小児科
手足口病
症状・疾患の概要
手足口病は、乳幼児を中心に夏から秋にかけて流行するウイルス性疾患です。主にエンテロウイルス(コクサッキーウイルスやエコウイルス)が原因で発症します。名前の通り、手、足、口腔内に特徴的な発疹が現れます。
主な症状
- 発熱(軽度:37~38℃程度)
- 手のひら、足の裏、口腔内に小さな水疱性の発疹
- 口内炎による痛みや食欲低下
- 軽い咳や鼻水
通常、症状は軽度で数日以内に改善します。
診断と検査について
手足口病の診断は、以下の方法で行われます:
- 視診:手足や口内の発疹を確認します。
- 問診:流行状況や家族内の発症状況を確認。
- 必要に応じたウイルス検査:重症例や診断が困難な場合に行います。
多くの場合、症状のみで診断が可能です。
治療法について
手足口病に特効薬はなく、対症療法を行います。
- 痛みの緩和:口内炎の痛みに応じて鎮痛剤や局所麻酔薬を使用。
- 発熱の管理:解熱剤を使用。
- 水分補給:脱水予防のため冷たい飲み物やゼリー状の食品を与える。
注意が必要な合併症や重篤な兆候
ほとんどの場合軽症ですが、まれに以下の合併症が見られます:
- 髄膜炎や脳炎:高熱、嘔吐、頭痛、意識障害などが見られる場合は緊急受診が必要。
- 脱水症:口内炎が原因で水分摂取が困難な場合。
- 爪の変形や脱落:手足の発疹の後に見られることがありますが、自然に治ります。
家庭でできるケア
- 冷たい飲み物や柔らかい食事で口内炎の痛みを軽減。
- 発疹部分を清潔に保ち、かゆみがある場合は冷やす。
- 高熱がある場合は涼しい環境で休ませる。
- 十分な水分と栄養を補給。
予防方法
- 手洗いの徹底:ウイルスは手を介して感染するため、特にトイレや食事の前後に手洗いを行う。
- 感染者との接触を避ける:感染力が高いため、発疹が消えるまでは外出を控える。
- おもちゃや共有物の消毒:家族内での感染拡大を防ぎます。
よくある質問(FAQ)
Q1: 大人も手足口病にかかりますか?
A1: まれですが、免疫がない場合に感染することがあります。特に大人では重症化しやすい傾向があります。
Q2: いつから保育園や学校に通えますか?
A2: 発疹が消え、全身状態が良好であれば登園・登校可能です。詳細は医師にご相談ください。
Q3: 手足口病は何度もかかりますか?
A3: 複数のウイルスが原因であるため、異なるウイルスに感染すると再発する可能性があります。