小児科
ヘルパンギーナ
症状・疾患の概要
ヘルパンギーナは、夏に流行する小児のウイルス性疾患で、主にエンテロウイルス(特にコクサッキーウイルス)が原因となります。急な発熱と口腔内に痛みを伴う水疱や潰瘍が特徴です。乳幼児から小学校低学年の子どもが主に罹患します。
主な症状
- 突然の高熱(39~40℃)
- のどの痛み(嚥下時の強い痛み)
- 口蓋垂(のどちんこ)の周辺や喉奥に小さな水疱や潰瘍
- 食欲低下
- 全身の倦怠感
通常、症状は3~5日で改善しますが、発熱やのどの痛みが強いため、子どもの機嫌が悪くなることが多いです。
診断と検査について
ヘルパンギーナは以下の方法で診断されます:
- 視診:口腔内の水疱や潰瘍の確認。
- 問診:突然の発熱とのどの痛みの有無、流行状況の確認。
- ウイルス検査(必要に応じて):迅速診断キットや培養検査。
多くの場合、典型的な症状に基づいて診断可能です。
治療法について
ヘルパンギーナに特効薬はありません。症状を和らげるための対症療法を行います。
- 発熱の管理:解熱剤を適切に使用。
- 痛みの緩和:鎮痛剤を用いてのどの痛みを軽減。
- 水分補給:冷たい飲み物やゼリー状の食品で水分を補給。
- 十分な休息:体力回復を促します。
注意が必要な合併症や重篤な兆候
ヘルパンギーナ自体は軽症が多いですが、以下の場合は早急に医療機関を受診してください:
- 脱水症状(口が乾く、尿が減る、ぐったりする)
- 非常に高い発熱が続く場合
- 熱性けいれん
- 意識がぼんやりしている、または反応が鈍い場合
家庭でできるケア
- 冷たい飲み物やアイスクリームでのどの痛みを軽減。
- 刺激の少ない食事(スープやゼリー)を与える。
- 部屋の温度を快適に保ち、安静にさせる。
- 解熱剤や鎮痛剤を医師の指示に従い適切に使用。
予防方法
- 手洗いの徹底:ウイルスは手を介して感染するため、特に食事前やトイレ後に手を洗う。
- 感染者との接触を避ける:流行期には感染した子どもと密接に接触しない。
- 共有物の消毒:おもちゃやタオルを消毒し、家族内感染を予防。
よくある質問(FAQ)
Q1: ヘルパンギーナはどのくらいで治りますか?
A1: 通常、発熱は3日程度で下がり、全体の症状は1週間以内に改善します。
Q2: 家族にうつることはありますか?
A2: ありますが、大人は感染しても症状が軽いことが多いです。基本的な衛生対策を徹底してください。
Q3: 登園・登校はいつから可能ですか?
A3: 解熱し、のどの痛みが軽快してから登園・登校可能です。医師に相談してください。