もしもの時にどうすればいいか分からない」といったお悩みは、決してご家族だけで抱え込まないでください。心房細動に伴う脳梗塞リスクを管理しながら、穏やかに自宅で過ごすためには、専門的な医療サポートが必要です。

私たちは、患者様が安心して毎日を過ごせるよう、24時間体制で心臓と全身の健康を見守ります。通院が大変になってきたと感じたら、まずは一度、当院までお気軽にご相談ください。

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