パニック発作が起きたらどうする?予防法と対策を専門医が解説
突然、胸がドキドキして息苦しくなり、「このまま死んでしまうかも」という強い恐怖に襲われる。これがいわゆるパニック発作です。電車や人混み、または会議中など、思いがけない場面で起こることも多く、本人も周りも慌ててしまいがち。そんなパニック発作が起きたとき、どのように対処すればいいのでしょうか? ここでは、発作の最中の対処法や、日頃からできる予防策を解説します。
パニック発作の特徴とは?
パニック発作は、動悸や息切れ、めまい、過呼吸、激しい不安感などが突然襲ってくる状態です。胸の痛みや体の震えを感じる人もいます。数分から数十分ほどで症状がピークに達し、多くは徐々に治まりますが、「また発作が起きるのでは」という恐怖(予期不安)が残り、生活に大きな支障をきたすことも少なくありません。
発作が起きたらどうすればいい?
安全な場所に移動する
人混みや乗り物の中で発作が起きた場合、可能であれば周囲に協力を求めつつ、より落ち着ける場所へ移動しましょう。
呼吸を整える
過呼吸気味で息苦しいときは、鼻からゆっくり息を吸い、口をすぼめて少しずつ吐く「呼吸法」を意識してみてください。ペーパーバッグ(紙袋)を使う方法も知られていますが、医師の指示がない場合は慎重に。
「これはパニック発作で、必ず治まる」と自分に言い聞かせる
発作中は恐怖で頭がいっぱいになりがちですが、自分の状態を客観視できると、パニックの連鎖を断ち切りやすくなります。落ち着いた声で周囲に助けを求めてもOKです。
予防のための日常対策
ストレスマネジメント
発作にはストレスが大きく関係している場合が多いです。普段から仕事の負荷や人間関係を見直し、適度に休息をとるよう心がけましょう。
生活習慣を整える
睡眠不足や食事の乱れは、不安を増幅させやすい要因です。夜更かしや過度なカフェイン摂取を避け、規則正しい生活を目指しましょう。
呼吸法やリラクゼーションの習慣化
軽いストレッチや瞑想などを日常に取り入れておくと、発作が起きかけたときに落ち着きを取り戻しやすくなります。
心療内科でできるサポート
パニック発作が繰り返される「パニック障害」は、心療内科や精神科での治療が有効とされています。
- 薬物療法:抗不安薬やSSRI(抗うつ薬)を使用し、発作や予期不安を緩和する
- 生活習慣指導・カウンセリング:ストレスのコントロール方法や、発作に対処する具体的なスキルを身につける
- 必要な場合は専門医への連携:重症例や他の疾患が疑われる場合、連携する医療機関へ紹介
「救急車を呼ぶほどではなかったけど、本当に苦しかった」という経験があるなら、一度医師に相談してみてください。早めに治療やケアを受けることで、日常生活への支障を最小限に抑えられる可能性が高まります。
まずは気軽にご相談を
パニック発作は突然やってきますが、適切な対処法や予防策を知っておくだけで心の負担は大きく減らせます。周囲に理解があることや、専門の医療機関で治療を受けることで、「また起きたらどうしよう」という不安が和らぐケースも多いです。
もし、「心当たりがある」「最近、胸のドキドキや息苦しさを感じることが増えた」という方は、どうぞお気軽にご来院ください。当院では、かかりつけ医として幅広く対応し、必要に応じて専門医とも連携しながら、あなたの生活をサポートいたします。