小児科
アレルギー・皮膚症状
症状・疾患の概要
小児のアレルギー・皮膚症状は、免疫系が特定の物質に過剰反応を示し、皮膚にかゆみや発疹、腫れなどの症状が現れる状態です。食物、ハウスダスト、花粉、ペットの毛、特定の化学物質など多様なアレルゲンが原因となることがあります。乳幼児期から見られることが多く、適切な管理と治療が必要です。
主な症状
- 湿疹・発疹:赤みや腫れ、小さなブツブツが皮膚に現れる。
- かゆみ:夜間に悪化することが多く、掻き壊しによる皮膚の炎症を伴うことも。
- じんましん:突然現れ、数時間で消える膨疹(赤く腫れた発疹)。
- 乾燥肌:皮膚がかさつき、ひび割れやかゆみが生じる。
- 腫れ:目や唇、手足などの局所的な腫れ(アレルギー性血管浮腫)。
- その他の症状:アレルギーが重症化すると、呼吸困難や喉の腫れ(アナフィラキシー)を伴うことがあります。
診断と検査について
小児のアレルギー・皮膚症状の診断は以下の方法で行います:
- 問診
- 症状の出現時期、アレルゲンとなる可能性のある食物や環境を確認。
- 家族にアレルギー体質の人がいるか(家族歴)。
- 視診
- 皮膚の状態を観察し、発疹や炎症の範囲・程度を確認。
- アレルギー検査
- 血液検査:IgE抗体の測定でアレルゲンを特定。
- 皮膚プリックテスト:皮膚にアレルゲンを接触させ、反応を見る。
- パッチテスト:接触性皮膚炎の原因物質を確認。
治療法について
治療は、原因を取り除き、皮膚のバリア機能を回復させることを目的とします。
薬物療法
- 抗ヒスタミン薬(内服):かゆみやじんましんの緩和。
- ステロイド外用薬:湿疹や炎症を抑える(短期間の使用)。
- 保湿剤:乾燥肌を改善し、皮膚のバリア機能を回復。
- 免疫抑制外用薬(タクロリムス軟膏など):アトピー性皮膚炎に有効。
生活習慣の改善
- アレルゲン回避:アレルゲンとなる食品や環境要因(ダニ、ペットなど)を避ける。
- スキンケア:毎日の入浴後に保湿剤を塗布し、皮膚を保護。
- 住環境の整備:空気清浄機や掃除でハウスダストを減らす。
注意が必要な合併症や重篤な兆候
以下の症状が見られた場合は、緊急対応が必要です:
- アナフィラキシーショック:呼吸困難、喉の腫れ、意識障害。
- 急激な皮膚の腫れ:目や唇、手足が急激に腫れる。
- 全身に広がる発疹と高熱:アレルギー性疾患や感染症の可能性。
これらの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
家庭でできるケア
- 皮膚の保湿:入浴後すぐに保湿剤を塗り、乾燥を防ぐ。
- かゆみを抑える:冷やしたタオルを使うなどして、掻き壊しを防ぐ。
- 衣類選び:肌に優しい綿素材の衣類を使用し、皮膚の刺激を減らす。
- アレルゲンの管理:疑わしい食品は避け、環境の清潔を保つ。
予防方法
- 予防接種:アレルギー性疾患の悪化を防ぐため、定期接種を受ける。
- バランスの良い食事:免疫機能を高める食品(野菜、魚など)を積極的に摂取。
- ストレス管理:子どもの心理的な負担を減らし、リラックスできる環境を提供。
- 早期対応:皮膚の異常を早めに発見し、悪化を防ぐ。
よくある質問(FAQ)
Q1: 小児のアトピー性皮膚炎は成長とともに治りますか?
A1: 多くの場合、成長とともに症状が軽快しますが、適切なケアと治療が必要です。
Q2: アレルゲンを完全に避ける必要がありますか?
A2: 重篤なアレルギー反応を引き起こす場合は避ける必要がありますが、医師と相談しながら適切な管理を行うことが重要です。
Q3: 保湿剤はどのくらいの頻度で塗れば良いですか?
A3: 1日2~3回、入浴後や乾燥が気になるタイミングで塗るのがおすすめです。