訪問診療対象の疾患

卵巣がん

卵巣がんは、初期症状が乏しく発見された時には進行していることも少なくありません。また、手術や化学療法など長期にわたる治療が必要となるケースが多く、身体的な負担だけでなく、終わりの見えない不安を抱えていらっしゃる患者様やご家族も多いことでしょう。

「自宅でゆっくり過ごしたいけれど、急変したらどうしよう」「痛みが強くなったら家で対応できるのだろうか」といったお悩みをお持ちであれば、ぜひ訪問診療(在宅医療)をご検討ください。住み慣れたご自宅で、ご自分らしく穏やかに療養生活を送るための選択肢があります。

訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。

疾患と訪問診療の対象

卵巣がんとは

卵巣がんは、卵巣に発生する悪性腫瘍です。「沈黙の臓器」と呼ばれるほど初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると腹部膨満感(お腹の張り)や腹痛、頻尿などが現れます。治療は手術と抗がん剤治療が中心となりますが、再発を繰り返すこともあり、長期的な管理が必要となる疾患です。

病状の進行に伴い、腹水が溜まって苦しい、腸閉塞による食事摂取困難、抗がん剤の副作用による強い倦怠感などが生じることがあります。また、通院そのものが身体的に大きな負担となる時期が訪れることもあります。そのような場合、病院での治療と並行して、あるいは治療の段階を変えて、自宅での療養を支える訪問診療の必要性が高まります。

訪問診療の対象となる方

卵巣がんを患い、以下のような状況にある方が主な対象となります。

  • 腹水によるお腹の張りや痛みがあり、頻繁な通院が困難な方
  • 抗がん剤治療の副作用が強く、自宅での体調管理に医師のサポートが必要な方
  • 腸閉塞(イレウス)の症状があり、点滴管理や持続的なケアが必要な方
  • 最期の時間を、病院ではなく住み慣れた自宅で家族と共に過ごしたいと希望される方
  • ご家族による介護負担が大きく、医療的な助言やサポートを求めている方

当院の訪問診療サポート

在宅で直面する具体的な不安

卵巣がんの患者様がご自宅で療養される際、以下のような不安や困りごとに直面することが多くあります。

  • 腹水による苦痛: お腹がパンパンに張ってしまい、息苦しさや食欲不振が続き、どう対処してよいか分からない。
  • 消化器症状の悩み: 吐き気や嘔吐、便秘などの症状が頻繁に起こり、食事や水分が摂れないことへの不安。
  • 痛みのコントロール: がんによる疼痛が強くなった時、自宅の薬だけで痛みが治まるのか心配。
  • 急変時の対応: 夜間や休日に熱が出たり、痛みが激しくなったりした時、誰に相談すればよいか分からない。
  • 精神的な不安: 病気の進行に対する恐怖や、家族に迷惑をかけていないかという孤独感。

当院が提供できる専門的な治療・ケア

当院では、卵巣がん特有の症状や不安に対し、専門的な知識と経験に基づいた医療ケアを提供し、安心して在宅療養ができるようサポートいたします。

  • 腹水・浮腫の管理: 利尿剤の調整や、必要に応じた腹水穿刺(水を抜く処置)を行い、苦痛を緩和します。
  • 疼痛管理(緩和ケア): 内服薬だけでなく、貼付剤や皮下注射、医療用麻薬の持続注入ポンプなどを使用し、痛みを徹底的にコントロールします。
  • 栄養・水分管理: 食事が摂れない場合の点滴管理(CVポートを含む)や、腸閉塞時の症状緩和処置を行います。
  • 24時間365日の緊急往診体制: 夜間・休日を問わず、いつでも連絡がつながり、必要であれば医師が緊急往診いたします。急な体調変化にも即座に対応できる体制を整えています。
  • 心のケア: 患者様ご本人はもちろん、支えるご家族の精神的な負担にも寄り添い、お話を伺いながら不安を和らげるサポートを行います。

在宅療養を始めるためのサポート体制

在宅療養は、当院の医師や看護師だけで行うものではありません。これまで治療を受けてこられた病院の主治医と緊密に連携を取り、治療経過や今後の情報を共有することで、切れ目のない医療を提供します。

また、ケアマネジャーや訪問看護ステーション、薬剤師、ヘルパーなど、地域の介護・福祉サービスともチームを組みます。医療保険だけでなく、介護保険サービス(居宅療養管理指導など)も活用しながら、医療と介護が一体となって患者様の生活を支える環境を整えますので、介護申請などがまだの方もまずはご相談ください。

ご相談方法と診療開始までの流れ

当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を中心に訪問診療を提供しております。その他のエリアについても、患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございますので、個別にご相談ください。

外来でご相談いただく場合の流れ

まずは現在の病状や在宅療養への移行について、外来でじっくりご相談いただくことも可能です。

  • 予約・受付: お電話またはHPより外来相談のご予約をお願いします。
  • ご相談・診察: 医師が現在の状況やご希望を伺い、訪問診療が適しているか、どのようなサポートが可能かをご説明します。

訪問診療を希望する場合の流れ

  • お問い合わせ: HPのお問い合わせフォームまたはお電話にてご連絡ください。
  • 事前面談: 相談員または看護師が、ご自宅や病院へ伺い(あるいは来院いただき)、病状やご希望を詳しく確認させていただきます。
  • 診療開始: 医師がご自宅へ定期的に訪問し、診療を開始します。

詳しい流れはこちらのページへ

卵巣がんによる自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください

卵巣がんは、腹水や痛みの管理など、専門的なケアが必要になる場面が多い疾患です。しかし、適切な医療サポートがあれば、ご自宅でも苦痛を和らげ、穏やかな時間を過ごすことは十分に可能です。「家に帰りたい」「家族と一緒にいたい」という想いを、私たちが全力で支えます。お一人で抱え込まず、まずは一度、当院までご相談ください。

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