小児科
水ぼうそう
症状・疾患の概要
水痘(水ぼうそう)は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による感染症で、主に乳幼児から学童期の子どもがかかります。発疹を伴う疾患の中でも感染力が非常に強く、飛沫感染や接触感染で広がります。一度かかると免疫がつくことが多いですが、ウイルスは体内に潜伏し、後に帯状疱疹として再活性化することがあります。
主な症状
- 発熱(軽度~中程度、37~39℃)
- 発疹:痒みを伴う紅い発疹が現れ、次第に水疱となり、最終的にかさぶたとなる
- 発疹は顔、頭皮、体幹を中心に全身へ広がる
- 全身の倦怠感や食欲低下
症状は一般的に1~2週間で軽快します。
診断と検査について
水痘は以下の方法で診断されます:
- 視診:特徴的な発疹の形状や分布を確認。
- 問診:発疹の出現経過や周囲での感染者の有無を確認。
- 血液検査・ウイルス検査(重症例や診断が難しい場合に実施)。
典型的な症状が見られる場合、臨床診断で十分です。
治療法について
水痘は通常、自然治癒しますが、症状を和らげるための対症療法を行います。
- 痒みの軽減:抗ヒスタミン剤や軟膏を使用。
- 発熱の管理:必要に応じて解熱剤を使用(アスピリンは避ける)。
- 抗ウイルス薬(重症例や合併症のリスクが高い場合に処方される)。
- 十分な水分補給と栄養補給。
注意が必要な合併症や重篤な兆候
水痘は一般的に軽症ですが、以下の場合は注意が必要です:
- 細菌感染:水疱が化膿し、赤く腫れる。
- 肺炎:発熱が長引き、咳や息切れが現れる。
- 脳炎:強い頭痛、嘔吐、意識障害。
- ライ症候群:解熱剤(特にアスピリン)の使用に関連。
症状が重い場合やこれらの兆候が見られた場合は速やかに医療機関を受診してください。
家庭でできるケア
- 発疹を掻かないようにする:爪を短く切り、掻き壊しを防ぐ。
- 痒みを和らげる:清潔な湿布や冷たいタオルで冷やす。
- 入浴は短時間で:ぬるま湯を使用し、発疹部分をこすらないように。
- 衣服や寝具の清潔を保つ:刺激の少ない綿素材を選びましょう。
予防方法
- 予防接種(水痘ワクチン):1歳から接種可能。定期接種として推奨されています。
- 感染者との接触を避ける:特に免疫力の弱い人は注意。
- 基本的な衛生対策:手洗いを徹底し、家庭内での感染拡大を防ぐ。
よくある質問(FAQ)
Q1: 水痘は大人もかかりますか?
A1: かかります。大人では重症化しやすく、合併症のリスクも高いため注意が必要です。
Q2: 登園・登校はいつから可能ですか?
A2: 発疹がすべてかさぶたになり、体調が回復した後に可能です。医師の指示に従ってください。
Q3: 一度かかった水痘が再び発症することはありますか?
A3: 水痘として再発することはありませんが、ウイルスが体内に潜伏し、後に帯状疱疹として再活性化することがあります。