小児科
おたふく風邪かも… 耳の下が腫れたらどう対応する?
「子どもの耳の下が腫れて痛がっている」「発熱を伴って、顔が片側だけふくらんでいる」
こうした症状を見つけたら、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)を疑ってみてください。耳の下(耳下腺)が腫れ、痛みを感じるのが最大の特徴で、特に幼稚園や小学校で集団発生することもあるウイルス感染症です。
おたふく風邪ってどんな病気?
- 原因:ムンプスウイルスによる感染症で、飛沫や接触によってうつる
- 主な症状:片側または両側の耳下腺が腫れて痛み、発熱が1~3日ほど続くことが多い
- 合併症のリスク:まれに髄膜炎、難聴、思春期以降では精巣炎(男性)などを引き起こすことも
多くの場合は軽症で回復しますが、合併症が起こると重症化する可能性があるため、早期発見と適切なケアが大切です。
こんなときはおたふく風邪を疑って受診を
- 耳の下や顎下が腫れて、触ると痛がる
- ほおや首のあたりまで腫れが広がってきた
- 発熱(38℃前後)やだるさがある
- 唾液を飲み込む際に強い痛みを訴える
子どもによっては腫れや痛みが軽度で済む場合もあれば、高熱や強い痛みに苦しむケースもあります。合併症のリスクを考慮して、自己判断で「ただの風邪」と決めつけないようにしましょう。
自宅でのケアと注意点
安静と水分補給
- 発熱や痛みで食欲が落ちる子もいるため、こまめに水分を摂らせて脱水を防ぎます。
痛みを和らげる工夫
- 固いものや酸味の強い食べ物は控え、スープやゼリーなど柔らかいものを選ぶと◎
- 医師の指示があれば痛み止め(解熱鎮痛剤)を適切に使用
感染を広げない
- 感染力があるため、保育園・学校などへの登園・登校の判断は医師と相談を。
- 手洗い・うがい、咳エチケットを徹底して家族への感染拡大を防ぎましょう。
すみだ両国まちなかクリニックでのサポート
当院では、耳の下の腫れや痛みがある子どもさんに対して、以下のような対応を行っています。
- 視診や問診でおたふく風邪の可能性を評価
- 必要に応じて検査(血液検査など)や合併症の有無をチェック
- 症状に合わせた鎮痛薬や解熱薬の処方、食事・水分のとり方のアドバイス
- 合併症が疑われるときは、迅速に専門医療機関へ紹介
「うちの子が耳の下を痛がって腫れてきた…」という場合は、自己判断で様子を見すぎず、どうぞ早めにご相談ください。適切にケアをすれば、痛みや不安を軽減し、子どもが早く元気を取り戻すことが期待できます。