小児科
おたふく風邪(流行性耳下腺炎)
症状・疾患の概要
おたふく風邪(流行性耳下腺炎)は、ムンプスウイルスによる感染症で、特に幼児から小学校低学年の子どもに多く見られます。感染すると、耳下腺(耳の下の唾液腺)が腫れ、痛みを伴います。1回の感染で免疫がつき、再発することはほとんどありません。
主な症状
- 耳の下や顎の痛みと腫れ(片側または両側)
- 発熱(軽度~中度)
- 食事や飲み物の摂取時に痛みが増す
- 倦怠感や食欲低下
※無症状で経過する場合もあります。
診断と検査について
おたふく風邪は、以下の方法で診断されます:
- 症状の確認:耳下腺の腫れや痛みが特徴的。
- 問診:流行状況や予防接種歴の確認。
- 血液検査・ウイルス検査(必要に応じて):ムンプスウイルス抗体価の測定。
多くの場合、臨床症状から診断されます。
治療法について
おたふく風邪には特効薬はなく、対症療法が中心です。
- 痛みの管理:鎮痛剤や冷湿布を使用。
- 発熱の管理:解熱剤を適切に使用。
- 水分補給:脱水を防ぐため、十分な水分を摂取。
- 食事管理:柔らかくて飲み込みやすい食事を心掛ける。
注意が必要な合併症や重篤な兆候
まれに合併症が発生することがあります。以下の症状に注意が必要です:
- 髄膜炎・脳炎:強い頭痛、嘔吐、意識障害
- 精巣炎(思春期以降の男性):精巣の痛みや腫れ
- 難聴:片耳または両耳の聴力低下
- 膵炎:腹痛や吐き気
これらの症状が見られた場合は、早急に医療機関を受診してください。
家庭でできるケア
- 耳下腺の痛みや腫れを冷やして症状を和らげる。
- 刺激の少ない食事(スープやプリンなど)を与える。
- 体を休め、十分な睡眠をとらせる。
- 症状が落ち着くまで登園・登校を控える。
予防方法
- 予防接種(ムンプスワクチン):1歳と就学前の2回接種が推奨されています。
- 感染者と接触した後は手洗いやうがいを徹底。
- 流行期には人混みを避ける。
よくある質問(FAQ)
Q1: おたふく風邪は大人もかかりますか?
A1: かかります。特に予防接種を受けていない大人が感染すると、重症化することが多いです。
Q2: 登園・登校はいつから可能ですか?
A2: 耳下腺の腫れが消え、全身状態が良好になれば登園・登校可能です。ただし、医師の指示に従ってください。
Q3: 予防接種を受けていてもかかることはありますか?
A3: ワクチンを受けても100%の予防は保証されませんが、発症しても症状が軽く済むことが多いです。