小児科
かゆみと乾燥が止まらない… 子どものアトピー性皮膚炎対策
「夜になると子どもが強くかいてしまい、朝になると肌が真っ赤に……」「保湿してもすぐ乾燥して、服を着替えるたびにぐずる」
そんな“かゆみ”や“乾燥”の悩みが長く続く場合、アトピー性皮膚炎の可能性が考えられます。子どもは大人より肌がデリケートで、少しの刺激や乾燥にも強く反応しやすいもの。今回は、アトピー性皮膚炎の基礎知識や、かゆみを和らげる日常対策をご紹介します。
アトピー性皮膚炎ってどんな病気?
- 肌のバリア機能が弱い:生まれつきの体質や環境要因も重なり、外的刺激(ホコリ、ダニ、花粉など)で肌が炎症を起こしやすい
- かゆみが強く、湿疹が繰り返し出る:頬、ひじの内側、ひざ裏、首まわりなど、湿疹ができやすい部位がかゆくなり、子どもが寝ている間も引っかいてしまう
- 良くなったり悪くなったりを繰り返す:保湿や薬で症状が落ち着いても、乾燥する季節や体調によって再発しやすい
日常のケアで気をつけること
保湿はしっかり、刺激は最小限に
- 入浴後や朝起きたときなど、1日2回以上はクリームやローションで肌を保護
- 石けんやシャンプーは低刺激のものを使い、よくすすぐ
清潔さを保ちつつ、洗いすぎない
- 外遊びで汗をかいたらシャワーで流す程度でもOK
- お湯を熱くしすぎない(38~40℃くらい)ほうが乾燥を防ぎやすい
爪を短く切っておく
- かきむしりで肌に傷がつくと、二次感染(とびひなど)のリスクが高まる
- 夜は手袋や綿のパジャマなど、肌にやさしい素材を選ぶと◎
こんなときは病院へ
- 肌の炎症がひどく、保湿しても赤みや湿疹が広がる
- かきむしりによる傷から血や黄色い液が出ている(細菌感染を起こしている可能性)
- 夜中に何度も目が覚めるほどかゆみが強い
- 薬を使っているのに良くならない、または繰り返し悪化する
アトピー性皮膚炎は「体質だから仕方ない」と思われがちですが、適切な薬物療法やスキンケア、生活習慣の見直しで症状をコントロールできる場合が多いです。
当院でのサポート
すみだ両国まちなかクリニックでは、
- 皮膚の状態や生活環境のヒアリングを行い、必要に応じてステロイド外用薬や保湿剤を処方
- アレルギー検査や食事・住環境のアドバイスを通じて、かゆみを和らげる日常ケアを提案
- 患部がただれて感染が疑われる際には、適切な抗生物質の使用や専門医療機関との連携も行う
子どもの肌トラブルは放置すると夜泣きや不機嫌など、親子ともにストレスが増えてしまいます。少しでも症状が長引く、悪化していると感じたら早めにご相談ください。適切なケアで、お子さんのかゆみを軽減し、日常を快適に過ごす手助けをいたします。