小児科

こどもの発熱

症状・疾患の概要

発熱は、体温が平常よりも高くなる状態で、子供の体が感染症や炎症に対して免疫反応を起こしているサインです。通常、体温が37.5℃以上の場合を発熱と定義し、38℃を超える高熱が出ることもあります。発熱そのものは病気ではなく、体が病原体と戦っている兆候です。子供は特に感染症にかかりやすく、発熱を伴うことが多いですが、ほとんどのケースでは数日で回復します。

主な症状

発熱に伴って現れる症状には、以下のものがあります。

  • 体温の上昇:37.5℃以上の熱がある場合。
  • 顔の赤み:特に頬が赤くなることがあります。
  • 寒気・震え:体が寒く感じて震えることがあります。
  • 疲労感・倦怠感:子供がぐったりして元気がない。
  • 食欲不振:普段よりも食欲が落ちる。
  • 脱水症状:発熱により汗をかきやすくなり、水分不足が起こりやすい。
  • 泣きやすく、不機嫌:体調が悪いために、いつもより機嫌が悪くなることがあります。

これらの症状が見られる場合には、家庭でのケアが重要です。

診断と検査について

発熱の原因を特定するためには、以下の診断や検査を行うことがあります。

  • 問診:発熱の継続期間や、伴う症状(咳、下痢、嘔吐、発疹など)を確認します。また、最近の感染者との接触や予防接種歴も考慮します。
  • 身体診察:喉や耳、皮膚の状態を確認し、感染の有無を診断します。
  • 血液検査:白血球や炎症反応の値を調べ、感染症の有無を判断します。

発熱の原因は、ウイルスや細菌、炎症などさまざまなものがあり、適切な検査を行って診断します。

治療法について

発熱そのものは免疫反応であるため、原因に応じて適切な治療を行います。

対症療法

  • 解熱剤:高熱が続く場合や子供がぐったりしている場合、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの解熱剤が使用されます。解熱剤は症状を緩和するために使われますが、発熱の根本的な治療にはなりません。
  • 水分補給:発熱時には汗をかきやすく、脱水症状を防ぐためにこまめな水分補給が必要です。スポーツドリンクや経口補水液が効果的です。

原因に応じた治療

  • ウイルス感染症:ほとんどの風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症の場合、特効薬はなく、休養と水分補給で体が回復するのを待ちます。
  • 細菌感染症:細菌が原因の場合は、抗生物質が処方されることがあります。例えば、中耳炎や扁桃炎、尿路感染症が疑われる場合です。

家庭でできるケア

発熱がある場合、家庭で以下のケアを行うことで、子供の状態を管理します。

  • 安静にさせる:体が熱と戦っているため、無理をさせずに安静に過ごさせます。
  • 水分補給:脱水を防ぐために、こまめに水分を与えます。子供が水分を摂りたがらない場合は、ゼリー状の飲料やスープなどでも代用できます。
  • 薄着にする:過度に体を冷やすことは避け、適度な薄着で体温を調整しましょう。
  • 室内の温度管理:部屋を涼しく保ち、適切な湿度を維持します。湿度40~60%が理想的です。

予防方法

発熱を伴う感染症を予防するために、以下の習慣を心がけます。

  • 手洗い・うがい:外出後や食事前に手洗いやうがいを行い、ウイルスや細菌の感染を防ぎます。
  • 予防接種:インフルエンザや肺炎球菌など、予防接種で防げる感染症はあらかじめ接種しておきます。
  • 適度な運動と十分な睡眠:子供の免疫力を高めるため、適度な運動と質の良い睡眠を確保しましょう。

注意が必要な合併症や重篤な兆候

発熱そのものは通常、数日で治まりますが、以下のような兆候が見られる場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。

  • 3日以上高熱が続く:通常の発熱は1~3日で改善しますが、長引く場合は別の病気が原因の可能性があります。
  • 呼吸困難:呼吸が速くなったり、息苦しそうな様子が見られた場合。
  • 意識の低下や反応の鈍さ:ぐったりして反応が鈍い、意識がぼんやりしている場合は重篤な兆候です。
  • けいれん:熱性けいれんが起こった場合は、すぐに医師の診察を受けましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 子供が熱を出したらすぐに病院に行くべきですか?
A. 軽い発熱であれば、まずは家庭でのケアを行い様子を見ましょう。ただし、38.5℃以上の高熱が続いたり、ぐったりしている、食事や水分を取らない場合は、病院を受診することをお勧めします。

Q2. 発熱時にお風呂に入れても大丈夫ですか?
A. 子供が元気であれば、短時間の入浴は問題ありません。ただし、発熱がひどくぐったりしている場合は無理をせず、体を拭く程度にして休ませてください。

Q3. 解熱剤は頻繁に使っても良いですか?
A. 解熱剤は使用できますが、用量や使用間隔を守ることが大切です。連続して使う場合は、6~8時間の間隔を空けてください。医師の指示がない限り、長期間の使用は避けましょう。

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