慢性呼吸不全/COPD(肺気腫)
息切れや呼吸の苦しさは、日常生活において想像以上の不安と体力を消耗させます。「少し動くだけで息が上がる」「酸素ボンベを持っての通院が辛くなってきた」と感じていませんか?
住み慣れたご自宅で、呼吸の状態を適切に管理し、穏やかな時間を過ごすために「訪問診療(在宅医療)」という選択肢があります。私たちは、患者様とご家族が抱える呼吸への不安に寄り添い、安心して生活できるようサポートいたします。
訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。
疾患と訪問診療の対象
慢性呼吸不全/COPD(肺気腫)とは
慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺気腫は、長年の喫煙などが原因で肺に炎症が起き、呼吸機能が低下する疾患です。主な症状は、動作時の息切れ、慢性的な咳や痰です。
病状が進行すると、常に酸素吸入が必要となったり、風邪などの軽微な感染症から急激に呼吸状態が悪化(増悪)したりするリスクが高まります。そのため、酸素ボンベを携帯しての定期的な外来通院は、患者様の心肺機能にとって大きな負担となり、かえって体調を崩す要因にもなりかねません。通院による疲労や感染リスクを避けるため、訪問診療への切り替えが推奨される段階があります。
訪問診療の対象となる方
この疾患において、特に以下のような状況にある方が訪問診療の対象となります。
- 在宅酸素療法(HOT)を行っており、外出時の酸素ボンベの管理や移動が困難な方
- 少し歩くだけで息切れが激しく、通院のために外出すること自体が重労働となっている方
- COPDの急性増悪を繰り返し、頻繁な入退院を防ぐために自宅での緻密な管理が必要な方
- 最期まで自宅で自分らしく過ごしたいと、在宅での看取りを希望されている方
当院の訪問診療サポート
在宅で直面する具体的な不安
呼吸器疾患を抱える患者様やご家族は、ご自宅での生活において以下のような切実な不安を抱えていらっしゃいます。
- 夜間や早朝に突然息が苦しくなったらどうすればいいか分からない
- 酸素濃縮器やボンベなどの医療機器の操作や管理が正しくできているか心配
- 「息ができなくなるのではないか」という窒息への恐怖感が常にある
- 痰がうまく出せず、肺炎を起こさないか不安
- 入浴やトイレなど、日常生活の動作だけで息が上がり、介護する家族の負担も大きい
当院が提供できる専門的な治療・ケア
当院では、上記のような不安を解消し、安全に療養生活を送っていただけるよう、呼吸器疾患に特化した専門的な在宅医療を提供しています。
- 在宅酸素療法(HOT)の管理・調整:血中の酸素飽和度を定期的に測定し、患者様の活動量や病状に合わせて、酸素流量の細やかな調整を行います。機器メーカーとも連携し、トラブル時も迅速に対応します。
- 呼吸困難感(息苦しさ)の緩和ケア:進行した呼吸不全に伴う苦痛を和らげるため、医療用麻薬(モルヒネ等)を用いた緩和ケアを自宅で実施可能です。苦痛を最小限に抑え、穏やかな時間を守ります。
- 感染症の早期発見・治療:肺炎などの感染症は命に関わります。定期的な診察で肺の音や全身状態を確認し、必要に応じて自宅での抗生剤点滴などを行い、重症化を防ぎます。
- 24時間365日の緊急往診体制:「急に息が苦しくなった」という緊急時には、24時間365日いつでも医師や看護師と連絡が取れ、必要に応じて緊急往診を行う体制を整えています。夜間・休日でも決して一人にはさせません。
在宅療養を始めるためのサポート体制
在宅療養は、医師だけで支えるものではありません。地域の医療・介護スタッフと密に連携し、チームで患者様を支えます。
今まで通院されていた基幹病院の呼吸器内科医とは診療情報を共有し、急変時のバックアップ体制を確保します。また、呼吸リハビリテーションを行える訪問看護師や、生活環境を整えるケアマネジャーと連携し、生活の質(QOL)の維持・向上を目指します。
さらに、介護保険制度の「居宅療養管理指導」を活用することで、医師や薬剤師がご自宅を訪問して療養上の指導や助言を行うことが可能です。医療と介護が一体となった切れ目のないサービスで、安心の在宅生活を構築します。
ご相談方法と診療開始までの流れ
当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。
① 外来でご相談いただく場合の流れ
- 予約・受付:まずはお電話またはWebフォームより、外来相談のご予約をお願いいたします。「訪問診療を検討している」とお伝えいただくとスムーズです。
- 来院・ご相談:ご来院いただき、医師が直接、現在の病状や通院の困りごと、ご家族の状況などを詳しく伺います。
- 今後の治療方針検討:伺った内容をもとに、訪問診療へ移行する最適なタイミングや、具体的な治療方針についてご説明・ご提案いたします。迷われている段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。
② 訪問診療を希望する場合の流れ
訪問診療の導入決定から開始までは、以下のステップで進めてまいります。
- お問い合わせ:お電話またはお問い合わせフォームよりご連絡ください。相談員が現在の状況を伺います。
- 事前面談:ご自宅や当院にて、患者様・ご家族と面談を行い、病状の確認や診療計画の作成、費用の説明を行います。
- 訪問診療開始:計画に基づき、定期的な訪問診療を開始します。
慢性呼吸不全/COPD(肺気腫)による自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください
「息が苦しい」という症状は、ご本人にとってもご家族にとっても、大変な恐怖とストレスを伴うものです。しかし、適切な医療管理とサポートがあれば、住み慣れたご自宅で、安心して自分らしい生活を続けることは十分に可能です。
通院の負担を減らし、24時間見守られる安心感の中で療養生活を送るために、私たちが全力でサポートいたします。慢性呼吸不全やCOPDの在宅療養でお困りなら、まずはお気軽に当院までご相談ください。

