小児科
嘔吐下痢症が流行中! うつさない・うつらないための家庭でのケア
「子どもが急に吐き始めて、次は下痢が止まらない…」「家族にも同じ症状が出だして大変!」
こうした胃腸のウイルス感染が、保育園や幼稚園、小学校で流行することは珍しくありません。いわゆる嘔吐下痢症(急性胃腸炎)は、ノロウイルスやロタウイルスなど、さまざまなウイルスが原因となり、強い吐き気や下痢、発熱が続くのが特徴です。子どもは大人より体力や免疫力が低いため、特に注意してあげたいですね。
うつさない・うつらないための対策
手洗いの徹底
- ウイルスは便や吐しゃ物、そして手指を介して簡単に広がります。帰宅後や食事前、オムツ替えのあとには、石けんでしっかり手を洗うのが基本。
- アルコール消毒では死滅しにくいウイルス(ノロなど)もあるため、流水と石けんで時間をかけた手洗いが最重要です。
オムツや吐しゃ物の処理に注意
- オムツ交換時は使い捨て手袋をするか、しっかりビニール袋を準備するなど工夫を。
- 吐しゃ物は漂白剤を使ったペーパーやタオルで拭き取り、密閉してから廃棄。床の拭き取りや消毒も入念に行ってください。
タオルや食器を共有しない
- 家族であっても、嘔吐下痢症が流行しているときはタオルやコップの共用は避ける。
- 洗濯物も分けて洗うか、70~80℃のお湯で消毒できるなら行うなど、できるだけウイルス拡散を防ぎましょう。
子どもが嘔吐・下痢するときの家庭ケア
こまめに水分補給を
吐き気や下痢で体内の水分が失われるため、少量ずつこまめに与えましょう。スポーツドリンクや経口補水液が便利ですが、甘いジュースは糖分が多すぎて胃腸を刺激するかもしれません。
無理に食べさせない
食欲がなければ固形物は一時的に控え、経口補水液やスープ、ゼリー飲料などを中心に。食事を再開するときは消化にやさしいものから少しずつ。
嘔吐物の処理後は必ず手洗い
何度でも言いたいくらい手洗いが重要。子どもだけでなく、大人もうつるリスクを下げましょう。
こんなときは医療機関へ相談を
- 吐き気や下痢が1日以上続き、飲食できない
- 明らかに脱水症状(唇や口の中が乾燥、尿量が極端に少ない)
- ぐったりして元気がない、呼びかけに反応が鈍い
- 血便や血が混じった嘔吐が見られる
こうした症状がある場合は、迷わず病院を受診し、適切な点滴や処置を受けることが大切です。
当院でできるサポート
すみだ両国まちなかクリニックでは、嘔吐下痢症が疑われるお子さんに対し、
- 視診・診察、必要に応じた検査(便検査や血液検査)
- 脱水を防ぐための点滴や、吐き気どめなどの投薬
- 保護者の方への感染予防やホームケアのアドバイス
などを行っています。子どもの体力は急に落ちることが多いので、「いきなり吐き始めた」「下痢が激しく食べられない」など、少しでも心配な症状があれば遠慮せずご相談ください。早めの対応で重症化を防ぎ、家族への二次感染リスクも下げることができます。