肺がん
肺がんの病状の進行に伴う咳、息切れ(呼吸困難)、倦怠感や痛みは、定期的な外来通院を大きな負担に変えてしまいます。抗がん剤治療後の吐き気や脱水といった副作用は、ご自宅で「動けない」不安を引き起こす要因です。当院は、通院困難な患者様のために訪問診療を提供し、住み慣れたご自宅で最期まで安心して過ごせる在宅医療を支えています。訪問診療のご相談は、HPからのお問い合わせの他、直接、医師に話したいという方や、通院負担の移行を迷っている方向けに外来でのご相談も承っております。
疾患と訪問診療の対象
肺がんとは
肺がんは進行すると、呼吸困難や強い疲労感が顕著になり、QOLを低下させます。症状が不安定で通院自体が大きな負担となる状態が訪問診療の対象です。当院の在宅医療は、進行期症状、特に呼吸器症状の緩和に焦点を当て、通院負担をゼロにすることを役割とします。
訪問診療の対象となる方
当院の訪問診療は、主に以下のような状況にある患者様やご家族を対象としています。
- 通院が困難な状態: 呼吸困難や強い倦怠感により、自力での移動や長時間座ることが難しい方。
- 自宅での継続的な医療処置やケアが必要: がん疼痛管理、在宅酸素療法(HOT)、高度な輸液管理、栄養管理などが自宅で継続的に必要な方。
- 自宅での看取りを希望している: 住み慣れた場所で、ご家族に見守られながら、穏やかに最期を迎えたいと希望されている方やご家族。
当院の訪問診療サポート
在宅で直面する具体的な不安
肺がんの患者様やご家族がご自宅で直面する、切実な不安には以下のようなものがあります。
- 突然の激しい呼吸困難(息切れ)や胸の痛みが起こったとき、すぐに対応できるか。
- 咳や痰が多くなり、気道分泌物によって苦痛が増した際の適切な処置。
- 外来での抗がん剤治療の副作用(吐き気、嘔吐、倦怠感)で動けなくなったとき。
- 脱水や栄養状態の悪化で、点滴や輸液管理が必要になったとき、すぐに医師が来てくれるか。
当院が提供できる専門的な治療・ケア
不安解消のため、当院は肺がん緩和ケアに特化した専門的な在宅医療を提供します。中心は、呼吸困難・疼痛の徹底的な緩和ケアです。鎮痛薬や呼吸困難改善薬の調整、注射、点滴による対応を積極的に行います。特に、輸液量が呼吸困難を悪化させないよう厳密にコントロールし、呼吸器症状の緩和を最優先する専門的ケアを提供します。抗がん剤治療中の強い吐き気や脱水といった副作用にも、緊急でご自宅に伺い、吐き気止めや輸液療法(点滴)を迅速に実施します。在宅酸素療法(HOT)の管理、吸引処置指示、栄養管理指導も行います。当院は24時間365日の緊急往診体制を構築。急変時は医師がすぐに自宅へ訪問し、必要な処置を行うことで安心を提供します。
在宅療養で直面する不安と当院の専門的サポート
| 患者様・ご家族様の主な不安 | 当院が提供する専門的な治療・ケア |
| 息苦しさ(呼吸困難)や痛みが急に出たらどうするか | 呼吸困難に対する薬剤調整、酸素療法管理、高度な疼痛緩和ケア(麻薬含む点滴・注射対応) |
| 抗がん剤の副作用(吐き気、脱水)で動けない | 吐き気止めや脱水改善のための緊急輸液(点滴)や注射の自宅での実施 |
| 咳や痰が多くなり、呼吸器の苦痛が増すこと | 輸液量を厳密にコントロールし、気道分泌による苦痛を軽減する専門的緩和ケア |
| 介護サービスや福祉の利用方法が複雑でわからない | 居宅療養管理指導を通じた、医療と介護サービスの包括的な導入サポート |
在宅療養を始めるためのサポート体制(多職種・連携の体制)
サポート体制
在宅療養開始・継続のため、当院が医療と介護の連携を包括的にサポートします。
- ケアマネジャー導入サポート:
- 介護保険の申請代行や手続きをサポート。
- 主治医意見書作成を迅速に対応。
- 地域のケアマネジャー事業所をご紹介。
- 訪問看護の選定・連携:
- 訪問看護指示書の発行を常時実施。
- 地域の連携訪問看護ステーションをご紹介・調整。
当院医師による居宅療養管理指導を通じ、医療と介護サービス導入の「窓口」となり、多職種連携を主導。ご家族を複雑なプロセスから解放し、医療と介護の一体的な提供体制を構築します。
ご相談方法と診療開始までの流れ
当院は、墨田区、江東区、台東区、中央区、荒川区、江戸川区、千代田区を主な対応エリアとしております。その他のエリアについては、個別にご相談ください。患者様の状況やご希望に応じて対応可能な場合もございます。
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① 外来でご相談いただく場合の流れ
通院可能で、移行時期や治療方針を迷われている方は、まず外来相談をお勧めします。
- 予約・受付: お電話またはHPのフォームからご予約ください。
- 来院・ご相談: 病状や通院の負担、今後のご希望を医師がお伺いします。
- 今後の治療方針検討: 訪問診療への移行時期や、外来での治療継続の方針を検討します。
② 訪問診療を希望する場合の流れ
訪問診療の開始を希望される方には、以下の流れでスムーズに診療を開始します。
- 問い合わせ: HPフォームまたはお電話にてご連絡ください。
- 事前面談: 担当医師やスタッフがご自宅へ伺い、病状、診療内容、費用についてご説明します。
- 診療開始: 診療計画に基づき、定期的な訪問診療を開始します。
詳しい流れはこちらのページへ
肺がんによる自宅での療養不安や症状でお悩みなら、まずご相談ください
肺がんの療養は、体力消耗や急な症状変化との戦いです。当院では、通院負担から患者様を解放し、特に呼吸困難や痛み、抗がん剤副作用といった切実な不安を24時間365日体制でサポートします。QOLを尊重し、医療と介護の連携窓口として専門的な在宅医療を提供します。まずはHP・お電話または外来相談にて、ご希望をお聞かせください。

