小児科
副鼻腔炎
症状・疾患の概要
副鼻腔炎(ふくびくうえん)は、鼻の奥にある副鼻腔が細菌やウイルスの感染により炎症を起こす疾患です。小児では、風邪をきっかけに発症することが多く、鼻づまりや膿のような鼻水が特徴です。症状が長引くと生活の質を低下させるだけでなく、中耳炎などの合併症を引き起こすこともあります。
主な症状
- 鼻づまり:片方または両方の鼻が詰まる
- 鼻水:黄色や緑色の粘り気のある鼻水
- 咳:特に夜間や朝方に悪化
- 顔の痛みや圧迫感(幼児では訴えが難しいことが多い)
- 発熱:微熱から高熱まで
- 口呼吸やいびき:鼻づまりが続くと見られる
小児では典型的な症状を訴えられない場合もあるため、親が注意深く観察することが大切です。
診断と検査について
小児の副鼻腔炎の診断は以下の方法で行います:
- 問診:症状の持続期間や悪化のタイミング。
最近の風邪や中耳炎の有無。 - 視診・触診:鼻腔内を観察し、鼻水の色や粘度、腫れを確認。
顔や頬を軽く押し、痛みや圧迫感の有無を確認。 - 追加検査(必要に応じて):超音波検査:副鼻腔の炎症の程度を確認(小児に負担が少ない)。
鼻水の培養検査:重症例で原因菌を特定。
小児では症状や簡単な視診で診断がつくことが多いです。
治療法について
小児の副鼻腔炎の治療は、症状の程度によって異なります。
軽症の場合
- 鼻水の吸引:鼻水吸引器を使用し、鼻腔を清潔に保つ。
- 鼻洗浄:生理食塩水で鼻を洗うことで、炎症を和らげる。
- 蒸気吸入:鼻腔を潤し、鼻づまりを軽減。
中等症~重症の場合
- 抗生物質:細菌感染が疑われる場合、医師の指示で服用。
- 鼻腔スプレー:炎症を抑え、鼻づまりを軽減(短期間使用)。
- 解熱鎮痛剤:発熱や痛みが強い場合に使用。
慢性化した場合
- 耳鼻咽喉科での治療:長期的な管理や、まれに手術が検討される場合もあります。
注意が必要な合併症や重篤な兆候
小児の副鼻腔炎は、以下の合併症が発生する可能性があります:
- 中耳炎:耳の痛みや聞こえづらさ。
- 眼窩炎:目の周りが赤く腫れる。
- 髄膜炎:強い頭痛、吐き気、意識障害(極めてまれ)。
以下の場合は速やかに医療機関を受診してください:
- 高熱が続く
- 鼻水が膿のように濃く、悪臭がする
- 目の腫れや視力の異常
- 全身の倦怠感やぐったりしている
家庭でできるケア
- 鼻水ケア:吸引器や綿棒で鼻水を除去し、鼻腔を清潔に保つ。
- 蒸気吸入:湯気を吸わせて鼻腔の粘膜を潤す。
- 水分補給:体内の粘膜を潤し、鼻水を出しやすくします。
- 適度な加湿:部屋を加湿して鼻の乾燥を防ぎます。
予防方法
- 風邪予防:手洗い、うがいを習慣づける。
- アレルギー管理:アレルギー性鼻炎がある場合は適切な治療を行う。
- 規則正しい生活:十分な睡眠とバランスの良い食事で免疫力を高める。
よくある質問(FAQ)
Q1: 副鼻腔炎は自然に治りますか?
A1: 軽症であれば自然に改善することがありますが、症状が1週間以上続く場合は医師の診察を受けてください。
Q2: 子どもの鼻水が多いのは副鼻腔炎のサインですか?
A2: 鼻水が黄色や緑色で1週間以上続く場合、副鼻腔炎の可能性があります。診察をおすすめします。
Q3: 副鼻腔炎を予防するために親ができることは何ですか?
A3: 鼻水が出たら早めにケアを行い、風邪をきっかけに炎症が進行しないよう注意してください。また、定期的な鼻洗浄が有効です。