小児科
小児喘息
症状・疾患の概要
小児喘息は、気道の慢性的な炎症により、呼吸が苦しくなる発作を繰り返す病気です。アレルギーや遺伝的要因、環境の影響が発症に関与しています。発作時には気道が狭くなり、咳、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)、息切れが見られます。適切な管理により、発作を予防しながら通常の生活を送ることが可能です。
主な症状
- 夜間や早朝に悪化する咳
- 息を吸う・吐くときに聞こえる喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー音)
- 呼吸困難や胸の圧迫感
- 運動時や冷たい空気を吸ったときに症状が悪化する
- 長引く咳や風邪をきっかけに症状が出ることも
診断と検査について
小児喘息は、以下の方法で診断されます:
- 問診:症状の頻度、アレルギーの有無、家族歴を確認。
- 聴診:呼吸音をチェック。
- 肺機能検査(6歳以上):呼吸の状態を測定。
- アレルギー検査:血液検査や皮膚テストでアレルギーの有無を確認。
症状や検査結果に基づき、喘息の有無を総合的に判断します。
治療法について
小児喘息の治療は、症状を和らげる発作時治療と、発作を予防する長期管理の2つが中心です。
- 発作時治療:短時間作用性β2刺激薬(吸入薬)を使用し、気道を拡張。
- 長期管理:吸入ステロイド薬で気道の炎症を抑える。
- 必要に応じて抗アレルギー薬やロイコトリエン拮抗薬を併用。
医師と相談しながら、発作を予防し、症状をコントロールします。
注意が必要な合併症や重篤な兆候
喘息発作は重症化すると命に関わることがあります。以下の症状が見られた場合は速やかに医療機関を受診してください:
- 息苦しさが強く、言葉を話せない
- 唇や顔色が青白くなる(チアノーゼ)
- 吸入薬を使用しても症状が改善しない
- 強い胸の痛みや呼吸困難
家庭でできるケア
- 吸入薬を正しく使用:医師の指導に従って吸入薬を使用。
- 生活環境の整備:アレルゲンとなるハウスダストやペット、花粉を避ける。
- 風邪の予防:手洗い、うがいを徹底。
- 体力づくり:適度な運動や規則正しい生活習慣で発作の予防を。
予防方法
- トリガー(発作の引き金)を避ける:アレルゲン、ストレス、激しい運動、冷たい空気など。
- 定期的な通院:治療計画を確認し、症状を継続的に管理。
- インフルエンザワクチンの接種:感染症が喘息発作を引き起こすことを防ぐ。
よくある質問(FAQ)
Q1: 子どもが成長すると喘息は治りますか?
A1: 小児喘息は成長とともに軽快することが多いですが、一部は成人になっても続きます。
Q2: スポーツはしても大丈夫ですか?
A2: 医師の指示に従い、適切に管理すればスポーツは可能です。準備運動をしっかり行い、必要なら運動前に吸入薬を使用します。
Q3: 発作時に家庭でできる応急処置は?
A3: 吸入薬をすぐに使用し、症状が改善しない場合は速やかに医療機関を受診してください。