自律神経の乱れって何?ストレスによる体調不良との関係
「最近、やたらと疲れやすくて、寝ても疲れが取れない」「頭痛やめまい、お腹の不調が続いているのに、病院の検査では異常なしと言われた」。
実は、こうした“原因不明”の体調不良には、自律神経の乱れが大きく関わっていることがあります。ストレスや生活習慣の乱れによって自律神経が正常に働かなくなると、体のあちこちで不調が出やすくなるのです。
自律神経の役割とは?
人間の体には、意識しなくても心拍や呼吸、消化などを調節してくれる仕組みが備わっています。これを司るのが自律神経。交感神経(活動時)と副交感神経(休息時)がバランスを取り合い、24時間休むことなく体の状態をコントロールしています。ところが、過度なストレスや寝不足、生活リズムの乱れなどが続くと、このバランスが崩れやすくなり、次のような症状が表れやすくなります。
- 頭痛やめまい、耳鳴りがする
- お腹の調子が悪く、下痢・便秘を繰り返す
- 肩こりや腰痛が悪化する
- 眠れない、あるいは眠りが浅くなる
- イライラ感や不安感が増す
ストレスが引き金になることも
自律神経は心の状態とも深く結びついています。仕事や家庭でのストレス、人間関係の悩みなどが続くと、交感神経が優位になりっぱなしの状態に…。すると、体が常に“戦闘モード”のようになってしまい、血管の収縮・拡張や内臓の動きが乱れて、さまざまな体調不良を引き起こしやすくなります。
「朝起きるのがつらい」「ぐっすり眠れていない気がする」「しょっちゅう胃がキリキリ痛む」と感じる方は、ストレスを溜め込みすぎていないか、一度振り返ってみるといいでしょう。
改善のポイントは「生活習慣とストレスケア」
自律神経の乱れによる不調を改善するためには、以下のようなポイントが挙げられます。
- 規則正しい睡眠:就寝と起床の時間を一定にし、スマホや夜更かしを控える
- リラクゼーション習慣:軽いストレッチやウォーキング、深呼吸法などを取り入れる
- ストレスの吐き出し:家族や友人に相談したり、カウンセリングを利用する
- 適度な運動と栄養バランス:体を動かすことで血行が促進され、心身のリフレッシュにつながる
もしこうしたセルフケアを試しても改善しない場合は、心療内科などで専門的なアドバイスを受けることを検討してみてください。
当院でできるサポート
自律神経の乱れによる不調は、「病院で検査しても異常がないのに、なぜか体調が悪い」という形で表れることが多いです。当院では、総合内科的な検査や問診を行い、必要に応じて心療内科的アプローチ(薬物療法やストレスマネジメント指導など)も併用しながら、患者さんの体と心のバランスを整えるお手伝いをしています。
「こんな症状、気のせいかも…」と我慢しすぎると、体調をさらに悪化させるリスクが高まります。早めに専門家に相談し、自分に合ったケア方法を見つけることで、思わぬ不調の連鎖から抜け出しやすくなるでしょう。