糖尿病
症状・疾患の概要
糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高い状態が続く疾患です。インスリンの分泌不足や働きが低下することによって、血糖値の調節がうまくいかなくなります。主に「1型糖尿病」と「2型糖尿病」に分類され、特に2型糖尿病は中高年以降に発症しやすい生活習慣病として広く認知されています。糖尿病が進行すると、心臓病、脳卒中、腎臓病、失明、神経障害など、様々な合併症を引き起こすリスクが高まります。
症状について
糖尿病の初期段階では、自覚症状がほとんどないことが多いです。症状が進行すると、以下のような兆候が現れることがあります。
- 多尿:頻繁に尿が出る。
- 口渇:喉が渇きやすく、水分をたくさん摂取する。
- 体重減少:食べても痩せる。
- 疲れやすさや倦怠感:慢性的な疲労感が続く。
- 目のかすみ:視力の低下やぼんやりする感覚がある。
これらの症状が見られる場合、早めに医師の診断を受けることが重要です。
診断と検査について
糖尿病の診断には、主に血液検査を行い、血糖値やヘモグロビンA1c(過去1〜2ヶ月の血糖値を反映する指標)を確認します。
- 空腹時血糖値:126mg/dL以上で糖尿病と診断される可能性があります。
- ヘモグロビンA1c:6.5%以上で糖尿病と診断されます。
早期発見が重要なため、定期的な健康診断で血糖値のモニタリングが推奨されます。
治療法について
糖尿病の治療は、主に生活習慣の改善と薬物療法を組み合わせて行われます。
ライフスタイルの改善
- 食事療法:カロリーや炭水化物の摂取量を管理し、血糖値を安定させる食事が推奨されます。食物繊維が豊富な野菜や全粒穀物を積極的に摂取し、砂糖や脂質を控えることが重要です。
- 運動療法:定期的な有酸素運動(ウォーキングやジョギング)が、血糖値のコントロールとインスリン感受性の改善に役立ちます。1日30分程度の運動を目安に行うと良いでしょう。
- 体重管理:適切な体重を維持することは、特に2型糖尿病の予防と管理において重要です。
薬物療法
- 経口血糖降下薬:主に2型糖尿病の治療で使用されます。血糖値を下げる作用があり、インスリン分泌を促すものやインスリンの働きを高めるものがあります。
- インスリン注射:1型糖尿病や、進行した2型糖尿病ではインスリンの投与が必要です。血糖値をコントロールするために、日々の管理が欠かせません。
治療は患者様一人ひとりの病状に応じて、医師と相談しながら進めていきます。上記でもコントロールが不良な症例の場合は、総合病院または、専門クリニックへの紹介を適宜行わせていただきます。
予防について
糖尿病の予防には、日々の生活習慣が非常に重要です。特に、2型糖尿病は以下の予防策を講じることで発症リスクを大幅に減少させることができます。
- バランスの良い食事:野菜、果物、全粒穀物を多く摂り、脂肪や糖質の多い食品は控えましょう。
- 適度な運動:日常生活にウォーキングやジョギングなどの運動を取り入れることが有効です。
- 体重管理:適切な体重を維持することで、糖尿病のリスクを減らすことができます。
- 定期的な健康診断:血糖値のチェックを行い、早期発見・早期対策が重要です。
よくある質問について
Q1. 糖尿病は治りますか?
A. 糖尿病は完治が難しい疾患ですが、適切な治療と生活習慣の改善により、血糖値をコントロールしながら健康な生活を送ることができます。
Q2. 糖尿病の薬は一生飲まなければならないのですか?
A. 治療や生活習慣の改善により薬の量を減らすことや、一時的に薬を中止できる場合もありますが、再発リスクがあるため、定期的に医師の診察を受けることが大切です。
Q3. 糖尿病は遺伝しますか?
A. 糖尿病には遺伝的要因があることが知られています。特に親族に糖尿病患者がいる場合は、発症リスクが高くなるため、定期的な検査や健康的な生活習慣の維持が推奨されます。