息が苦しそう…クループ症候群のせき声を見分けるコツ
「夜中に急に子どものせきが“オットセイ”みたいな音になって、息苦しそうでびっくりした」「声もかすれて、泣いても声が出にくい感じ…これってただの風邪?」
もしそんな症状が見られたら、クループ症候群の可能性を疑いましょう。クループは、主にウイルス感染によって喉頭や気管付近の気道が腫れ、特徴的なせき声(犬吠様咳嗽)を引き起こす病気です。乳幼児に多いのが特徴で、夜間~明け方に突然発作のようにせき込み始めるケースが少なくありません。
クループ症候群ってどんな症状?
- 犬やアザラシが吠えるような“吠え声”に近いせき
- 声がかすれる(しわがれ声)
- ゼーゼー・ヒューヒューと呼吸が苦しそう
- 高熱を伴うこともあり、特に夜中に発作が起きると親御さんが驚いてしまう場合が多いです。
子どもの気道は大人より細いため、少しの炎症でも息苦しくなりやすいのがクループの厄介なところです。
せき声を見分けるコツ
「オットセイのような声」がキーワード
通常の風邪ではあまり聞かれない、低く強いせき声が出ていないかチェック。
夜になると急に悪化
夕方までは元気だったのに、夜になるとせきがひどくなり、息苦しさを訴える子どもが多いのがクループの特徴です。
声のかすれやしわがれ声
喉頭が腫れて声帯に影響し、泣き声やしゃべり声が普段と違う感じになることがあります。
自宅での対応ポイント
落ち着かせる:子どもが不安になると呼吸がさらに乱れがち。抱っこしたり、少し上半身を起こす姿勢で様子を見る。
部屋の湿度を保つ:加湿器を使う、浴室で蒸気を吸わせるなどして気道の乾燥を軽減すると、せきが和らぐ場合があります。
安静にする:大声で泣き続けると喉が刺激され、症状が悪化することも。親御さんが落ち着いて声をかけましょう。
こんなときは受診をおすすめ
- 子どもが呼吸困難を訴える、明らかに息が荒く脈も速い
- せきがひどくて眠れない状態が何日も続く
- 高熱(38.5℃以上)や唇が青白くなるなどのサインが見られる
クループは重症化すると気道が大きく狭くなり、呼吸困難につながるリスクがあります。少しでも様子がおかしいと感じたら、早めに受診しましょう。
当院でのサポート
すみだ両国まちなかクリニックでは、クループの疑いがあるお子さまに対して、
- 症状のヒアリングや視診で気道の状態を評価
- 必要に応じてステロイドや吸入などの治療を行い、呼吸を楽にするサポート
- ご自宅でのケアや再受診のタイミングも含め、わかりやすくアドバイス
夜間の突然のせき込みに慌てず対応するためにも、「いつもと違うせき声」を覚えておきましょう。疑わしい症状がある場合は無理せず早めに受診し、安心して過ごせるよう一緒に対策を考えていきましょう。