小児科
ヘルパンギーナの注意点とは? こどもの夏かぜの上手な乗り切り方
「夏に入った途端、子どもが高熱と強いのどの痛みでぐったり…」「のどに水疱のような発疹ができて食べたがらない」。
そんな症状があるときは、ヘルパンギーナというウイルス性の“夏かぜ”かもしれません。ヘルパンギーナは主にエンテロウイルスが原因で、幼稚園や保育園などで一気に拡がるケースが多いです。子どもが口を痛がり、水分や食事を拒むこともあるため、正しいケアを知っておくことが大切です。
ヘルパンギーナってどんな病気?
- 発熱:突然の高熱(38〜40℃程度)になることが多く、1〜3日程度続く
- のどの水疱・潰瘍:のどの奥や口の中に小さな水疱ができ、破れると痛みが強くなる
- 夏に流行しやすい:6〜8月頃に乳幼児〜小学生を中心に感染しやすく、せきやくしゃみ、便などからウイルスが広がる
一見ただの「のど風邪」と似ていますが、水疱が強い痛みをもたらすことがあり、子どもが泣き止まないほど痛がる場合もあります。
こんなときは受診を検討
- 高熱が2〜3日以上続き、ぐったりしている
- 水分をほとんど受けつけず、唇や手足が乾燥気味(脱水の兆候)
- のどの痛みでまったく食べられない・飲めない
- 発疹が異常に広がり、体全体に波及したり、ほかの合併症を疑う症状
通常は数日で回復しますが、子どもの体力が少ないうちに食事や水分が取れないと、思わぬ重症化につながる可能性も。
夏かぜを乗り切るためのケア
こまめな水分補給
- 冷たい飲み物でのどの刺激を和らげると◎。ただし、炭酸や酸味の強いジュースはしみることがあるため注意
刺激を避けた食事
- ゼリーやヨーグルト、スープなど、のどを通りやすいものを選ぶ
- 辛い・熱い・酸っぱい食べ物は避け、子どもの様子に合わせて無理なく
安静と睡眠
- 発熱やのどの痛みで子どもの体力が落ちているので、クーラーの使い方を工夫しながら、しっかり休ませる
当院でできるサポート
すみだ両国まちなかクリニックでは、以下のような対応を行います。
- 症状やのどの状態、簡易検査などからヘルパンギーナの疑いを評価
- 発熱が強い場合や痛みが激しい場合には、解熱剤や痛み止めを処方し、水分補給・栄養補給が進むようサポート
- 二次感染や合併症のリスクを見極め、必要に応じて連携先の医療機関へ紹介
「高熱で水分さえ飲めない」「のどの痛みが強く、ぐずってつらそう」など、普段と様子が違えば無理をせずに受診を検討してください。適切なケアや対応で、夏の暑さにも負けず、子どもが元気を取り戻せるようにお手伝いします。