誤嚥性肺炎をくり返す
「一度治ったと思ったら、また熱が出た」「退院してすぐにまた肺炎になってしまった」。
誤嚥性肺炎を繰り返すことは、患者様ご本人の体力的な消耗はもちろん、見守るご家族にとっても精神的・身体的に大きな負担となります。「もう入院はさせたくない」「自宅で穏やかに過ごさせてあげたい」と願う一方で、急変への不安から在宅医療への切り替えを迷われている方も多いのではないでしょうか。
私たちは、そのような不安に寄り添い、ご自宅でも安心して医療を受けられるようサポートいたします。訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。住み慣れた場所で、その人らしく過ごすための選択肢として「訪問診療」をご検討ください。
疾患と訪問診療の対象
誤嚥性肺炎とは
誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液などが誤って気管に入り(誤嚥)、そこに含まれる細菌が肺で繁殖して炎症を起こす病気です。高齢者や脳血管疾患の後遺症がある方に多く見られます。
最大の問題は、再発を繰り返しやすい点にあります。繰り返すたびに入院治療を行うことは、高齢の患者様にとって筋力の低下や認知機能の低下を招きやすく、通院そのものが大きな負担となります。そのため、病状の管理と予防を生活の場で行える訪問診療への移行が強く推奨される疾患です。
訪問診療の対象となる方
誤嚥性肺炎のリスクを抱え、以下のような状況にある方が主な対象となります。
- 入退院を繰り返しており、自宅での療養を安定させたい方
- 足腰が弱り、病院への通院が困難な方
- 食事のたびにムセ込みがあり、常に肺炎のリスクがある方
- 痰の吸引や胃ろう(経管栄養)などの医療的ケアが日常的に必要な方
- 最期まで自宅で過ごしたいと希望されている方
当院の訪問診療サポート
在宅で直面する具体的な不安
誤嚥性肺炎のリスクがある患者様やご家族は、ご自宅での生活において以下のような不安を抱えていらっしゃいます。
- 突然の高熱が出たとき、救急車を呼ぶべきか判断に迷う
- 痰が絡んで苦しそうだが、家庭での対処法がわからない
- 食事や水分がうまくとれず、脱水や低栄養が心配
- 薬を飲み込めず、服薬管理が難しい
- 夜間に容態が急変したらどうすればいいか分からない
当院が提供できる専門的な治療・ケア
当院では、上記のような不安を解消し、誤嚥性肺炎を予防・管理するために、以下の専門的な医療処置やケアをご自宅で提供いたします。
- 自宅での点滴・投薬治療: 肺炎の兆候が見られた際、早期に抗生剤の投与や点滴を行い、重症化を防ぎます。
- 栄養・水分管理: 食事形態のアドバイスや、高カロリー輸液(点滴)、経管栄養(胃ろう・鼻腔栄養)の管理を行います。
- 呼吸器ケアと吸引指導: 痰の吸引処置や、ご家族への吸引方法の指導、酸素飽和度の管理を行います。
- 24時間365日の緊急往診体制: 夜間や休日を問わず、急な発熱や呼吸状態の悪化時には医師・看護師が対応し、必要に応じて往診いたします。
在宅療養を始めるためのサポート体制
在宅療養は、医師だけで支えるものではありません。退院時は病院の地域連携室と綿密に情報を共有し、スムーズな引き継ぎを行います。
また、日々の生活を支えるケアマネジャーや、頻繁に訪問してケアを行う訪問看護師とも密に連携します。特に介護保険サービスの一つである「居宅療養管理指導」を活用することで、医師や薬剤師がご自宅を訪問し、ケアプランに基づいた医学的な管理・指導を行うことが可能です。医療と介護が一体となってチームを作ることで、患者様とご家族が孤独を感じることなく療養できる体制を整えます。
ご相談方法と診療開始までの流れ
当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。
① 外来でご相談いただく場合の流れ
訪問診療への移行を迷われている場合や、医師に直接会って相談したい場合は、外来でのご相談が可能です。
- ご予約: お電話またはWEB予約フォームより「相談希望」の旨をお伝えください。
- ご来院・ご相談: 患者様の病状や現在の生活状況、ご家族の不安な点などを医師が直接伺います。
- 方針の検討: 訪問診療が適しているか、外来通院を継続すべきかなど、最適な治療方針をご提案します。
② 訪問診療を希望する場合の流れ
すでに通院が困難で、訪問診療の開始をご希望される場合の流れです。
- お問い合わせ: お電話またはHPの専用フォームよりご連絡ください。現在の状況を簡単にお伺いします。
- 事前面談(インテーク): 相談員(または看護師・医師)がご自宅や病院へ伺い、病状の確認と診療内容の説明、契約手続きを行います。
- 診療開始: 訪問スケジュールを調整し、医師による定期的な訪問診療を開始します。
誤嚥性肺炎による自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください
「また肺炎になったらどうしよう」という不安を抱えながらの生活は、ご本人にとってもご家族にとっても辛いものです。しかし、適切な医療管理とサポートがあれば、ご自宅でも肺炎のリスクを減らし、穏やかな時間を過ごすことは十分に可能です。
私たちは、繰り返す誤嚥性肺炎と向き合う患者様とご家族の「家にいたい」という想いを全力で支えます。お一人で悩まず、まずは私たちにご相談ください。

